読みかえす
「今日のダーリン」
2004/01/24
個人としての生き方や、
チームとしての仕事の広げ方や、
それから、好奇心の正体について、
今週もずいぶん沢山の反響がありました。
ここ最近の「今日のダーリン」から、
3日ぶんを、紹介してみますね。
読みのがした人、ぜひどうぞ。


1月18日

【フリーランスで生き抜くうえで】

「ノンフィクション作家の日垣隆さんは、
 有料のメールマガジンを発行している。
 1年間分の購読で
 約10000円なのだけれど、
 どうしてももっと安くしてもらいたい、
 という人は、
 その理由を書いてメールをすると、
 日垣さんが
 「それはもっともだ、安くします」
 という具合に
 判断して割引になる場合もある。
 その理由メールを読むのも、
 考えてジャッジするのも、
 その返事を書くのも日垣さん本人なのだ。
 つまり、それほどに手作りで
 熱心にこの仕事を
 やっているということでもある。

 創刊のときからぼくは
 購読しているのだけれど、
 おもしろいし、役にも立っているし、
 ふだん自分だけでは考えないような問題が
 乱暴といっていいくらいの勢いで
 投げかけられてくるので、
 ほんとうにいい刺激になっている。
 しかも、ありがたいことに読み終えた後、
 燃えるゴミにも
 燃えないゴミにもならない。
 メールソフトの受信箱に
 順番に保管しておくことができる。
 いいことばかりだ。
 個人で仕事をしているライターが、
 「自分ひとりがいれば
  食えるという仕組み」をもつのは、
 ほんとうにすばらしいことだと思うのだ。
 フリーランスで生きていくというのは、
 どれだけ先生と呼ばれようが
 大事にされようが、「下請け」仕事を
 続けていくということだ。
 その関係のなかで起こりうる
 不本意なことどもから、
 どれだけ自由になれるか、というのは、
 とんでもなく大事なことなのだと思う。
 日垣さんの試み、現在、
 とてもうまくいっているらしい。
 インターネットが、
 ナイスな道具になったいい例だ」


1月19日

【好奇心の爆発はカッコいい】

「生後6カ月の仔犬と暮していると、
 こいつの「好奇心」というものに
 つくづく感心する。
 とにかく、
 あらゆることに興味があるらしい。
 人間たちのどんなミーティングにも、
 彼女は首をつっこみたいらしいのだ。

 なんでも知りたい、なんでも参加したい。
 その好奇心が、過度であると、
 ぼくには見える。
 しかし、その過度な好奇心が、
 ぼくには、まぶしくて気持ちがいいのだ。
 絶対に消化しきれない情報まで、
 がつがつ取り入れようとして
 走り回っている。

 屋上から下をのぞきこんで、
 なにがあるんだろうと知りたくなって、
 そのまま飛び降りてしまいそうな好奇心。
 毒キノコを食べて
 死んでしまうかもしれない好奇心。
 道の向う側を見たくて、
 クルマに衝突してしまいそうな好奇心。
 そういうこと全部まちがっているのだ、
 犬よ、と思う。
 しかし、ぼくらをハラハラさせている、
 そのまちがいだらけの日々が、
 なんともカッコよくてたまらない。
 エネルギーに満ちた仔犬が家にいることは
 「爆発物」と
 いっしょにいるようなものだ。
 お、岡本太郎は、
 こんなところにもいるってことか」


1月20日

【チームメイトを毎日1分思う】

「もともと、ぼくは
 職人というようなカタチで
 仕事をしてきた人間なのでして。
 組織としての動きとかについては、
 「ほぼ日」をはじめてから
 学んでいるようなものなのです。
 だから、チームプレイの経験とかが
 少ないので、
 そのあたり得意じゃないのです、
 ほんとは、きっと。

 昨日、歴史的ゲーム
 『パックマン』の生みの親の
 岩谷徹さんにお会いしました。
 ナムコという会社で
 たくさんのチームを率いて、
 数々のゲームをつくってきた方ですから、
 チームプレイの経験知も
 いっぱい持っているわけです。
 そのなかで、ショックなくらい
 感心したことがありまして、
 「そ、それ、ぼく今日からマネします!」
 と、思わず叫んでしまいました。

 ●毎日、チームのみんなのことを、
  1人につき1分ずつ
  考えることにしているんです。

 ということでした。
 これをやっていると、
 誰がどういうことで悩んでいるか、
 どの人にどういうことを
 してもらえばいいか、
 自然に見えてくるのだというのです。
 そのときに、
 ぼくは言わなかったけれど、
 ここで言う「考える」というのは、
 「思う」ということでもあり、
 「祈る」ということでも
 あるように思ったのでした。
 すごいっしょ? マネします、これは。

 オレに、一日1分ずつ考えられちゃう
 乗組員たちから、やめてください、
 と言われるかもしれないけれどさ」

2004-01-24-SAT


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