読みかえす
「今日のダーリン」
2003/12/06
今週は、とにかく、
『オトナ語の謎』の一週間でした。

「『オトナ語』という、
 オトナ社会の共通言語を、
 網羅して解説して応用して
 笑いのタネにする本なんて、
 いままで、地球上になかったんですから!
 なくてもいいからなかった、のではなく、
 なくちゃ困るのに、
 なかった本なのですから!
 国立国語研究所にも、
 吉本興業にも献本できる本ですから!
 今日、すぐ買って、読んで、読ませて、
 学んで遊んでよろこんでください」

こんな感じの「今日のダーリン」も、
あったとおり、「ほぼ日」には、
ずいぶんたくさんのご注文を
いただいたんです。ありがとうございます!
今日の「読みなおす土曜」では、
静かに考えたことなどを3日ぶん、
ご紹介しますね。


11月30日

【悲しいときやつらいときには】

「日曜日でございますね。
 東京方面は、
 昨日はずっと雨でございました。
 行楽にでかけるはずだった方々、
 散歩してもらうはずだった犬の皆さま、
 がっかりでしたね。
 そして、日曜。
 天気予報は、かんばしくない。
 なんか台風だっつーじゃないの。
 まいったなぁ。
 こころも晴れないですよね、
 こういう日には。
 さらに、こんな日に、
 なにか悲しいことやら、
 ろくでもないことがあって、
 つらい人もいると思うんです。
 そういう人は、すぐに、本屋に行きたまえ。
 南伸坊の
 『本人の人々』(マガジンハウス)
 という本を、
 なにがなんでも探すのです。
 これを手に入れて、ページを開くのです。
 痛みに鎮痛剤を飲むような、
 対症療法ではありますが、
 確実に笑えます。
 笑えたからといって、
 悲しみの原因はなくなりません。
 しかし、悲しいはずの人でも
 笑わせる強力な本です。
 前にも、たしか『笑う写真』という
 本だったと思うけれど、
 伸坊の顔マネの本を、
 ぼくは30冊まとめ買いして、
 悲しそうな人や、さみしそうな人に
 差しあげたのでした。
 『とにかく笑える』というのは、
 スゴイことです。
 苦しいとき、腹が減ったときに
 歩くというのと同じくらい、
 こころにすぐに効果が伝わります。
 今日、すぐに
 ほしいわけじゃないという人は、
 ネット通販でも手には入りますけれど、
 すぐ見てほしい気持ちです。
 いま引っ越しの準備でおおわらわのツマも
 ひと休みのときにページをめくって、
 『疲れているところで
  笑ったら、頭がしびれた』
 ということでした
 (いや、頭の病気じゃないですよ)。
 とにかく笑える、すぐ笑える、
 『本人の人々』をよろしく」


12月1日

【iPodはたのしいけれど】

「iTunesに音楽をとりこんで、
 iPodで聴くということが、
 いつのまにか、
 当然のことのようになってきた。
 いまのところ、
 自分の買ったCDを入れているので、
 著作権者に損をさせていないとは
 思うのだけれど、
 これが流行しちゃったら、
 たしかにCDは売れないわと思う。

 みんなが音楽を
 タダで流通させるようになったら、
 その音楽をつくって食っていく人たちは、
 そのメシのタネが
 なくなるということになる。
 かといって、タダで聴けるものを、
 わざわざお金を出して買うということを
 する人間が、これからの時代に、
 たくさんいるとは思えない。
 いま現在、あえてCDを買ってから
 自分のiTunesにコピーしているぼくは、
 ある種のやせ我慢している
 ということなのかもしれない。

 デジタルと
 アナログのちがいがどうのこうの、
 というような討論が
 よく行われているけれど、
 デジタルのすごいところは、
 やっぱりコピーの品質が
 劣化しないことだと思う。
 だからこその現象が、
 これからもどんどん起こってくる。
 理屈じゃわかってるつもりだったけれど、
 ぼく自身の音楽環境が、
 なんだかすっかりiPodになって、
 『こういうことだったのかよ!』
 とびっくりしているのだ。

 特に、手持ちの落語のCDを
 いくらでも詰め込めること。
 いままでは、海外に出かけるときなんか、
 ぎりぎりまで悩んで落語のCDを
 やっと2〜3枚
 荷物に入れてたくらいだもんなー。
 それが、もう、いまじゃ、
 志ん朝さんの全部と、
 その何倍かの枚数の他の落語のCDを、
 持って歩けるように
 しちゃったんだもんねぇ。
 一消費者としては、
 ほんとにうれしいことばっかりなんだ。
 では、音楽界、芸能界ってのは
 どうなるのかと思うと、
 どうなるんだ、ほんとに?」


12月2日

【インフルエンザの予防注射】

「今年は、
 『インフルエンザの予防注射をする』
 とか、『した』という人の数が、
 いつもより多い気がする。
 いろんな理由があるのだろうけれど、
 ひとつはやっぱり、SARSのような、
 よくわからない流行り病が、
 国の機能を停止させるような
 状況をつくるということを、
 知ったせいがあるのだと思う。
 次に『あんなものは効かない』とか、
 『効く場合もあるってことらしい』などと、
 信用されてないところもあった
 流感の予防注射が、
 『どうやら効くらしい』と、
 思われるようになったこと。
 それはそれで、
 今年流行の型を当てる予測のほうも
 きっと発達したせいもあるのだろうね。
 あと、去年から今年にかけて、
 流感にかかってから
 48時間以内だったら劇的に効く、
 という薬が、あちこちで使われて、
 『インフルエンザには
  医者が頼りになるぞ』と、あらためて
 思われたのではないかとも思う。

 ふつうの風邪なら、
 東洋医学的な考えからしたら、
 『ひいたほうがいい』
 くらいのことも言えるけれど、
 インフルエンザは、
 どう考えてもひかないほうがいい。
 『ほぼ日』は、去年に続いて今年も、
 全員が、インフルエンザの
 予防注射をすることにしている。

 みなさんのところでは、
 どんな様子ですか?
 って、なんだか
 保健体育の授業のようなお話でした」

2003-12-06-SAT


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