ほぼ日
いま、不況で。
みうら
ああ、不況で。
ほぼ日
落ち込んでる世の中ですが、
みうらさんの解決策を
お伺いしたいと思いまして。
みうら
ええ、やっぱりね、
言い方だと思うんですよ、
不況の。
ほぼ日
はあ。
みうら
なんだって、
ものは言い方だというじゃないですか。
ですから、不況は「フキョ〜」と
言ってみましょう。
ほぼ日
‥‥尻上がりの発音で。
みうら
なんでも愉快に言うことは、
ものすごく重要だと思うんです。
ほぼ日
はい。
みうら
「不況‥‥」と、このように
語尾を落として言うと
たいして不況じゃない人も、
不況なのかな? と思ってしまいますからね。
『郷土LOVE』のなかでも
わたくし、言っておりますが
大分県の別府、ありますでしょ?
ほぼ日
はい。
みうら
別府駅のアナウンスは、
「ベップゥ〜」と、語尾が上がるんですよ。
別府現地が上がっていってるわけですから、
当然「別府↓」はまちがいだということです。
ほぼ日
「ベップゥ〜↑」が正しいと。
みうら
そうです。
不況も、上がっていきたいなら、
当然「フキョ〜」と表現したほうがいいんです。
言い方を上げることによって、
ずいぶんイメージもちがうでしょう。
「最近ちょっとフキョ〜でさぁ」
と言えば、
この人はたいして不況じゃないんじゃないかな、
そんなに崖っぷちまで来てないんじゃないかな、
という雰囲気が伝わると思います。
ほぼ日
不況不況といっても、
ギリギリまで来ている人は
そうはいない、ということも
あるのかもしれないですね。
みうら
ええ、言い方ひとつだと思います。
「不安だなぁ」というのだって、
「不安だなぁ‥‥」と落とすから
よけい不安になるんです。
「ふあんだな」を、そうですね、もう
「ふぁんだな」ぐらいにすれば、
「バンダナ」かな?
ぐらいな感じになるでしょう?
そうしていけば、そんなに不安じゃないし、
そうやって自分の発音を
慣らしていくことが、
すごく重要課題だとは思っています。
ほぼ日
それは、辞書にも載ってないことですね。
みうら
ええ、語句の発音の上がり下がりの矢印は
辞書に載ってないですね。
英語にはあるんですけども、
日本語は、イントネーションのところに、
ポッチが打ってないんですよ。
ほぼ日
打ってないですねぇ。
みうら
逆に言うと、
すごく幸せで喜んでいるときに
足もとをすくわれる場合が
ありますでしょ?
だから、幸せなときは、
「幸せだな‥‥」というように、
落として言ったほうがいいです。
すくわれないから。
ほぼ日
すくわれないでしょうか。
みうら
加山雄三さんの「しあわせだなぁ」は
上がっていますが、あれは歌だからいいんです。
ふだんからあれをやってしまうと
必ず足元をすくわれますので、
ハッピーなことは下げて、
ダウナーなことは上げていくほうが、
いいと思います。
言葉で気持ちが落ち込んだり、
高揚したりすることの
操作というものが
みなさん、わかっていないんだなぁと
ぼくはつねひごろ思ってるんです。
ほぼ日
それでは、新聞などでも
不況を言うときには
活字を「フキョー」と
カタカナにすればいいですね。
みうら
いや、ポイントは尻上がりですから、
平均の音ではじめないとダメです。
「フ」が高いと「キョー」の高音が
最後に出なくなる場合がありますので、
「不」は漢字でいいと思うんですよ。
ほぼ日
はあ。
みうら
ですから、「不キョー」でしょう。
全部を上げてると、
息がつづかなくなりますのでね。
ほぼ日
そこも、大きなポイントですね。
みうら
そうすることで、会話もずいぶん
変わってくると思いますよ。
ほぼ日
では、不キョーはそのようにして、
乗り切りたいと思います。
ありがとうございました。
不キョーのただしい発音、また
「ふぁんだな」の言い方を
お知りになりたいみなさま、
ぜひ動画をごらんくださいませ。
Q2は明日につづきます。
2009-07-01-WED
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