平原大喜さんが考え抜いた
「aulico」のシャツ地の
Tシャツ。
今回「5DW メンズショップイシカワ」で発売するのは、
宮崎県都城市でものづくりを行っている平原大喜さんによる
「aulico」(アウリコ)の
シャツ地のTシャツとタンクトップです。
石川顕さんが初めて「aulico」のTシャツと出合ったのは
インテリア、ファッション、雑貨などを扱う合同展示会。
毎年、出店ブースが隣どうしで、
巷に着たいビッグTシャツがない!
と思っていた石川さんが、
平原さんがつくる「aulico」のTシャツを見つけて
買ったのがきっかけです。
Tシャツといっても、生地は布帛。
シャツのようなTシャツ、といえるかもしれません。
これをスーツに合わせたかったという石川さんと、
つくり手の平原さんに、対談をしていただきました。
一目ではわかりづらいこのTシャツのいいところを、
おふたりにたくさん話してもらいましょう!
なお、石川さんが考える昨今の
「ビッグTシャツ問題」については、
ぜひ
こちらも読んでみてください。
- 石川
- 僕、ビッグサイズのTシャツって、
似合ったことがなかったんです。
だから、このTシャツと出合って、
即買いでしたよ。
それまでは、ビッグサイズの限界を感じていて。
- 平原
- ただ大きいサイズ、だと、
大人っぽくないんですよね。
ファッションだと割り切れば、
いけるのかもしれませんが。
このTシャツはオーバーサイズではなく、
「オーバーサイズに見えるもの」として
つくっているんです。
大きく見えるようにするために、
全部のパーツをくっつけて1枚にしています。
つまり広げたら本当に1枚の布になる。
これは自分のニットの図面に似ていて、
この方法でつくるとだらしなくならないんですよ。
リッチなテイストが残る。
▲「aulico」Tシャツの展開図。
脇と背中を縫い合わせてかたちにする。
- 石川
- シャツ地なんだけど、
Tシャツって言い方をしているのがかっこいいね。
- 平原
- いちばん最初につくったシャツ地の服が、
Tシャツに見えたんですよ。
こういう形のものってあまり見たことがないから、
ハンガーにかかっている状態だと
Tシャツに見えませんが、
着ている姿を見ると、みなさんも、
僕の言っていることがわかってくださるんじゃないかな。
「なるほどTシャツだ!」って。
- 石川
- Tシャツって、肩が落ちると似合わないんだけれど、
このTシャツは肩がないから落ちようがないでしょ。
スーツに合わせてちゃんとするなら、
下に着るのはそりゃシャツでしょう、ってなるわけだけど、
これは「シャツ地のTシャツ」だからいいんです。
着やすい上に、ちょっとかっこいい。
黒いスーツを1着もっていれば、
どちらの色もいけますからね。
ブルーならオックスフォード的でトラッド風になるし、
白は‥‥しわくちゃのほうが似合うんだな。
- 平原
- ブルーと白、
じつはパターンも生地も違うんです。
- 石川
- そうなんだよ!
この2色は、素材もそれぞれ違うし、
パターンでサイズ調整をしてる。
- 平原
- でも着用したときの印象がおなじになるように
つくっています。
制服みたいな考え方ですね。
白はリネンキュプラで、
少し下に落ちるくらいの重さですが、
ブルーの生地はポリエステルリネンで、
軽くて、下に落ちにくい。
パターンでいうと、
白のほうが、裾を多少せばめています。
腰に少しひっかかってほしくて。
ブルーは素材ゆえ、
白はパターンゆえに、しわが出て、
大きいものを着ているように見えるんですよ。
- 石川
- そうだったんだ。
- 平原
- ブルーは生地が体からちょっと離れているパターンで、
服の輪郭が出て、全体的に大きく見えます。
それから、どちらも、
袖パーツと身頃のパーツをつなげているので
より、ビッグサイズに見えるんです。
襟元は、ぎりぎり丸首に見えるんですが、
ボートネックに寄せています。
なぜかっていうと、ボートネックの形にすると、
いわゆるラフなTシャツっぽさが減るんですね。
これ、「ぎりぎりTシャツ」で、
「ぎりぎり丸首」なんです。
意外と誰でも似合いますので
みなさん、ぜひ怖がらずにお願いします(笑)。
- 石川
- メンズだけれど女性も着られるよね。
- 平原
- はい、僕のショップでも
男女比は半々くらいです。
でもこういう服って、
女性のほうが買いやすいかもしれませんね。
- 石川
- そうなんだよ。だって僕、
奥さんにとられそうになるんですよ!
- 平原
- そうなんですね(笑)。
色のせいもあるかもしれません。
ブルーも、あえて、
強く印象に残らないブルーを考えました。
ふつうなところがいいな、と。
前に白い生地をブルーに染めていたことがあるのですが、
どういうわけか染めたものって
Tシャツ感が薄れるんですよ。
別物としてはかっこよかったんですけどね。
- 石川
- このブルー、ホント、制服のようだね。
あまり自分のことを気にしていない人が
着るような感じ、がいいんだ。
色が特別すぎて「ぼくアーティストです」、
みたいな印象になると、かっこわるいんだよ。
- 平原
- はい、「それらしい感じが出ない」のが
いいところかもしれません。
- 石川
- このTシャツで、僕はスーツの着方の
すべて解決ができたんだよ。
これと合わせて、
ちょっと攻撃的にスーツを着よう、と言いたい。
最近はみんな、リーバイスのセカンドみたいな
Gジャンを着ているじゃない?
あれとこの白いTシャツも合うね。
その時はシワシワで着たほうがいい。
まあ、嫌だったら‥‥アイロンをかければいいけどさ。
- 平原
- ブルーのTシャツは、ほとんどシワにならないですよ。
白のほうがシワ感が楽しめる。
あと、どちらの色も、洗ってすぐに乾きます。
- 石川
- そうなんだよ、乾きがいい。
だからこれ2枚あれば旅行ができるんだ。
ジャケットに合わせるときは長袖のまま、
ふつうに1枚で着るときは袖をまくっちゃう。
夏場はとくに。
- 平原
- まくって着たほうが、Tシャツらしい、
働き者の感じが出るんですよね。
僕もブルーのLサイズをまくって着ています。
2023-06-19-MON
(つづきます)
[STAFF]
スタイリング・プロデュース:石川顕
撮影:吉嗣裕馬
文:小笠原民織
モデル:佐藤岳
「aulico」のシャツ地のTシャツとタンクトップ
5DW WEBショップにて販売中。