![パリが好き。](/store/haramaki/sasao/img/interview/ttl-1.png)
展覧会が無事オープンできたところで、
お忙しいなか、貴重な時間をありがとうございます。
いえいえ。ハラマキも間に合ってよかったです。
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「PARCOでSASAO展」がオープンしたばかりの頃でした。
はい。ハラマキ、けいとのぱんつ、
レッグウォーマーが1柄ずつと、ゆたんぽが2柄。
どれもよく仕上がったんじゃないでしょうか。
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とてもおしゃれだと思います。
でもまさか手描きのドローイングになるとは
思っていませんでした。
そうでしたか。
笹尾さんといえば画家としての
「レッドソファ」のイメージがあったので。
ここにあるような油彩画を描かれるのではないかと
想像していたんです。
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油絵をベースにしたような
多色のデザインということですね。
はい。ただ「ほぼ日ハラマキ」は
機械織りのニットということもあり、
使える色の数に制約があります。
それをお伝えしつつ、
笹尾さんがどう表現なさるのかと思っていたら、
ドローイングという答えを出してくださって、
「おお‥‥!」と。
デザインってどんな仕事でも
制約がありますからね。
今回の制約だと、
やっぱり普通の絵画を再現することはできないんです。
でもそれがあったから
ドローイングという形を考えられたので、
よかったんじゃないかと思います。
ええ。線がちょっと揺れている感じも、
ニットの表現と合っている気がします。
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そうそう。
このドローイングが建築みたいに
ぴしっと表現できたらつまらないですよ。
展覧会のみなさんの反応を見てると、
「かわいい!」と声がきこえてくるので、
本当によかったと思いました。
それはよかったです。
今回ハラマキのテーマとされたパリに、
笹尾さんは毎年のように
いってらっしゃいますね。
もう、50回以上は行っていますね。
野暮な質問かもしれませんが、
笹尾さんは、どうしてパリがお好きなんでしょうか。
僕は中学生のときの誕生日に
マティスの画集をもらったんです。
そこで初めてマティスという存在を知って、
大好きになったんです。
マティスが18歳から
南仏ニースに移る48歳まで住んだのがパリ。
それから大人になって
初めて仕事で海外ロケにいったのがパリでした。
当時はなんにも知らなかったけど、
美術館に行って、本屋さんに行って、
カフェにも行って。
それがとにかく、
居心地がすごくよかったんです。
まぁ、こんなふうに
理由を言うこともできるんだけど、
人の出会いでも
「どうしてあの人好きになったの?」って
言われても、わからないでしょ?
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わからないですね。
うん、わからないと思うんですよね。
だけど僕にとって、
たまたまその出来事があったことで、
パリを好きになっているんです。
もう何度も行っているけど、
いまだに「フランス語がしゃべれない」っていう
フランス語が言えるだけで(笑)。
以前、ほぼ日の奥野が
パリに旅行に行くとき、
笹尾さんが「おのぼりさんのためのパリ案内」という
メールを奥野に送られましたよね。
4日間でパリを観光する計画を、
とても丁寧に書いてくださった内容で。
あのメールはね、すごく楽しく書いたの。
おのぼりさんのためにね。
奥野さんもそのとおりに動いちゃってさ。
あれを全部こなしたなんて、すごいよ。
社内でも「すごいメールが来た」って
話題になったんです。
あの、「おのぼりさんがパリに行く」っていう
ちょっとひょうきんな雰囲気が、
今回のシリーズにも感じられて、
すてきだなと思います。
![ちょっとバカらしくて、いいでしょ?](/store/haramaki/sasao/img/interview/ttl-2.png)
![ちょっとバカらしくて、いいでしょ?](/store/haramaki/sasao/img/interview/ttl-2-sp.png)
笹尾さんはこれまでも、
「ほぼ日のホワイトボードカレンダー」の数字や
「ほぼ日曜日」のロゴ、「111枚のちいさな絵」など、
ほぼ日でいろんなものを作っていただいていて。
そうですね。
今回はハラマキを作ってみて、どうでしたか?
「ほぼ日ハラマキ」ってほぼ日の中で、
伝統のある商品じゃないですか。
アーカイブコンテンツもたくさんあって。
ほぼ日手帳と同じくらい、
もう20年以上、作り続けている商品ですね。
うん。これまでに僕の憧れの方が何人も
「ほぼ日ハラマキ」のデザインをしていました。
だから、頼まれてすごくうれしかったです。
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そう言っていただけて光栄です。
でも逆に、
過去に作られたデザインがたくさんあるものだから、
自分が何をやっていいか全然わからなくて。
だから、まずはみんなで
アイデアを出しあうことにしたんだけど、
そこでハラマキチームの一人がね、
ちょっとおバカなアイデアを出してきて。
パリの凱旋門の形は、けいとのぱんつに
ぴったりなんじゃないかと。
手書きのメモで、凱旋門のスケッチの横に
小さく「ウソ」って書いてあったんですよ。
![](/store/haramaki/sasao/img/interview/pic-7.jpg)
笹尾さんといえば、パリのお花屋さんや、
マティスの作品を取り入れた絵だと思ったんです。
それで、パリをテーマにするのもいいなぁと思って、
パリといえば、凱旋門があるなぁ‥‥と。
冗談みたいだけれど、
アイデアのきっかけになったらいいかな、
程度だったんです。
僕はそのメモを見たとき
「あ、これはいけるな」と思ったんですよ。
けいとのぱんつには凱旋門を、
ドローイングで描こうと。
そしたらハラマキは何にしようかと思って、
僕の憧れでもあるオペラ座にして。
レッグウォーマーは細長いじゃない?
これはもう、エッフェル塔しかないからね。
あとはゆたんぽも作れるから、
フランスの国の花のアイリスと、
国鳥の雄鶏にしようと。
凱旋門から、ほかのアイデアがどんどんでてきた。
まさか本当に描いてくださるとは
思いませんでした。
ちょっとバカらしくて、いいでしょ?
![](/store/haramaki/sasao/img/interview/pic-8.jpg)
すごく新鮮です。
あと、後ろ側にフランス語で
「美と健康を!」の文字が入っているのが
かっこいいです。
![](/store/haramaki/sasao/img/interview/pic-9.jpg)
「あたたかいぱんつは体にいいですよ」って、
伝えたかったんですよ。
ほかのアイテムにもそれぞれ、
違うことばをあててくださっています。
![](/store/haramaki/sasao/img/interview/pic-10.jpg)
なにかメッセージのような、
絵だけじゃない方法で
コミュニケーションをとれたらいいなと思って。
オペラ座のハラマキは、
バレエのレッスンのように「アン・ドゥ・トロワ」。
エッフェル塔は、「よい一日を!」。
ゆたんぽはおやすみのときに使うから、
「おやすみなさい」にしました。
「ほぼ日ハラマキ」みたいに、
くすっとするようなアイデアをデザインにのせて、
みんなの体をあたためるウォームグッズを作り続けるって
とても意味があることだと思うんです。
僕はそこに、新しい提案ができたらいいなと思って
このデザインを考えました。
ひとつひとつのデザインに、
笹尾さんのあたたかさを感じます。
本当に、ありがとうございました!
(おわり)