GIRL
テレビ番組「ザ・スクープ」を
スクープする。

第6回 ひとりの個人

おそらく1月29日(土)の
23:30からテレビ朝日系列で放送される
「ザ・スクープ」への取材のつづきです。


鈴木 ほぼ日に入ってなにが変わったと思いますか?
---- ぼくは今まで会っていたようなひとではない
ひとに会ったり、今までと違う場所にいったり、
だと思います。あとは濃い時間の使いかたを見たりとか。
「ほぼ日」に入る前までの今までやってきたことが
どっちかというとひまななかで何かしてるとか
いうことだったので、今ぼくとしては刺激というのは
すごくたくさんあるけど、さきほどの
「ひま」という点でなら
それはあまりないのかもしれないです。
長嶋 でも俺思うんだけどさ、
人間ってさ「外からの刺激」って言うでしょ? 
何か言われるじゃない? たとえば、
「きみは優等生だからな」とか言われたとして、
何かいろいろわかったような気になったり
するじゃない? だけど、だいたいわからない。 
だいたい忘れるんですよ。最終的に残るのは、
じぶんでほんとに考えたことですよ。
じぶんがひまなときとか、
だいたいこうひとから教えを受けるとか
ひとから刺激を受けるというのは、
それは幻想だと思うわけ。
ほんとに何かやることがなくなって、
作家とかもそうだと思うんだけど、
ほんとにやることがなくなってひまで、
もうおれは人間のくずやなーって思ったときに、
これはもうちょっと文章でも書くしかない、って
思った力に負けるんですよ。負けると思う。
いまみたいにぼくなんかでも、あ、ちょっと
クリエイティブみたいなのに関連するかもしれないけど、
いろいろ仕事が入ってくるよね。そのなかでこう、
いつも脳内エンドルフィンが回転してる状態になって
わーって話してるときにこうぱぱぱって決まっていって、
ああ、次の番組こうしようって決めていることの
すごく良さってあるんだけど、でもね、ほんとうに
人間が追い込まれて
「じぶんは何かしないと人間のくずだ」
って思ったときの強さには勝てないと思う。
これをもし意図的に追い込む精神の強さとかね、
そういうのがそのひとにあったら、
何でもできると思う。だからどっか
その「やりたい」と思ってるひとたちに、
いろんなことを世の中はそそのかすわけでしょ?
「こういうことをしたらどうですか?」
「こういうことはいいですよ」
「ちょっとテニスでもしたら?」
「キャリアアップのために英会話は?」
っていうそれにそそのかされないで、
ある期間じぶんは何もしない、っていうことに
どれだけ耐えられるかっていうそれをやると、
なんかあると思うよ、すごく。そのことに
なかなか没入できないっていうところが
今不幸だったり閉塞感を生んでるとおもうんですよ。
今すごくそそのかすことがある。
何かに没入すればいいけど、
誰かが遊びに行こうとかそそのかすわけ。

会社に来なきゃいけないとかそういうのもあるでしょ? 
そういうのがまったく切れて
ひとりの個人になったときに、
じぶんは何を食べたいか、っていうのとか。
どうしてもおなかが空いてのどが渇いて
もう死ぬぞっていうくらいの表現というか
心の飢餓感みたいになったときの、
それを満たそうと思う気持ちには
勝てないと思うんですよ。でもね、それは今の現代では、
それをしにくいということが……逆に、
「時代が閉塞してる」んじゃなくて、
「個人に閉塞させてくれない」っていうのが問題なわけ。
時代の閉塞感っていうけれど俺はぜんぜん
そうは思わないわけ。むしろ時代はもっと
閉塞したほうがいいと思う。どっかすごく我慢して、
ほんとはインターネットなんか便利になってるけど、
そこを我慢して、使わないということによって
見えてくることってあるじゃない? 
俺は携帯電話を持ってないんだけど、
携帯電話のいいところと悪いところって
すごいわかりますよ。
……あれ?何でこんな話になってるんだろ?

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こんなところでこの日の話はおわりました。
このつづきは、こないだ
鼠穴でdarlingを交えておこなわれたよー。



↑こんな感じ。

もうすぐそのあたりを速報しますので、
お待ち下さいね。   

2000-01-23-SUN

SCOOP
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