コットンでも、アルパカでも、ウールでも 冬のFIROも生地がすばらしい。 スタイリスト佐伯敦子さん

予告07

FIROの第二弾アイテムは、
アルパカを肌に直接まとうインナーと、
天然素材のウールなのにまるでカシミアのような
やわらかい手ざわりの「エアー天竺」、
とっても細い毛糸を1本どりで編んだ
「スーパーエキストラファインメリノ」。
どれも生地がすばらしく、
肌にも気持ちよく、心も気持ちよいアイテムが登場します。
それぞれのアイテムについて、
スタイリストの佐伯敦子さんにお話しをうかがいました。

佐伯 敦子(さえき あつこ)

スタイリスト/yunahicaディレクター。
編集、パリ在住経験を経て現在に至る。
美意識の高さや鋭い審美眼で、
各界のクリエーターはもちろん、
モデル、女優からの信頼も厚い。
「ほぼ日」では「CINÉ & TRAVEL」シリーズや、
「ソファみたいなスリッパ」の
デザイン監修も努めていただいています。

白井 賢治(しらい けんじ)

有限会社フィーロ代表取締役社長。
大手アパレルメーカーにてニット製品の素材開発、
商品企画、MDなど幅広く経験したのち独立。
1998年にブランド「FIRO BIANCO UNO」を設立。
40年以上、素材と向き合った経験を活かし、
ベーシックかつ肌ざわりがいい商品をうみだしている。

アンダーウェアの概念を変える

――
FIROのロイヤルベビーアルパカの服は
毎年とりあつかわせていただいていますが、
今シーズンは、
スタイリスト佐伯さんのアイデアが
そこここにつまった
タンクトップをつくっていただきました。
佐伯
白井さんと何度もやりとりしてできた、
本当におすすめの自信作です。
――
やはり「アルパカ」というとニットのセーターを
イメージしますが、
インナーづかいできる
タンクトップができたとうかがって、新鮮だったんです。
佐伯
もともとカシミアのインナーをいくつか持っていて。
暖をとれるし、チクチクしないし、
暑いときも気持ち悪く感じないしで、
撮影時にモデルや女優さんに着てもらうと
みんな気持ちいいって言うので、
ロイヤルベビーアルパカでも
いけるんじゃないかと思ったんです。
――
それがきっかけだったんですね。
佐伯
白井さんが選んだロイヤルベビーアルパカは
まったくチクチクしないし、
素肌に着ていても気持ちいいですから。
じかにアルパカを着るって、
みなさんちょっと抵抗があるかもしれないですが、
心配しないでほしいですね。
――
「チクチクしない」ってうたわれていても、
ちょっとは、チクチクするんじゃないかって
思ってしまうかもしれません。
佐伯
ぜんぜんへいきです。
カシミアのようにふわふわで、やわらかい。
――
わぁ。
想像してもあたたかく気持ちよさそう。
佐伯
わたしは化学繊維のインナーは否定しませんが、
かゆみやアレルギーが出る方も少なからずいらっしゃるので、
そういう方には特に、
アルパカのような天然素材が肌にいいと思います。
――
自然のものだから
人の体に拒否反応が出にくいのかもしれませんね。
佐伯
やっぱり綿よりずっとあたたかいし、
こんなにうすいから上に着るものにひびかないし。
化繊のインナーに比べると、ぜいたく品かもしれませんが、
それだけの価値があるとわたしは思っています。
――
冬中、重宝しそうです。
置いた状態は細いですが、ぐい~んと伸びますね。
白井
細くコンパクトなシルエットにしていますが、
伸縮性がすごくあるので
どんな体型の方でも着ていただけます。
佐伯
襟ぐりも大きくして、
上にシャツを着てボタンをふたつくらい開けても
見えない深さにしています。
しかも、ベージュのタンクトップなら
上に白いシャツを着ていても透けて見えません。
――
いつも好評のFIROのタンクトップの冬版ですか!
佐伯
はい。この色だけは特別に
タンクトップをつくってもらいました。
白井
そうそう、これをつくっているときに、
佐伯さんから
「前後逆に着てもいいですよね」って言われて、
ひざを打ちました。
佐伯
シャツのボタンをいくつか開けて着るときは
襟ぐりは深いほうがいいし、
ぎゃくにそこまでは開けなくて
あたたかさを重視する方なら
前後ひっくり返せば大丈夫かなって。
好きなほうで着ていただければ。
――
前後ひっくり返しても、
首元が苦しいということがないんですね。
しぜんな2WAYですね。

