生活のたのしみ大賞 produced by HOBONICHI

生活のたのしみ展2023 公募企画

結果発表

こんにちは、生活のたのしみ展チームです。
私たちは「生活のたのしみ展2023」を
一緒につくってくださるお店や
ブランドのみなさまと出会うため、
初の試みとなる「生活のたのしみ大賞」
昨年9月にスタートさせました。

募集開始から半年、
審査員6名による最終審査と読者投票を経て、
ついに、200を超えるエントリーのなかから
グランプリが決定しました。

そして、グランプリだけでなく、
各審査員賞に輝いた商品や作品も
「生活のたのしみ展2023」に出展することが
決まりました。
生活のたのしみ展の新たな顔となる作品、
いったいどんなものなのでしょうか。

最終審査について

1次審査と実物審査を通過した
30点の商品と作品のなかから、
6名の審査員のみなさまに、
「自分が欲しい、買いたいと思うもの」を基準に
大賞と、各審査員賞を選んでいただきました。

▲左から、菊池亜希子さん、森永邦彦さん、小林和人さん、糸井重里、石田ゆり子さん、佐藤卓さん。

読者投票について

ほぼ日をごらんのみなさまに、
30作品のなかからいちばん
「生活のたのしみ展にあったらいいな」と
思うものを伺いました。
4,000以上の投票が集まり、
そのなかから最も多く票を集めた作品や商品に
「読者賞」がおくられることになりました。

グランプリ

作品・商品名
和晒ロール
作家・企業名
さささ

「毎日の暮らしで さささっと 使える晒(さらし)」を
コンセプトにした、
さっと簡単に切り取ることができる
ミシン目入り・ロールタイプの和晒です。

さっと、きる。
さっと、ふく。
さっと、しぼる。
さっと、こす。
さっと、みがく。
さっと、しく。
さっと、つつむ。
さっと、みずをきる。
さっと、あらう。

さささは、洗って繰り返し使うことができる万能布です。
審査員コメント
糸井重里
糸井重里
この商品は、
「ちょっとやってみました」というわけじゃなく、
プロダクトとして本気で問いかけてるとわかります。
肚の据わり具合が伝わってくるのです。
商品のすみずみまで一所懸命考えてるのがわかったし、
見事だなと思いました。
実直なだけではない、ある種の冒険心やらめずらしさも
ちゃんと加えられています。
いま現在ぼくらがいるリアルなほぼ日と、この商品は
みごとに交差している気がしました。
石田ゆり子
石田ゆり子
とにかく単純に、自分が欲しいと思いました。
晒を普段づかいするって、これまで
ちょっと気になっていたんですけど、
晒をどんなふうに保管したらいいのか、
わからなかったんです。
この「さささ」は、
ホルダーにセットした状態が美しくてかわいいから、
このままキッチンに置いておけます。
もしこれがみんなの家にひとつずつあったら、
それはすごくすてきなだなと思います。
あまり迷わず選びました。
菊池亜希子
菊池亜希子
キッチンで汚れを拭くときに
ゴミを減らしたいと思ってふきんを使うけど、
毎回洗うのはたいへんです。
忙しい時はやっぱりペーパーでさっと済ませたい。
環境問題を考えるうえで、
サスティナブルでありたいと思っていても、
なかなか暮らしの中で実践することは難しくて、
いつもちょっとした後ろめたさを感じていました。
これは、そんな思いにアイディアで答えてくれていて、
すごく頼もしさを感じます。
ペーパーのように使えるけど布だから
4、5回繰り返し使えて、
そして最終的に使い切って捨てられる。
ふきんとペーパーのあいだの、
ちょうどいい存在だと思いました。
小林和人
小林和人
晒という昔からあるものを、
より良いものにしながら環境の負荷を軽減する、
一つの解だと思いました。
一度使ったら捨てなきゃいけないペーパータオルに
どうしても罪悪感を感じてしまうので、
何回か使えるというのがいいですね。
拭いたり、濾したりと、
いろんな使い方が考えられる余白の部分もあって、
さらに可能性も感じられます。
パッケージを含め全体として、
グランプリにふさわしいと思います。
佐藤卓
佐藤卓
晒の布と、ロールペーパー、
どちらも元々あったものだけど、
それが合体したものって、
ありそうでなかったですよね。
この2つが合わさることによって、
生活の一部が改善されたり、心地良くなったり、
機能的になったりする。見事です。
「生活の中に取り入れたい」と、
自然に思わせる力があります。
そして、「さささ」というネーミングが洒落ていて、印象的。
ロゴも落ち着いた色味で、非常にバランス良くできています。
森永邦彦
森永邦彦
実はこれ、すでに生活の中で使っています。
以前はキッチンペーパーかタオルを使っていましたが、
そのどちらの要素も兼ねた「さささ」を使うようになって、
ものを捨てる量が減りました。
縦糸と横糸がしっかり整備されて織られていて、
縦横の歪みがなく、
とても丁寧に作られているなと感じます。
洋服を作る時に、
最初に小さいサンプルを作ることがよくあるんですが、
以前は大きい布を切って使っていたのを、
布の幅がちょうど良くて「さささ」を使っています。
つまり、家庭でもアトリエでも活躍しているのです。

