様々な刺繍が組み合わさった、
とても手の込んだ一着です。
完成したサンプルを見た時
「アクセサリーはいらない」、
そう思いました。
この胸元の刺繍こそがアクセサリーなのですから！

凝った刺繍をさりげなく見せてくれるのは
リネンの素材感。
素材、刺繍糸の色、
刺し方などを工夫することによって、
素朴にも華美にもなりすぎない、
ほどよい服ができたなぁ、
そんな風に思っています。

さらりと一枚で着るのはもちろん、
ゆり子さんはデニムを履いてもいいな、
なんておっしゃっていて、なるほど。

下にタートルを合わせたり、
カーディガンを羽織ったり、
ストールを巻いたり。
重ね着を楽しむことで、
いち年中楽しめる服でもあるのです。
夏はサンダルで、
冬はちょっとごつめのブーツもいいなぁ。
（伊藤まさこ）

グレージュとダークネイビー、
両方とも、刺繍の技法は「ドロンワーク」です。
フランスのDMCという
刺繍糸の会社の糸を使用、
色が褪せることなく、光沢のある糸です。
アクセサリーなどで引っ掛けないよう、
気をつけて着用くださいね。

顔まわりがすっきり見えるよう
Vネックのかたちには気を配り、
刺繍の下にふんわりとギャザーを入れています。
少しフレアーの袖もポイント。
体型も問わないのデザインですので、
いろいろなかたに着ていただけると思います。

生地は、CHECK&STRIPEオリジナルリネン
「プリマベーラ」。
同社の製品の中でいちばん密度が高く、
それでいてナチュラルな洗いざらしのような
雰囲気があるリネンです。
（リネン特有のネップが見受けられる場合があります。）

普通のカジュアルなリネンの
約1.3倍の密度に織っています。
しっかり目が詰まっているのに、
しなやかな風合いが出るのは
リネンの特性を熟知し、リネンに慣れた
静岡県浜松市の職人が
機械のスピードを調整しながら緩やかに織るためです。
そのため一日に40mしか織れません。
さらに一手間かけて、揉み込み洗うことで、
ハリのある生地のコシを適度に砕き、
しなやかな風合いに仕上げることができます。

グレージュの色は
グレーとベージュの間のような
日本人の肌になじみやすい色。
顔色が美しく見える色を心がけました。
ダークネイビーは一見、黒に見えますが、
実は濃い紺色です。
刺繍部分の、肌とのコントラストが美しく映えます。