2013年のインタビューその2)より「真っ直ぐ」。


最近、新しく作っているものといえば、
中国茶用の茶器ですね。
台湾で展覧会をしたことがきっかけで、
台湾のギャラリーからお話をいただきました。
中国茶では急須や茶碗に
お湯をかけて温めたりするため、
茶盤とか独特のものを使います。
僕がメインで作るのは、
茶海(ちゃかい)と呼ばれるうつわで、
急須からお茶を、1回、片口に移すんですね。
その片口のことです。
みんなにお茶を注ぎ分けるうつわなんです。



中国茶器が、ここのところの新しい、
作るものといえますが、
でもまあ、僕はとりたてて新しくしよう
とか考えないんですよ。
ですけど、
定番で同じように型を合せたりとかもしないですね。
毎回ちょっと、かたちをかえます。
繰り返さない。
前と一緒のものは、できないもので。
同じものを、と注文があっても、
やっぱりどこか、ちょっと変えちゃう。



今回の「ほぷらす」につくった新作も、
前回のものとは、ちがったかたちになりました。
より「真っ直ぐ」な感じがあるかもしれません。
色も、赤とか青とか、
去年なかった色のものをつくってみました。
今回は、つくる最初の段階で、
一番好きなかたちがパッと思いついたんです。
なんか急に、
「あ、これやろう」っていう感じで、
かたちは普通なんですけど、
普通のほうが、
なんか自分のなかで、すごく、よくて。



小どんぶりは、僕はご飯ものが好きで、
ふだん食べている料理をイメージしてつくりました。
うちの食卓は、どんぶり率が高いのです。
定番のどんぶり飯といえば、
去年の夏ごろは、
家内がナスの煮浸し丼みたいなのを、
よくつくってくれましたね。
サラサラッとしていて、
ナスにタレがしっかり染みこんでいて、
おいしいんですよ。
今年の春ごろはタコ飯がヒットでした。
あと牛の炊き込みご飯とか。
混ぜご飯も、白いごはんよりボリュームが出ますから、
うつわは小どんぶりがいいですよね。



家でつくるどんぶりものっていうと、
お店で食べるような、
天丼や親子丼とはちょっとちがって、
ご飯におかずを乗っけて、
一緒に食べちゃう、みたいな感じですよね。
そうすると、
このくらいの大きさがちょうどいいのかな、と思います。
あと、洋風の食材や料理にも合いそうですね、
スープとか。



そうそう、今回の新作のお茶わん、
僕も今、使ってるんです。
毎日使っているから、
もう色が変わってきてますね。
やっぱり、うつわは、
たべものを盛ってこそ、ですから。
どんどん、使ってもらいたいです。

2013-06-18-TUE


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HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN