ほぼ日の水沢ダウン2020《秋の抽選販売》 ほぼ日の水沢ダウン2020《秋の抽選販売》

予告02街で着てても、こころはイーハトーブに。こんな物語はいかがでしょう。 予告02街で着てても、こころはイーハトーブに。こんな物語はいかがでしょう。


寒くなって新型コロナの勢いが盛り返したりして、
お出かけも、なかなかままならない状況がつづきます。
でも、想像の中でなら、どこへ旅するのも自由です。
今年の「ほぼ日の水沢ダウン」の裏地は、
岩手と宮沢賢治にインスパイアされた、
ニット・テキスタイル「イーハトーブの冬」。
水沢ダウンを着るのは街でも、こころはイーハトーブに。
そこで、こんな物語はいかがでしょうか。



2020 11.20 START
2020 11.20 START
ある日、こんな手紙がとどきました。



こんこ、こんこ、このふゆは、
いーはとーぶへおいでなさったら、よいとおもいます。
みずがすきとおったかわやら、
くちぶえをふくとんねるやら、
どんじゃらほいがいるもりやら、
すてきなものが、いくらもあります。
ふゆのそなえにいそがしいきつねが、
いちいち、あんないしてあげます。
いえでは、いろりやら、ほっぺがおちるおだんごで、
もてなしてあげてもいいです。
たいそうさむいから、あたたかくしてきなさい。
こんこ、こんこ、いつきますか。



わたりぎつね拝
2020 11.20 START
いつ来ますかといわれても、
わたりぎつねなんて会ったこともないし、
連絡先だってわかりません。
それに、なんだかちょっと押しつけがましい。
2020 11.20 START
でも、わたしたちは二人とも、
家ですごすのにすっかり飽きておりましたので、
わたりぎつねを探しがてら、
イーハトーブに行ってみることにしました。
2020 11.20 START
たしかに、水底まで見とおせるような、
すんだ、きれいなかわがありました。
2020 11.20 START
口笛みたいな音がするトンネルがありました。
2020 11.20 START
もりのなかで、かさりと音がしましたが、
どんじゃらほいだったのか、わたりぎつねだったのか。
2020 11.20 START
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いかにもきつねが出てきそうな神社もありました。
2020 11.20 START
でも、わたりぎつねがいるけはいはありません。
2020 11.20 START
2020 11.20 START
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コートを着て山高帽をかむったひとにでくわしましたが、
わたりぎつねこのとを訊くと、ばつがわるそうな顔をして、
そそくさと逃げていってしまいました。
2020 11.20 START
おや、この家は?
2020 11.20 START
なかにはいってみると、黒板が立てかけてあって、
そこにはこう書かれていました。



おだんご たべても よいです
2020 11.20 START
囲炉裏のそばにお団子がいっぱい。
ここは、わたりぎつねの家なのでしょうか。
わたしたちが来ることを知っていたのでしょうか。
2020 11.20 START
おいしいお団子ですっかりくつろぎましたが、
やっぱりわたりぎつねは、あらわれませんでした。
2020 11.20 START
もう渡りの季節になったのかもしれないねえ。
わたりぎつねには会えなかったけれど、
でも、なんだか来てよかったねえ。



わたしたちはそう言いあいながら、
イーハトーブをあとにしました。





おしまい





撮影:小野田 陽一

スタイリング:野崎 未菜美

ヘアメイク:筑波 成美

モデル:ALAN 木村 舞輝

協力:長野県安曇野市 碌山美術館