温泉に入ったあとって、
どうしてあんなに眠くなるんでしょう。
体がポカポカして、ちょっと非日常感があって、
いくらでも眠れそうな気分になります。
「ねむくま編集部」は、おうちで温泉気分を味わえる、
とっておきの入浴剤を見つけました。
別府温泉の蒸気と土を使ってつくられる
『湯躍(ゆやく)』です。
実はこの入浴剤、20年以上前に糸井が
『通販生活』の連載でも紹介していたもの。
当時と商品名こそリニューアルしていますが、
製法や成分は創業当時から大切に受け継がれています。
「ねむくま編集部」でも、
「湯躍」をご提供することになりました。
この入浴剤の特長について、
製造メーカーである
ヤングビーナス薬品工業株式会社・佐分利清さんと、
ブランディングやパッケージデザインなどを手がける
クリエイティブスタジオ・EDING:POST(エディングポスト)の
加藤智啓さんにうかがいました。
──
このたび「ほぼ日」で
入浴剤の「湯躍」を
ご提供させていただくことになりました。
今日はこの入浴剤について、
いろいろお聞をうかがえればと思います。
佐分利
よろしくお願いします。
「湯躍」を製造しております、
ヤングビーナス薬品工業株式会社の
佐分利と申します。
産湯(うぶゆ)から、
「湯躍」に入り続けております(笑)。
──
なんと、赤ちゃんのころから。
佐分利
ええ。
──
「湯躍」は赤ちゃんにも使える
入浴剤なんですね。
佐分利
はい、こちらに証拠の写真もございます。
私は会社の三代目なのですが、
赤ちゃんの私を抱いているのが、
創業者である祖父なんです。
──
はあーー。
あの‥‥こんなことを言うのもあれですが、
産湯から「湯躍」に入り続けているから、
佐分利社長は
そんなにお肌がピカピカなんでしょうか。
佐分利
私の肌が(笑)。
いやぁ、どうなんでしょう。
加藤
やっぱりそれはあると思いますよ。
「湯躍」は肌にとてもよくて、
荒れにくくなったりするので。
──
と、おしゃってくださったおとなりの方を、
読者のみなさんに紹介させてください。
「湯躍」のデザインなどを担当されている、
加藤智啓さんです。
加藤
よろしくお願いします。
私は「湯躍」のファン代表として
来させていただきました。
ヤングビーナスさんの
様々なリニューアルにあたって、
ブランディングやデザインを担当しています。
──
「湯躍」ファン代表とおっしゃるだけあって、
加藤さんもお肌がピカピカです。
加藤
ありがとうございます(笑)。
──
加藤さんは、お仕事で関わるようになって
「湯躍」を使いはじめたんですか?
加藤
本格的に使うようになったのは、
お仕事をしてからですね。
でも、小学生のころ、
友だちの家に置いてあったのを覚えていて、
「ああ、あのときの入浴剤じゃないか」って。
──
記憶の片隅に残っていた。
加藤
そうなんです。
実際に使いはじめると、
もう本当にお湯に入っても気持ちいいし、
肌はスベスベになるし、虜になってしまって。
なので今日は、デザイナーとしてではなく、
ファンとして来させていただきました(笑)。
──
実は糸井も以前から、
「湯躍」を愛用しているんです。
20年以上前のことですが、
通販カタログ雑誌『通販生活』の連載で、
紹介していたそうで。
佐分利
そうなんですよね。
長いことご愛用いただけていてうれしいです。
──
当時は「明礬(みょうばん)の花」
という商品名だったようですが、
「湯躍」と同じものなのでしょうか?
