今週は、移動にまつわる話を、
３日ぶん、おとどけいたしますね。
散歩ブームが続いているし、
散歩へのおたよりが多い今日このごろです！
【「ちょっと」だけでは弱い】
このところ、散歩がおもしろくて
しかたないです。
昨日は、お昼前の
青山原宿あたりを地回りしたんですが、
時間が時間だったので、あちこちで
ランチを食べている人を
たくさん見かけました。
ちょっとコギレイな店のランチ、
ちょっと工夫した感じのランチ、
ちょっと流行をとりいれたランチ、
ちょっとオトクなランチ‥‥と、
いろいろあるんですが、
これだけたくさんの店が、
お昼のお客さんに対して
「うちに来るといいことありますよ」と
呼びかけているのだけれど、
どの店も「ちょっと」のちがいという次元を
抜け出せてないように見えるんですよ。
チラシを配るかわりの、
宣伝の意味でランチをやっても、
なじみのお客さんを増やすことは、
むつかしそう。
青山とか原宿とかの、
ちょっと家賃の軽い裏通りに、
ちょっと趣味のいい店が
たくさんあるけれど、
散歩しながら、そういう店を数えていくと、
あまりに「ちょっと」の
ちがいしかないことに驚きます。
「ちょっと」のちがいしかない
趣味のいい店が
いくらたくさんあっても、
いずれはみんな消えそうな予感。
実際、そういう店が
生まれては消えていくのを、
ぼくは長いこと
見続けていたような気がします。
「ちょっと」ってのは、
ほんとに弱いんですよ。
趣味がよくて
「ちょっと」個性的っていうのは、
男のコや、女のコだったら
モテるかもしれなけれど、
お店や商売ということになると、
力ないんだよなぁ。
散歩は、ためになるわ、実際。
【捕った上で考えること】
散歩があいかわらず
おもしろくてしょうがない。
かつてわざわざ散歩の特集の
テレビ番組までやった
ワタクシなのですが、
実際にかなり意識的に
散歩をはじめてみたら、無限の宝を
手に入れたような気分になっている。
恋愛初期みたいなもんでしょうから、
いずれおちついていくと
思うんですけどねー。
禁煙も、もう2カ月を過ぎて、
生活のリズムも朝型のほうに
シフトしていって、
「丈夫な糸井重里」を
再構築しようとしているんだけど、
そこに散歩が含まれてるわけなのよ。
いろんな意味で、
「散歩のすごさ」を感じています。
人間という生きものが、
食ってひりだすをベースにして、
食い物を獲りにいく、
どこに食い物があるかを考える、
というような進化をしてきたのだ
ということが、体感できる思いです。
「考える」は
「獲り（採り・捕り）にいく」の上に
発展しているものであります。
じっとしていて
食い物が手に入るというのは、
分業の成り立っている社会では
あって当然だけれど、
ボディとしては
そんなふうにできてないわけです。
「歩く」の上に、
「考える」を乗せるというふうに、
自分を作り替えたいと、
「考えた」のです。
で、実際に歩いてみたら、ほんとにすごい。
あんまりすごいので、来春になったら、
長い長い散歩をしようと思いつきました。
東京から京都まで、
東海道を散歩しようという計画。
むろん、ぼくもいい年のおやじですから、
つらい旅行をするのが目的ではありません。
ちゃんとしたホテルや宿屋に泊ったり、
その地方地方の
うまいものを食べたりしながら、
「ほぼ日」の原稿も書いたりしながら、
行くんです。やりますよ、たぶん、
長い散歩、
その時が近づいたら情報よろしくね。
【京都に行く前の夜に思いついた】
今日は、また京都です。
ときどき思うんだけど、
「のぞみ」という新幹線だと、
東京から京都まで
2時間20分で着いちゃうんだよね。
速いほうがいいとも言えるんだけど、
「ひかり」の3時間10分のほうが
よかったかなぁと、
思うこともあるんだよなぁ。
人間って、図々しい動物だよねぇ。
「ひかり」の時代には、いつも、
新幹線で寝られるぞって、
計算にいれてたもんだから、
「のぞみ」だと寝そびれることが多くて、
損したような気になっちゃうんだなぁ。
だったら最初から
「ひかり」にすればいいものを、
ついつい速いほうがいいような気がして、
「のぞみ」に乗っちゃうんだなぁ。
はっ、いま気付いたんだけど、
「こだま」が音の速さだとしたら、
「ひかり」は
光の速さだってことになるよねー。
それより速い新幹線に
「のぞみ」ってネーミングしたのは、
どういう意図が
あってのことだったんでしょう。
のぞみってものは、光より速いのかぁ？
これから先、
のぞみより速いのが登場したら、
どうするんだろう？
もう、いっそ「キレ」とか「コク」とか？
やけになって
「鬼」だとか「亀」だとか付けちゃう？
すいません。
ほんとうに
どうでもいいことばかり書いていて。 |
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