空気を着るような感覚

――
こちらも天然素材のウールなのにカシミアのような
やわらかな手ざわりの「エアー天竺」をつかった、
ドロップショルダーのクルーネックが仲間入り。
前回は「エアー天竺」のハイネックでしたが、
発売開始から30分ほどで完売に。
佐伯
びっくりしました!
即完売だったのですね。
――
けっしてお安くはないので、
じょじょにお求めいただく方が
増えていくかなと思っていたら、
ものの30分で在庫がなくなりました!
白井
ありがたいことです。
――
きっとFIROのファンが増えていると思いますし、
「エアー天竺」の魅力がつたわったのかなと思います。
あらためて見てさわってみると、いい生地ですよね。
伸びるし、ああ気持ちいい~。
昨年のハイネックはめちゃくちゃ着ました!
佐伯
わたしもかなり着ました。
「エアー天竺」らしいふわっとした風合いが、
ちょっとカジュアルな印象もあって普段着にいいんですよね。
出かけるときはFIROばかり着ています(笑)。
――
あたらしいクルーネックは
首のひらきはちょっと小さめなんですね。
白井
佐伯さんからのリクエストです。
佐伯
わたしが、中途半端に襟ぐりが開いているのが苦手で、
開けるならしっかり開けてほしいし、
つまるならきゅっとつまっていてほしい。
そのほうがかわいいし、
生地の伸縮性に信頼もあったのでリクエストしました。
――
かわいいです!
佐伯
つまっていても、くるしくなくて。
――
後ろがちょっと長くて、前が短めになっているのは
ハイネックでもそうでしたね。
佐伯
そうですね。
前身頃のほうが後ろ身頃よりも短いことで、
前から見たときに、スッキリして見えるのでそうしています。
――
クルーネックもいい出来で、
今回も早い者勝ちになりそうな予感がします!

着ごこちはまさに、スーパー!

――
この秋冬ではじめて登場するのが、メリノウール。
まずは白井さんから生地のお話をうかがいましょう。
白井
「スーパーエキストラファインメリノ」という
ウールの生地なんですが‥‥。
――
なんだかすごそうな名前ですね(笑)。
白井
実際すごいんですよ(笑)。
糸を構成している繊維、原毛ですね。
その太さを「SUPER」で表すんですが、
よく使われるのは原毛の太さが
「SUPER 80’s」から「SUPER 120’s」くらいまで。
数値が上がるにつれて細くなっていくんですが、
これは「SUPER 140’s」。
――
一般的なものより、
さらに細い原毛を使っているということですね。
白井
数値が高いほど品質がいいとはかぎらないんですが、
原毛が細いほうがやわらくてツヤもあるし、気持ちがいい。
――
この光沢、ツヤ。
着物の生地を連想しました。
佐伯
ウールっぽさがうすれていて、
わたしはツヤのあるコットンなんじゃないかって思ったほど。
ウールと思わない人もたくさんいると思いますよ。
もう、さわってほしい。
白井
炊いたお米でもそうですけど、
いいものはツヤがありますよね。
佐伯
お米ときましたか(笑)。
でも、おっしゃるとおりですね。
――
うすさがまたいいですよね。
白井
だいたい2つの糸をより合わせる双糸をつかうんですが、
これは1本の糸だけの単糸なんで、
このうすさが出せるんですよね。
――
高級感ありますよね。
白井
じつはこれ、「エアー天竺」とおなじ糸なんですよ。
――
あ、そうなんですか!
白井
生地ができるまでの工程がことなるので
風合いがちがいますが、じつは同じウールの糸。
だから、こう引っ張っても倍ぐらい伸びます。
佐伯
わっ!
ほんとですね。
目がつまっているのに、しっかり伸びる。
――
目がつまっているものって、
伸びないイメージがありましたが
こんなに伸縮性があるなんて!
白井
この伸縮性があるゆえに
着る人の体型を問わないのでワンサイズ展開です。
佐伯
身幅はたっぷりしていますが、
これだけうすいのでほとんど気にならないし、
袖は細くしてバランスをとっているので、
いかにもなビッグシルエットの見え方ではないです。
今回はセットインスリーブにして肩もつくって、
メリハリを出しました。
――
ぜんたいでみると、ちょっと卵型のようにも見えます。
佐伯
そう、すそをあえて少しすぼめています。
キュッと内に入るように。
白井
そのバランスがいいなぁって感嘆しました。
ぼくにはできない発想だなぁって。
佐伯
身幅にゆとりがあるぶん、
すそは広がらないほうがいいし、
タックインしてのブラウジングもやりやすい。
――
そして、いつも絶妙だなと思うのがネックの長さなんですが、
どういうふうに着るのを想定されているんでしょう。
佐伯
くしゃくしゃってしたままでもラフでかわいいし、
きちんとしたければ内側に折ってもらって
自分の首の長さで調節できますし。
――
はしが切りっぱなしみたいになっているのも
かわいいですね。
佐伯
アレンジしやすいし、繊細な印象ですよね。
――
首にそうかたちだから、首が長く細く見えそうだなぁ。
チクチクしないから安心してつつまれたい。
佐伯
FIROのニット全般にいえることですが、
「チクチクするのはいや」っていう方たちに
ぜひ着ていただきたいですね。
白井
たぶん、いえ、ぜったいにチクチクしないです!
佐伯
コットンでも、アルパカでも、そしてこのウールでも
ほんとうにFIROは生地がすばらしい。
――
着てみると「なんだこれは!」と感動します。
この感動をみなさんにぜひ体験していただきたいです。

(おわりです)

FIROレディス ロイヤルベビーアルパカ
タンクトップ
¥16,500(税込)

FIROレディス エアー天竺
ドロップショルダークルーネック
¥25,300(税込)

FIROレディス
スーパーエキストラファインメリノ
ハイネック
¥20,900(税込)

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