読みかえす
「今日のダーリン」
2003/06/28
今週のdarlingの
「ほぼ日」以外の仕事って、
いろんなヤマ場が、重なっていたんです。

「ほぼ日」そのものも岐路を
迎えているところでもありますから、
そのぶん、外部でやっている人の方法と、
自分の方法とを、比較するような話が、
つづいたのかもしれませんねぇ。

「自分を外から見てみる」
「外で落ち着いた人の立場に立つ」
「外でバリバリ仕事をしてる視点に立つ」

視点の移動をさせつつ、
自分のことをかえりみるっていうことは、
けっこう、脳を活発にするかもしれません。

じゃ、視点をいろんなところに置いた
今週の「今日のダーリン」から、
3日ぶんを、おたのしみください。

6月24日

【自分を外から見てみると】

このところ、いつも以上に
ものすごい数のメールを読んでいます。
なかには、ものすごいものもあったりして、
腹具合が悪くなったりすることもあります、
ウソですが。
しかし、励まされることのほうが
1000倍も多くて、
ついつい、やる気になってしまいます。
昨夜は、なんだか1年ぶりくらいで、
古いともだちのコピーライターに会って、
昔みたいな時間を過ごしましたが、
その男は、憎めない乱暴者みたいなやつで、
「なんで、あんたは
 苦労絶えないようなことばっかり
 やりよるねん」というようなことを、
酒を飲みつつ言って、笑っておりました。
どえらい苦労を背負っているように、
見えるらしいです。
でも、そうも言えるんだけれど、
そうでもない、とも言えるわけで。
他の誰が
「ほぼ日」みたいなことが続けられる?!
というような自負もありますが、
同時に、こんなおもしろいこと、
やめられないぜ、
という気持ちもかなり強いのです。
でも、いま、ちょっとまた
変化の時のような気がしてます。
なんか、もうちょっと「軽く」していきたい。
ムツカシイことを避けるというのではなく、
重いことをやめるというのでもなく、
すべてを、
「軽く」表現できるようにしたいのです。
追い込む、追いつめる、こだわる、
というようなことは、
そういう用事のある人にまかせておいて、
もっと、軽く、
大事なことをやりたいものだ、と。
昔のともだちに、
「苦労絶えないねー」などと、
言われているようでは、
いけないなぁとも思いました。
ま、のんびり
そっちの方向に向けてやっていきます。


6月25日

【インテリア界を外から見たら】

インテリアデザインの賞の審査に、
ゲストで呼ばれて行きました。
ふだん、そう熱心に
インテリアデザインについて
考えているわけじゃないのですが、
8時間ほど、興味深い時間を過ごしました。
最近では、流行のレストランなどに、
いかにも付け焼き刃という感じの
デザインを感じていて、
いい意味じゃなく気にはなっていた
ジャンルでしたが、
一流の方々の審査会場での話などを
聞いていたら、すっかり
おもしろくなってしまったのでした。
インテリアデザインというのは、
民家やマンションでの室内装飾、
というイメージで
ついとらえてしまいがちですが、
もっと大きなスケールで、
建築と「つがい」に
なっているものだったんですねぇ。
人が服装を選ぶのと、
建物がインテリアを選ぶのは、
とてもよく似ていて、
いくら中身が大事だといっても、
服装で表現されている何かを、
人は受け取るものでして。
「こういうものを
 キレイだと思っている自分」だとか、
「こういう姿で、人と接したいお店」だとか、
外面に思われがちなことって、実は、
「思い」や「考え」の表現ですからねぇ。
最近流行のデザイナーの意図が
見えすぎるような
お仕着せっぽい感じというのは、
「服の表現を、借り着ですませている」
ということが、いけないのかもしれません。
善かれ悪しかれ、
「身に付いている」ということが、
大事なんだろうなぁと、
あらためて思いました。
オレって、しょっちゅう
「あらためて思」ってるなぁ。


6月27日

【宮崎駿さんの休み方を眺めて】

よく思い出すのは、
宮崎駿さんの仕事の仕方です。
『「もののけ姫」はこうして生まれた。』
という3巻にわたる
ドキュメンタリービデオがあるのですが、
長編アニメをつくる仕事というのは、
実に、文字通り、
命を削っているというふうに見えます。
自分より年上の
宮崎さんがやっているのだから、と、
よく自分の尻にムチを入れてきたのですが、
とてもかなわないですねぇ。
でも、宮崎さんの休み方を、
全肯定しちゃいけないと、
ぼくは、ほんとうは思っているのです。
「ほぼ日」で
何度書いたかわからないけれど、
ぼくら凡人は、
休み方のクリエイティブを
もっと追い求めなくてはいけない
と痛感します。
お金持ちは、
消費のクリエイティブの見本を見せて、
忙しい人は、
休みのクリエイティブの先取りをして、
「どうだ、うらやましいだろう」
と胸を張ってさ、
うらやましがられるくらいじゃないと
ダメですよね。
稼ぐばかり、産みだすばかり、
働くばかりじゃ、
誰もその方向に夢を描けないもの。
ぼくは、当分、
それができないみたいなのですが、
「そっちのほうが、いいんだ」
ということだけは、
本気で信じながら、
ドタバタしてようと思います。

2003-06-28-SAT


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