GIRL
テレビ番組「ザ・スクープ」を
スクープする。

第8回 毎週つくってるひとたち

おそらく1月29日(土)の
23:30からテレビ朝日系列で放送される
「ザ・スクープ」への取材のつづきです。


さて今度はテレビ朝日「ザ・スクープ」を
実際につくってる現場に行ってきたという話です。
あ、言い忘れてたけど実は放送当日にはわたくしめ、
『ザ・スクープ』本番撮影の横あたりに潜入して、
見学してるかもしれないのですぜ。どーなるかな。

昨日までのインタビューは、
「糸井重里・鳥越俊太郎対談」という一つの特集を
制作する側のかたがたに話を伺ったというものでした。
ただ、毎週の例えばニュースも含めた進行を考えるのは
「ひとつの特集を制作会社に頼む」というのとは
またこれは違う作業になってきますよね。
今回はそういう毎週の番組という方向から見てるよん。

そしたら、こっちは結構シビアーっな話なのだった。
いや、そりゃ毎週やるのはたいへんだよ、と
ぼくも思います。無理もないです。忙しそうだし。
なので、前回までの「えっ?目から鱗っ」みたいな
談話とはちょっとテンションが違うのですが、
それはたぶん1回の特集をがーっとやる側と
毎週全体の構成を考えてぱしっと決めていく側との
立場の違いなんだなあみたいに思って読んでください。



話をきいたのはこのお二方。
左が茅野さん、右が小高さん。
おふたりにきいたところによると、
darlingインタビューはだいたい1月29日(土)の
23:30からの放送ということになりそうです。
それまではたぶん毎日更新です、なんて
ぼくが言ってたら、このひとたちさー、
「じゃあ延々放送延ばそうかなあー。
 そしたら宣伝になるし。わっはっは」
とか言いやがってるぞー(すみません)?

さて、報道番組『ザ・スクープ』の視聴率は
だいたい5〜8%のあいだ、みたいだよ。

「あまりよい数字ではないということが
 おわかりになられたと思いますが、
 ただ、もともとその時間帯は
 見ているひとが少ないんですね(小高さん)」

なるほど。今気になる事件は?

「ない。社会そのものがあんまり動いてない。
 今はみんなが知りたいという社会現象がないんだよ。
 くっきりそういうものってあんまりないように思う。
 まああればいいわけでもないですが(茅野さん)」

うーむ。事件ないのかな?
あとは、おんなじ事件を扱っていても、
あの番組はすごいなあ、とかいうのってあるのですか?

「同業者っていうのはあまり相手をほめないんですよ。
 それよりはけなすっていうか。一応会ったら
 『こないだのよかったよ』とか言うんですけど、 
 この野郎と思ってやっていかないと  
 やっていけないところがありましてね。
 それは同じネタを扱っていても
 『負けたなあ』っていうのはありますよ。
 うちはこうだけど、相手はここまで行っちゃったか、
 そういうのはありますね(茅野さん)」

「こっちが勝ったかなあと思っても 
 誰もほめてくれないし(小高さん)」

「そうなってくるとやはり視聴率っていうのだけが
 この世界の勝負だ、というところがあるんです。
 テレビというメディアのなかでは
 視聴率というものが一番説得力を持つ。
 どんなに内容がよくても視聴率がわるかったら
 たいした番組じゃないっていうのはあるんです。
 まあ、だけど作ってる連中は
 そんなこといちいち気にしてたら前に進めないから、
 数字は悪かったけど自己満足していく
 というのでやらないといけないかな(茅野さん)」

うう、つらい。いや、でもこういうのって
どこの商売でもそうかもしれないですね。
質のよさと売れることとのバランスってゆーやつか?
テレビ番組って質のよさを目指すために
すごいたくさん取材して
それを捨てて捨ててつくりますよね?

「はい。5時間くらい話して
 収録したのが2時間ぶんくらいで、
 まあ捨てるってもんじゃなくて
 結晶みたいなものですね。
 もったいないっていえばもったいないですが。
 取材を受けてくださるかたにたいして
 もうしわけないんですけどもね。
 ただ、その結晶は例えばインタビューで
 すごい長いのを短くしたとしても、けっこう
 『他の手は考えられない』
 というかたちでまとまってきますよ。
 いくつかあるまとめかたのなかから選ぶって
 いうようなのじゃあなくて、
 『これしかない』
 っていうかたちになっていく
 瞬間っていうのが必ずありますから。
 もちろんこうすればよかったっていうふうに
 あとでは思うときもあるんですけど、
 でも大筋で後悔するってのはありませんね」


(つづく)

2000-01-24-MON

SCOOP
戻る