Miknits Night Trip 三國万里子さんの編みもののお店、はじまります。 Miknits Night Trip 三國万里子さんの編みもののお店、はじまります。

Miknits2022のラインナップが揃いました。
テーマは「夕暮れから夜明けまでの散歩」になったと、
デザイナーの三國万里子さん。
ごちそうのようなアランセーター、
琳派・アールデコからつながるニットベスト、
ロマンチックなショールやミトン。
foodmoodのなかしましほさんとつくった
Miknits缶も、今年も登場です。
しずかだけれど、わくわくする夜を
ともに過ごしてくれるような作品たちを
ひと足お先にご紹介します。 三國万里子さんプロフィール

01

集中して夢を見ているよう。
編みものキット ミトンとショールのお話

ネオンのような滲みがうつくしい
アンゴラ糸の手袋「tokyo」、
羽のような形がロマンチックな、
カシミヤのショール「harebell」。
どちらも夢見ごこちになれる編みものキットです。
三國さんに質問を送り、お返事をいただきました。

「tokyo」はアンゴラ糸ではじめての小物です。
これまでのtsukinowa、mizudoriとは
また違う印象の模様ですが、
デザインのイメージをお伺いできますか?

ボーヒュースのミトンを作りたいと、
ずっと思っていたんです。
小さい面積に、
プティ・フールの詰まったお菓子箱のように、
あるいはブローチを並べた宝石箱のように、
凹凸の立体感を感じさせる
ボーヒュース模様を詰め込んでみたいと思いました。

商品名にもつながる、
配色のイメージを教えてください。

千代田区の路面、です。
月に数回、神保町にある「ほぼ日」の社屋に伺うのですが、
その帰り道、雨上がりの夕方に、
アスファルトに映る信号機や、
ネオンサインがきれいだなあと見惚れたのです。
その光景から生まれた配色です。

ボーヒュースの技法を受け継いだものと思いますが、
あらためてどのような編みかた、
技法が活かされているのか、
教えていただけますでしょうか?
アンゴラ糸にチャレンジしたくても、
大物に挑めなかった方々には
とてもよろこばれるのではないかと思っています。

毛足が長く、発色のきれいなアンゴラ糸で、
「裏目を交えた」立体的な編み込み模様を編むことで、
色、テクスチャー共に深く、豊かな効果が表れます。
先が三角で、リブが長めなミトンの形は、実際に
「ボーヒュース・スティックニング」で
作られていたものを踏襲しています。

今回は、仕上げに赤い糸で少し刺繍を加えています。
これをすることで、ミトンの表情が
「おお」ってくらい、ドラマティックに変化するんですよ。
ボーヒュースで刺繍の技法を使うことは
あまりなかったかもしれませんが、
そこは東京オルタナティブというか、
あるいは変異種として、
おもしろがっていただけたらいいなと思っています。

つぎは、harebellについて聞かせてください。
羽のような形がロマンチックなショールになりました。
デザインや模様について教えてください。

ベースの形はいわゆる三角ショールなのですが、
減らし目の角度を強めにして、V字形に作りました。
羽のようにも、ハートの形にも見えますよね。
背中にかけた時、
前に垂れる部分が胸を巻き込むように落ちるので、
一般的な三角ショールよりも
肩から滑り落ちにくいという特徴があります。
エッジのレースはポコポコと丸みのある葉っぱ模様で、
これを編むのも大変楽しいです。

伝統模様の「harebell」という柄から
名前がとられました。
この柄を選ばれた理由や、
どのような特徴の柄なのでしょうか?

「harebell」はジグザグの構造を持つ、
小さな繰り返し模様です。
レースの「穴」に囲まれた部分がharebellという、
ホタルブクロ属の花を表しているのですが、
小さい柄が一面に広がる様子がとても可憐ですよね。
英語でhareは野ウサギなので、
harebellをそのまま日本語に訳すと
「ウサギの鈴」とでもいえるでしょうか。
名前もかわいいなー、と思っています。

編む際の楽しい部分を教えていただけますでしょうか。

このショールは作り目の数はそれなりに多いので、
最初のうちは「捗らないなあ」と
思われるかもしれませんが、
ある地点を過ぎると、
あれよあれよという間に形ができていきます。
最後の数段は、
「え、あれ、もう終わっちゃう!」って感じ。
その緩急が楽しいので、
ぜひそこを味わっていただきたいです。

レース模様は、掛け目と減らし目が繰り返されるので、
1目ずれても、あるいは一段違っても、
困ったことになっちゃう。
でももし間違ったら注意深く解いて、
確実に再スタートできるところまで戻ってください。
急がば回れ、です。

ショールって、なんていうんでしょうね、
ロマンティックな気持ちを満たしてくれるものなんですよ。
身につける時はもちろんなんですけど、
編んでいる時間が、「集中して夢を見ている」ようで、
不思議と満たされる時間なんです。

カシミヤの肌ざわりも心地いいですよね。
巻きかたについても、
おすすめがあれば教えてください。

ぐるぐる巻くほどのボリュームはないので、
普通に背中に三角を持って行って、
両端を前に垂らしていただくのがいいかなと思います。
ピンやブローチで留めてもいいですよね。
わたしが勤め人だったら、
オフィスの椅子にこれを掛けておいて、
肌寒い時に羽織ります。
あるいは肩にショールを掛けてお店番、なんて光景も
素敵ではないでしょうか。

(つづきます。)
2022-08-18-THU
撮影|清水奈緒(イメージ写真)、沖田悟(商品写真)
スタイリング|岡尾美代子
ヘアメイク|茅根裕己(Cirque)
モデル|Terry(身長・175cm)(BRAVO Models)
Miknits2022 は、8月26日午前11時から販売します。 Miknits2022 ラインナップをくわしく解説! ミクニッツ インスタライブ Miknits2022 ラインナップをくわしく解説! ミクニッツ インスタライブ