読みかえす
「今日のダーリン」
2004/02/21
今週は、割と
「あたたかさ」を感じたことについての話が
多くて、反響メールも、
じわっとくるものが多かったのでした。
そんな1週の中から、3日ぶんを、どうぞ。


2月16日

【人前で本を読んで笑うこと】

「とてもくだらない領域で、
 とても冒険的な発言をします。
 「『言いまつがい』が発売されてから、
  「おおぜいの人のいる所では読めません」
 というメールを、
 たくさんいただいております。
 『オトナ語の謎。』
 も、そうだったのですが、
 『言いまつがい』
 のほうがひどいみたいです。
 それは、織り込み済み、
 とでも言いましょうか、
 編集部でも、どういう場所で
 読むのはやめたほうがいいと、
 とても具体的に、
 本のなかに表示しておきました。
 老婆心ながら、というか、
 あなたの「社会的立場」を
 危うくしないように、という
 ある種の
 「製造責任者としての配慮」
 だったのですが。
 
 もう、ね。いっそ。
 人前で、
 読んでしまってはいかがでしょうか。
 無理にとはもうしませんが、
 開き直るというか、
 「本を読んで
  笑いが止まらなくなって何が悪い」と、
 「笑いの解放」の戦士に
 なってしまうという冒険。
 これまで、
 人前で泣かないように
 苦労してきた日本の男たちに、
 ぼくは、「もう泣いてしまえよ」と
 提案してきました。
 葬式でもないかぎり、
 もう、いいじゃないですか。
 電車のなかでも、会社でも、
 読んでしまうという勇気!
 みんなやりたまえ、とは言えない。
 誰か、どう?
 日本中で、
 ひとりでもふたりでもいいじゃないの。
 笑ってしまおうよ、『言いまつがい』で。
 変な人だと思われるかもしれないけれど、
 本を読んでいるということは、
 一目瞭然なんだから、
 きっとわかってもらえると思うのよ。
 そいでもって、
 なによりの宣伝になるじゃないっすか。
 どうです?奥さんダンナさん。
 実行した人がいたら、
 メールで報告してください。」


2月19日

【読み続けることに快感がある】

「やらなきゃいけない仕事があるのですが、
 夜中の夜中まで、
 ひたすらにメールを読み続けています。
 昨日の、この「今日のダーリン」で、
 「ほぼ日」を知った
 きっかけを教えてくださいと、
 お願いしたのでしたが、
 そのレスポンスが、
 どわーんと届いているのです。
 読んでも読んでも、読み終わりませんが、
 読み続けることに快感があるのです。
 ひとりひとりの人と、
 ちょっと立ち話しているような、
 いままでより少しだけ
 親しくなったような気持ちになる。
 いつになったら読み終わるのか、
 じゃっかんコワイのですが、
 とにかく読み続けます。
 「好きな知りあい」や
 「家族」に教わったという人が、
 想像以上に多かったですねぇ。
 教えてくれた人の顔をつぶさないためにも、
 たのしくつくっていかなきゃねー。
 問いかけてよかったです、ほんとに。
 なんだか、またあらためて
 やる気になってるもん。」


2月20日

【ほんとうのかわいらしさ】

「こういうことをぬけぬけと言うのは、
 社会常識に反しているとは思うのだけれど、
 うちのヨメは、いい。
 仔犬が、うちに来てから何カ月か経って、
 見た目がほとんどオトナの犬になってきた。
 赤ちゃんっぽい、
 ぬいぐるみのようなかわいらしさは
 抜けて、犬らしい姿になってきた。
 幼児のあどけなさから、
 中学生や高校生の姿に
 なってきているわけです。
 
 そういう愛犬のことを、
 「オトナになってきて、
  ますますかわいくなった」と、
 うちのヨメは言うのでした。
 「赤ちゃんのときより、
  いまのほうがずっとかわいい」と。
 小さいときにはなかったような
 「気立て」の愛らしさが、
 どんどんでてきているというわけです。
 言われて、たしかにそうだと思いました。
 そんなふうに、
 じぶんの家の犬のことを
 感じている人がいるのは、
 犬にとっても
 幸せなことだと思いました。
 
 つきあいが長くなるほうが、
 愛情が深くなるという関係は、
 とてもいいなぁと思ったのでした。
 正直言って、ぼくは何かと
 「甘いもの好き」な奴で、
 仔犬のかわいさのようなものに、
 未練もあります。
 でも、たしかに、
 いまのほうが犬と仲がいいのです。
 いっしょに散歩した距離も
 ずいぶん長くなっているし、
 いっしょに昼寝した時間も、
 長くなっています。
 「オトナになってきて、
  ますますかわいくなった」のです。
 ほんとのかわいらしさって、
 性格というか、気立てのほうにこそ、
 あるものだったんですね。
 
 というわけで、
 身内のカミさんやら犬のことを
 臆面もなくほめてみました。」

2004-02-21-SAT


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