5DW メンズショップ イシカワ
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平原大喜さんが考え抜いた

「aulico」のシャツ地の

Tシャツ。
今回「5DW メンズショップイシカワ」で発売するのは、
宮崎県都城市でものづくりを行っている平原大喜さんによる
「aulico」(アウリコ)の
シャツ地のTシャツとタンクトップです。



石川顕さんが初めて「aulico」のTシャツと出合ったのは
インテリア、ファッション、雑貨などを扱う合同展示会。
毎年、出店ブースが隣どうしで、
巷に着たいビッグTシャツがない! 
と思っていた石川さんが、
平原さんがつくる「aulico」のTシャツを見つけて
買ったのがきっかけです。



Tシャツといっても、生地は布帛。
シャツのようなTシャツ、といえるかもしれません。
これをスーツに合わせたかったという石川さんと、
つくり手の平原さんに、対談をしていただきました。
一目ではわかりづらいこのTシャツのいいところを、
おふたりにたくさん話してもらいましょう!



なお、石川さんが考える昨今の
「ビッグTシャツ問題」については、
ぜひこちらも読んでみてください。
03
よく洗ってます
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石川
平原くんは自分で服を染めるんだけれど、
今回の5DWでは、
あえて、平原くんが自ら染めたものを
選んでいないんです。
それだとあまりにも「感じがでちゃう」から。
ふつうなほうがいいなって(笑)。
でも、タグまで染めてるところなんて、
ものすごくかっこいいね。
平原
手染めなので、個体差がすこしだけあります。
もう自分で染めるのはやめるべきかなと
思うこともあるんですが、
服づくりの最初から染色をしていたので、
続けちゃってますね。
ああ、石川さんとこういう部分を共有できるのは
嬉しいなぁ。
石川
気が合うんだよ(笑)。
――
いまさらですが、
平原さんのこれまでの経歴などを
お聞きしてもいいですか?
石川
僕も聞きたい。
平原
さかのぼると‥‥、
学生時代にアメリカをフラフラしていて、
アメリカのジーパンっていいなって思っていたとき、
たまたま見つけた『JAPANESE INDIGO』
という本で、日本にもインディゴがあるんだと知って、
興味をもつようになりました。
それで帰国して徳島に行ったんです。
大学が福岡で、福岡も染色が有名でしたが、
就職活動で着物屋さんの面接のときに、
藍染の話をしたら、だったら徳島だよって教わって、
それで、徳島に。
――
大胆ですね。
平原
訪れた工場には外国人の職人もいて、
藍で腕が青く染まっていて、すごくかっこよかった。
多少英語が話せたので、
かっこつけて英語で話しかけてみたら、
その方がとても日本語がうまくて、
興味あるなら来なよって言ってくれたんですが、
そこは染色工場ではなくて、
染料をつくるところだったんです。
どうしようかなと思っていたら、そこの大将に
「藍染が好きなのか? いつ来るんだ?」
って言われて、
「じゃあ、大学を出たら‥‥」って言っちゃいました。
そんな感じで行き当たりばったりで就職して、
そこで1年くらいお世話になりました。
石川
こういう人が天才なんですよ。
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平原
そのあと、また別の先生と出会って、2年くらい、
染色全般を習いました。
藍を育てるために畑を借りて、農業もしました。
でも、畑に対するぼくの認識は甘くて、
雑草を抜き、耕し、何かを植えたら、
収穫していかないとちゃんと回らない、っていうことを
わかりもせずに始めてしまった。
祖父も祖母も農家をやっていたのに。
そして染色については、
もともと徳島で習いましたが、
沖縄にも伝統的に染料をつくるところがあって、
そこでも修業しましたね。
――
服づくりはどのように学んだんですか?
平原
それも甘くて。
「縫えば、服ができるのかな」
とぼんやり思っていたんですが、
いきなり縫製工場に行って縫ってほしいと言っても、
当然縫ってはくれないわけです。
そうしたら働き手のなかに若干手の空いた方がいて、
服をつくる流れを教えてくれたんです。
パターンをつくって、
生地を裁断屋さんに持ち込んで、切ってもらって、
縫製工場にもっていくんだよ、って。
服づくりって自分ひとりでは
できないことが多いわけですが、
生地を染め出してからは、
洗うことが上手になったので、
そこはできる限り今も自分でやっています。
ちなみに今回のアイテムも全部洗っています。
製品も洗うし、ニットのときは糸も洗う。
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――
「洗う」というのは、具体的には‥‥? 
どの状態をもって、
「ちゃんと洗われている」
ってことになるのでしょう?
平原
基本的にはちゃんと水を通すということです。
洗うという作業だけで、
1週間以上やっていますよ。
石川
おおっ。
平原
昔はジーパンも洗って売っていて、
ワンウォッシュですが、
1週間ぐらい洗っていました。
水を通すバケツを変えていくのですが、
水を細かく弱アルカリ性、酸性、中性とすると
長持ちする服になるんです。
――
そこまで「洗う」んですね!
平原
服づくりにおいて「洗う」ことが
あまり注目されていないことに気づいたんです。
洗いざらしというのはあるんですけど、
洗うことで「引き出す」という考え方はいいなって思って。
だから、家でも洗濯は好きですよ(笑)。
このTシャツ、
家で洗ってもずっと気持ちいいと思います。
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石川
それにしても平原くんとは
ワンテーマでずっと話していられるな。
もっと無口だと思っていたけど(笑)!
でも今日はそろそろおしまいにしましょう。
ありがとうございました!
平原
ありがとうございました!
2023-06-21-WED
(おわります)
[STAFF]

スタイリング・プロデュース:石川顕

撮影:吉嗣裕馬

文:小笠原民織

モデル:佐藤岳
「aulico」のシャツ地のTシャツとタンクトップ

5DW WEBショップにて販売中。