糸井重里賞

作品・商品名
人形、豆本、オブジェ
作家・企業名
Archibras

風をモチーフにした人形や、
コック帽をかぶった人形など、
どの子もミステリアスな表情で、なんとも魅力的です。
なんだか生き物のような豆本やオブジェも、
小さいながらも独特な存在感を放ちます。
審査員コメント

糸井重里

糸井重里
僕はふだんから、メディアごとにイラストレーターが
育ってきたんじゃないかな、と思ってるんです。
紙に描かれたイラストレーションという
固定された美術表現からはじまって、
他にどういう方法があるだろうって、
みんなが自由に考えるようになってきたんですね。
そんななかでこの作品は、
ご自身のイラストレーションをぶら下げたり、
膨らましたりしている。
そこに刺繍の技法を取り入れたり、
洋服を仕立てるように布を扱ったり、
顔の部分は粘土をつかったりと、
自由にのびのび遊んでいるんです。
同時に、子どもがまねっこしてつくりたくなるような、
その広さと深さが、
ぼくにはとってもおもしろく感じられました。

石田ゆり子賞

作品・商品名
ぬいぐるみパペット
作家・企業名
gyunyuya

「珈琲に入れる牛乳のように、
日々の暮らしをちょこっとまろやかに」
そんな思いのこもった、
猫のぬいぐるみパペットです。
パペットとして手にはめて遊ぶことはもちろん、
インテリアとして部屋に置いても素敵です。
審査員コメント

石田ゆり子

石田ゆり子
もともと私は、パペットというものが大好きなんです。
パペットで遊べる大人って、
ユーモアを感じるというか、
すごくかわいいなと思うんですよ。
自分だったら、
言いにくいことをパペットに言わせたりするかな。
家族でケンカしたときの「ごめんね」のように、
面と向かって言いにくいことを、
この子に伝えてもらうのもいいと思います。
なにより、この子たちの存在そのものが、
すごく大人かわいくて、好きです。

菊池亜希子賞

作品・商品名
ガラスのイヤーカフ、オブジェ
作家・企業名
DayDream(Glass)

■ガラスのイヤーカフ
耳に吸い付くようにフィットする、
ガラスのイヤーカフです。
金具を使っていないので、
金属アレルギーの方にもつけていただけます。

■ガラスのオブジェ
球体のかたまりのガラスに建物が建つオブジェには、
「地球に住む」という題がついています。
小さなボディですが、ずっしりと重く、
地球のことを考えるきっかけとなる道具です。
審査員コメント

菊池亜希子

菊池亜希子
このガラスのイヤーカフ、すぐにでも買いたいと思いました。
私は金属アレルギーがあって、
アクセサリーがあまりつけられないんです。
金属を使わないアクセサリーは、
カジュアル過ぎてしまうものも多いのですが、
これはガラスで、大人っぽく見えるし、モード感も出せる。
つけてみるとガラスの中に入っている金色が、
まるで金属のイヤーカフのように輝きました。
耳の形にすっと沿ってくれるフィット感が心地よく、
つけていてひんやりとした感じがないのもいいです。

ガラスのオブジェは、
いろんな国のさまざまなテイストが混ざり合っている
私の家の中に、さりげなく溶け込んでくれそうです。
よく見ると細かく入っている気泡が竜巻のようで、
オズの魔法使いみたいに飛んで行って、
ここじゃないどこか違う世界に
連れて行ってくれるような心地がします。

