「家が好き、しかも居間が好き」
というエッセイに、そうそう、と
休日の読者から、メールが沢山届きました。
のんびり読むのもいい、今週の言葉から、
3日ぶんを、おとどけいたしましょうか。
【居間には、何でも揃ってるんだから】
「せっかく土曜で休みだったのですが、
軽い風邪気味ってやつのせいで、
仕事のある夕方まで、
ずっとソファで寝ていました。
ソファというのは、居間にあります。
このごろ、つくづく思うのですが、
ぼくは、ほんとうに居間が好きです。
もともと、ぼくは
自分の家が好きだとは知っていました。
一時流行した「動物うらない」の、
ぼくはオオカミでした。
オオカミの人は、
家が好きなのだということでした。
「オオカミが見つからなかった場合は、
家にいるぞ」というくらい、
家が好きなのだと書いてありました。
そうだ、そのとおりだ、と思いました。
ところが、それだけじゃなかった。
家のなかでも、特に居間が好きなのだ、
と知りました。
去年の暮に、
少し大きい部屋に引っ越したわけですよ。
で、こんどこそ
「書斎」というか「個室」というか、
仕事部屋というようなものを、
確保したつもりでした。
しかし、そこは、
いまほとんど洗濯物を干す部屋です。
暖房を強めにして、
そこで洗濯物を乾かすわけ。
ぼくが、まったく寄りつかないので、
自然に、そういうことに
なっちゃったんですね。
なぜ、寄りつかないかといえば、
居間にいるからです。
居間には、テレビもある、
妻もいる、冷蔵庫も近い、
犬もいる、暖房もある、
コンピュータもある。
そんなにいろいろ
何でも揃ってる居間があるのに、
あえてサミシイ個室に
移動する理由なんかあるでしょうか?
というわけで、ぼくは
いつもいつも居間にいるのですが、
で、思えば、
カミさんもほとんど居間にいます。
そうなると、居間さえあれば、
あとは納戸だけで
いいということでしょうかねぇ。
早い話が、貧乏性ってことか」
【智慧の実のまいた種子が育つ】
「去年の9月に、
「ほぼ日」が主催して開かれた
『智慧の実を食べよう』というイベントは
大地にまかれた種子のように、
少しずつ育っています。
当日の模様を全部おさめたDVDと、
5人の長老の講演を
そのまま文字に置き換えた書籍は、
どちらも『智慧の実を食べよう』
というタイトルで発売され、
いまも日本中で、
新しい誰かの手に渡っています。
第2回はないのですか、
というご質問をよく受けますが、
それはそれで、準備しています。
同じコンセプトでなく、
さらに可能性をひろげるための
新しい視点で、
講演してくださる方々にお願いし、
だいたいの目処が立ってきたところです。
次も、きっと大きな話題になる
イベントだと思います。
そういうはっきりした
第2回のようなかたちの他に、
あのイベントの余波は、
いろんなところにあるんです。
例えば、一見、
関係なさそうに見えるかもしれませんが、
「ほぼ日発」という発想で
何かやることに自信をつけ、
大胆になった「ほぼ日」だから、
『オトナ語の謎。』の出版を
決断できたのです。
また、あの日に話を聞かせてくれた
長老たちの、書くものや活動などが、
若い「ほぼ日」読者の
大きな興味の対象になったということも
とてもうれしい出来事です。
今日も、「ほぼ日」のなかの
『担当編集者は知っている』
というページのなかで、あの日、
聴衆の心を鷲掴みにした吉本隆明さんの
新しい本が、取り上げられています。
『智慧の実』のイベントを
知っている人なら
「あの時の、あの吉本さんの語る、
拉致問題やイラク戦争の話か」と、
これまでよりも近くで語られる感覚で、
この本を
読んでくれたりするとも思うのです。
こういった、見えにくいけれど、確実に
あの日のイベントの影響、ということが、
これからもたくさん出てくると思います。
やってよかったぁ、と、
いまもつくづく思います」
【世界一は、売れ残らない】
「百万分の一グラムの歯車というものを、
この目で見たよ。
パウダーギアという名前のとおり、
粉そのものでした。
「歯車のかたちをした、
なにやら小さいもの」ではなく、
ちゃんと使える歯車なんだということです。
ただ、いま現在、この世界一小さい歯車の、
使い道はないのだそうです。
この歯車をつくった
「樹研工業」の松浦元男さんが、
持ってきてくれたものです。
松浦さんにいろいろお聞きした話は、
2月10日から13日までの4日間、
TBSラジオ
『GOODS JOCKEY』で放送されます。
また、「ほぼ日」でも
掲載される予定ですので、
期待して待っていてください。
先日のイチロー選手のときにも
思ったことですが、どんなことでも、
世界一ってのは、とにかくいいですね。
「ほぼ日」も、なにかで
世界一にならなきゃイケマセンね。
そういえば、この間、世界一の
「ダウン(羽毛)」を、
買い付けに行った人に
ついて行った人の話を聞きました。
「ぼくが、
まず目を閉じて両手を出します。
ただ出してるだけなんです。
そうすると、片方の手のひらだけ、
ほわーんと温かくなってくるんです。
目をあけたら、そっちの手の上にだけ、
相手の人がダウンを
雪みたいに降らせていたんですよ」
重みはともかく、その感触には、
気づかなかったんですか?
「まったく、わからなかったんです。
ただ、熱を感じただけなんです」。
その話を聞いたら、
その世界一のダウンの布団とか、
つい買いたくなっちゃうじゃないですか。
それについても、
そばにいたカミさんが質問しましたとも。
「50万円とか、するんでしょうねぇ」と。
そしたら、
「その倍以上らしいです」って。
しかも、買う人はいくらでも
いるんだそうです。
世界一は、売れ残らない。
では、もう一度。
世界一は、売れ残らない。
‥‥朝倉世界一さん、元気かなぁ」 |
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