エントアンのロングウォレット使い人として。 糸井重里インタビュー

極の財布だ、なんて言うつもりは、ないんです。
だって財布って、ときどき、替えたくなるからね。

ぼくは、この間、海外に行く時に、
昔使っていた小っちゃい財布に入れ替えたら、
いま、それはそれで済んじゃっているんです。
今日なんて、会社に来るのに、
財布そのものを忘れてきてしまった。
でもスマートフォンに
交通系ICカードが組み込まれているから、
電車もタクシーも乗れるし、
コンビニでの買い物もできる。
いまって、そういうふうに
キャッシュレスを歓迎する
世の中になっているわけだけれど、
そのいっぽうで、エントアンのロングウォレットを
使っていた最中の便利さを、
ものすごく感じていました。
だって、ほんとうに便利なんだよ。

まず小銭。
こう、ぱかっと開けたときの、どんとでかい口径ですよね。

これってね、「そこに置いてあるお金」を
がさっとつかむのと、同じことなんです。
狭いところに指を突っ込んで探さなくていい。
それに、ぜんぶ見えるし、なにしろ口が広いから、
一覧性が高いんですね。
すぐにいくら持っているかわかる。
エントアンのロングウォレットのなにがすごいって、
この小銭入れが、とにかくすごいと思っています。

でもそれだけじゃないんだよね。
たとえばお札を入れる場所が、2層、ある。

1層に1万円札を入れて、
もう1層に5千円と千円札を入れる、
っていうふうにすると、なんていうのかな、
「全体の総量を心配しないで使える」んです。

それから、カードはやたら入る。

ぼくはポイントカードを持たないんだけれど、
それでもカードは多くって、
たとえば免許証や保険証は持ち歩いているし、
病院のカードがあるし、
クレジットカードやキャッシュカードもある。
そういうものを分けて入れる場所があるわけです。

●あえて、リクエストをするなら!

‥‥というふうに、
ぼくは使い勝手についてはなにも言うことがないんです。
でもね、エントアンのふたりに、あえて、
これからこのロングウォレットを
もっと愛されるものにするにあたっての
アドバイスをするなら、
「もっと自己主張してもいいんじゃないかな」
っていうことなんです。

つまりね、こういうものは
「すごくうれしく使っている」
という状態になったら、いいと思うんだ。
便利だから使う、ということはクリアした。
だから「うれしくて使う」ところに
デザインを持っていけたら、
もっといいだろうなって思う。

つまり「愛させてくれ!」っていうことかな。
エントアンは、バッグも、ポーチも、
ルームシューズも、全部いいじゃない?
だからね、ロングウォレットも、
機能としてほしい人がいる、という以上に、
愛されるものになっていったらいいと思うんです。

こういう革製品は、
ワイルドに寄せるのか、エレガントに振れるのか、
どちらの方向もあると思うんだけれど、
どちらにしても、誰もが使いやすいっていうところに
まるっきり全部を収める必要はないと思うよ。

何度も言うけれど、機能については、
ほんとうに使いやすい。
見事です。

(談)

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