糸井 |
スコップ団の花火の
目的がちゃんとわかってる人だったら、
きっと、花火といっしょに
空に報告してくれると思います。
寄付してもデカい顔なんてしないと思う。
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平 |
うん、絶対そうですね。
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糸井 |
逆に
「もうちょっと僕に
趣旨がわかるように説明してくれたら
出してもいいと思ってるんだがね‥‥」
という人は、お金は出さない。
「君たちの言ってる中に
この要素が入ってたらなぁ、
そうすれば僕は協力を惜しまない」
という人に協力された憶えは
あまりないです。
つまり、手より口が先に出てる人。
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平 |
そうなんです。
口よりもまず想像力が先にいって、
活動や生きざまに入っていく人は
すごく反射神経がいいんですよ。
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糸井 |
反射神経かぁ‥‥それもセンスなんだね。
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平 |
そうだと思います。
心の反射神経というか、そういうのが。
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糸井 |
うん。「想像力の反射神経」って、あるね!
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平 |
ありますね。
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糸井 |
そして、それは正解を出せますね。
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平 |
出せますね。
それは、その都度の正解であるだけで、
人生の正解かどうかはわかりません。
ただ、そのときのベストを尽くすことだと、
僕は思います。
疲れてるとそれはできないから、
疲れないようにする。
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糸井 |
でも、平さんはほとんど休んでないし
頭の中はまず、ぜったい休めないでしょう。
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平 |
でも、想像力の反射神経は
落としちゃだめなんですよね。
そういえば、ヒッチハイクのとき‥‥
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糸井 |
ヒッチハイク、したの?
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平 |
はい。
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糸井 |
ヒッチハイカーって、やっぱり怖がられるもの?
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平 |
はい。でもね、ほんとに
心の反射神経がいい人というのは
ずいぶん手前からハザードつけて、
止まってくれるんです。
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糸井 |
そうなんだ。
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平 |
それは、
昔ヒッチハイクをやったことがある人とか、
いま、現状、困ってる人です。
車がみすぼらしければみすぼらしいほど
止まってくれる。
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糸井 |
ああ。
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平 |
あとはね、外国人です。
外国人は、常に困ってるんでしょうね。
困っている状況下にいる人が
人にやさしくなるということは
やっぱりあると思うんです。
だから、避難所の人たち同士はみんな
「お互いさま」と言って助け合っています。
困ってない人ほど、それがわからない。
ほんとうは嫌なことだけど、
悲しみや困難が人を豊かにするんだな、
ということは感じました。
だけども、わからないことは
わからないからしょうがない。
ぼくは最近何度も言うんですが、
温度差というものは、ないと思ってます。
あるとすれば、それは人間性の違いです。
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糸井 |
平さんはこれまで
ろくでもないやつにも
きっといっぱい会ったろうし、
遠くから石投げてくる奴だって、いたでしょう。
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平 |
そうですね。
顔も見えないところで投げてきました。
でも、そういう奴らっておそらく
若いやつだと思うんです。
中学生とか高校生じゃないかな?
たとえば僕らがドライアイスを安置所に運ぶとき、
「だったら液体窒素を使え」
「くせぇんだったらファブリーズ使え」
とか、そういうふうに書きこんでくる奴らがいて、
これは大人の発想じゃないと思いました。
幼稚すぎる。
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糸井 |
だけど、そういう書きこみが得意なのは
じつは40代、と聞いたこともある。
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平 |
嘆かわしい。
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糸井 |
子どもっぽいふりしてるだけじゃないかな。
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平 |
どっちにしろ幼稚すぎるから
相手にしなくていいとわかりました。
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糸井 |
あとは、平さんが相手だと
目立ちたくて何かやってくる奴もいるでしょうね。
僕なんかでもときどき
とんでもないところから
カーブ投げてくる人がいますから。
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平 |
そういう奴のことを考えるほど、
人生というものは、暇ではない。
明日死ぬかもしれないのに
そんな奴のことで
悶々としてらんないです。
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糸井 |
まったく暇じゃないですね。
やってきたことを
足し算していくことでしか
信用は、伸びないから。
かけ算ではいかないからね。
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平 |
そうですね。
「君の親、あんとき何やってた?」
「うちのお父さんはスコップ団だよ」
「うちのお母さんはスコップ団だよ」
そう言えるだけでいいと思ってます。
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糸井 |
誰かが覚えてて、
ある時代にそういうのがあってさ、と
語れるといいね。
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平 |
はい。
スコップ団は3月9日で解散するんですが、
これからも要望があればその都度
スコップ持って出かけるつもりです。
ほんとうのことをいえば、スコップ団は
考え方として残ればいいなぁと思っているんです。
スコップ団の考えというのはつまり、
誰でも何かできるということです。
そして、かっこよくいえば、
あきらめなければいいということ。
かっこ悪くいえば、
かっこつけるということ。
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糸井 |
うん。そうだなぁ‥‥、
かっこつけて、
あきらめなくて、
知恵を出す。
その3段階だね。
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平 |
ほんと、それです。
かっこ悪くて、
すぐあきらめて、
知恵も出ない。
そんな奴が主役のマンガは
『ドラえもん』だけでいい。
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糸井 |
それなら『ドラえもん』じゃなくて
『のび太くん』ってマンガだよ。
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平 |
そうですね(笑)、
あれは『ドラえもん』だし、
それにのび太はすごくやさしいから、まぁいい。
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糸井 |
そうだね、取り柄がある。
『しずかちゃん』っていうマンガ、どうかね?
ずーっとお風呂入ってる(笑)。
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平 |
それはいいかもしれない(笑)。
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糸井 |
きっと花火が終わっても
僕らはスコップ団のこと、
応援しつづけるんだろうなと思います。
だけどまずは、花火を実現させることだね。
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平 |
そうですね、ほんとに。
ぜひ、よろしくお願いします。
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糸井 |
ぼくからも、みなさんに、
よろしくお願いします。
平さん、お話をありがとうございました。
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平 |
ありがとうございました。 |