小林和人賞

作品・商品名
手延そうめん
作家・企業名
坂利製麺所

林業が村のおもな生業となっている奈良県東吉野村で、
山に入ることができない冬場の現金収入確保のため、
専業主婦だった坂口良子さんが、
創業者となってつくり始めた手延べそうめんです。
「子供に安心して食べさせられるそうめんをつくりたい」と、
質のよい油と国産の小麦を使っています。
コシがあり、のどごしもよく、国産小麦の風味も感じられる、
食べると思わず笑みがこぼれるような味です。
審査員コメント

小林和人

小林和人
余計なことをしていないというのが、まず一番ですね。
パッケージにもその精神が活きていますし、
原材料が、小麦粉、食塩、ごま油だけという潔さと、
国産の小麦粉を使っているというのもいいです。
もちろんちゃんとおいしくて、
この主張しすぎない味が、
毎日でもさっぱりと食べ続けられそうだと思いました。
創業者は専業主婦の方で、
個人的な思いからスタートしている
「思いの純度の高さ」が、
プロダクトとしてきちんと着地しているところも
すてきです。

佐藤卓賞

作品・商品名
MOMENT SCALEなど
作家・企業名
NECKTIE design office

「はかり」の形をした時計です。
実際に「はかり」の機能はありませんが、
物を乗せてみると
針が動きだして時間が進んでしまうような、
不思議な感覚を呼び起こします。
審査員コメント

佐藤卓

佐藤卓
秤のメモリを時計にすることによって、
ふだんの生活がいい意味で少し「ずれる」っていうのかな、
それがなんだか心地いいですね。
シンプルなつくりなんだけど、磁器の質感がとっても美しい。
これが生活空間にあったら、
スマートフォンとか、家の鍵とか、
自然に置いて使うと思うんです。
そのうちに、すごく生活の一部に溶け込んで、
当たり前のように毎日使うものになると思います。
だからこれ、実際に本当に欲しいです。

森永邦彦賞

作品・商品名
細工鋏
作家・企業名
竹二作

竹二作の細工鋏は、
香川県の地場産業である手袋をつくる際、
手元の細かな裁断作業のために
「小回りがきく軽量の裁ち鋏がほしい」という
相談がきっかけで誕生しました。
通常、持ち手は刃の長さが短くなるほど
持ち手が小さくなりますが、
この鋏は刃を短くしながらも、
持ち手の大きさを保つことで、
手元にフィットする鋏になりました。
手作業で「ひねり」を加えながら研ぐことで、
刃同士の摩擦を最小限にし、刃の消耗を抑えています。
開閉もスムーズでとても軽く、
裁ち鋏の最初の1丁としてもおすすめです。
審査員コメント

森永邦彦

森永邦彦
職業柄、裁断ばさみをよく使っています。
自分たちの服作りは、
かなり細かいパーツを作ることが多いので、
小さい裁ちばさみを使っているんですが、
小さなぶんだけ握るところも縮小されているので、
すごく手に負荷がかかります。
しかしこの鋏は、握るところがほとんどそのままの大きさで、
かなり小回りが利くうえに扱いやすく、
持った瞬間に軽さと手当たりが、
いつもとは全く違う新しい感覚で、とても惹かれました。

読者賞

作品・商品名
ガラスのスノードーム
作家・企業名
金津沙矢香

きらきらとした反射が美しい、
ガラスでできたスノードーム です。
ゆっくりと動かすと、
いつも見ている景色や、昔見た風景、
旅先での情景、憧れの場所など、
さまざまな風景が思い起こされ、
静かな時間の流れを感じることができます。
読者コメント

読者

  • こんなに美しくて綺麗なガラスドームがあるのかと驚きました。
    この中に閉じ込められた時間や空間を
    近くでずっと眺めたいと思いました。
    写真だけでこれほど感動するので、
    ぜひ実物を見てみたいです。
  • このスノードームの景色がそばにいてくれたら、
    毎日「明日も頑張ろう」と思えそうです。
    生活の一部として、いつもそばにいて欲しいです。
  • スノードームに街の風景やふとした風景を
    落とし込むという発想にびっくりしました。
    いつか窓際に飾って、外の景色と一緒に楽しみたいなと
    妄想してしまう素敵な作品です。
以上の、8つの受賞作品・商品は、
「生活のたのしみ展2023」で実際に見て、
ご購入いただけます。
(一部は抽選販売を予定しています。)
生活のたのしみ展は
2023年4月29日~5月5日、
東京・新宿住友ビル 三角広場で開催します。
こちらのページで最新情報を発信していきます。
どうぞおたのしみに!

審査会撮影:池田晶紀(ゆかい)