佐分利
そうですね、成分などベースはほぼ一緒です。
──
入りかたについて、ひとつ聞かせてください。
当時の誌面によると糸井は
「乳頭を喫水線にして30分の入浴がおすすめ」
と書いているのですが、
現在の「湯躍」のホームページには
「お湯の高さは脇の下で10分の入浴を」
となっているようです。
佐分利
糸井さんは30分、弊社では10分と。
──
製造メーカーさんとしては、
あまり長く入らないほうがいい、と。
佐分利
いえ、私たちとしましては、
できるだけ長く入ってほしいんです。
ただ、のぼせてしまう方もいらっしゃるので。
──
なるほど。
では長く入る分には問題はない。
佐分利
そうですね。
お使いになる方にとって、
無理のない入浴時間で。
糸井さんの書かれている入りかたも、
とてもいいと思います。
──
「湯躍」は、別府温泉で作られた
「湯の花」を精製して配合した
入浴剤だそうですが、
まず「湯の花」がどんなものか教えてください。
佐分利
「湯の花」といいますと、
温泉に浮いている白いゴロゴロしたものを
イメージされる方が多いと思います。
──
はい、ちいさい粒ですよね。
わかります。
佐分利
あれは、温泉が噴出したときに
溶けきれなかったものや、硫黄のかたまりなんです。
別府の「湯の花」は、
それとはまったく別物なんですよ。
──
あ、違うものなんですか。
佐分利
温泉に浮いている白いゴロゴロは
自然にできるものですが、
別府の「湯の花」は製造しているものです。
ミネラルを含んだ青粘土に
温泉の蒸気を当てて、
ミネラル成分を結晶化させて作ります。
──
自然にできるものでなく、製造している。
佐分利
江戸時代からずっと同じ製法で作られてるんですよ。
日本で他に同じようなものを作っているところは
別府以外にはありません。
──
はあ~、江戸時代からそうやって入浴剤を。
佐分利
いや、もともとはミョウバンをとるために
作っていたんです。
その後、海外から
ミョウバンが輸入されるようになって、
入浴剤に転用しました。
──
なぜ別府だけがその製法で、
「湯の花」を作ることができるのですか?
佐分利
別府の「湯の花」を作るには、
青粘土というミネラル分を含んだ粘土と、
たくさんの温泉の蒸気が必要です。
このふたつがそろっている場所は、
日本にはほとんどないんです。
──
温泉があるだけでは作れないんですね。
佐分利
はい。
「アメリカの自然公園にある」
という話は聞いたことがあるのですが、
日本では別府だけですね。
そのおかげか、この製法は
国の重要無形民俗文化財にも登録されています。
──
その製法や入浴剤の中身は、
江戸時代からずっと変わっていないのですか?
佐分利
そうですね。
バージョンアップして
よりよい入浴剤を作ろうとしているのですが、
正直に言うと、ちょっと超えられるところがなくて。
──
当初から完成されていた。
佐分利
創業者の作った入浴剤をよりよくすることは、
三代目である私の命題で、
かなり研究はしているのですが、
創業当時から、かなり考えられたバランスで
作られてるんだなと痛感しています。
──
別府の「湯の花」から作られた「湯躍」は、
別府温泉と同じような
効能があるのでしょうか?
佐分利
そうですね、それを目指して作っています。
温泉には94種類の元素が含まれている
と言われています。
なかでも、人間の健康に必須と考えられている
15種類の微量元素を含む60種類が、
「湯躍」には入っているんです。
──
ふむふむ。
加藤
この「60種類」がいかにすごいか、
私からお話させてください。
販売されている多くの入浴剤に入っている
元素は10種類程度なんです。
──
かなりの差がありますね。
加藤
そういった一般的な入浴剤は、
炭酸ナトリウムなどの成分を
化学的に配合しています。
肌がツルツルになるので、
温泉に入ったような気分にさせてくれる。
──
化学的に、温泉に入った気分に。
加藤
一方「湯躍」は、
いわば温泉を凝縮した「湯の花」を使っています。
一見して気付かないところまで、
しっかり温泉本来の成分が活きているんです。
──
別府温泉の成分がギュッと
そのまま閉じ込められたような。
加藤
そうですね。
いい成分は閉じ込めつつ、
家庭用に最適化するために、
天然温泉のネガティブな部分を
取り除いています。
──
どんな成分を取り除いているのでしょう。
加藤
たとえば「湯躍」には
浴槽を傷める硫黄の成分が入っていません。
硫黄独特の香りもありませんので、
そのお湯を洗濯機で使うこともできます。
──
へええー、そこは大事なポイントですね。
効能はしっかり残しながら、
おうちで使いやすく工夫されている。
加藤
そうなんです。
創業者の方は、
そういったことを独学で11年研究して、
この「湯躍」を生み出しました。
──
すごい。
‥‥それにしても加藤さん、ほんとに詳しい。
「湯躍」の広報の人のようです(笑)。
加藤
いや、もう、大好きなんですよ(笑)。
──
ところで、温泉に入ると眠くなりますよね?
入浴後、じつにいい気分になって。
佐分利
なりますね(笑)。
──
お風呂で体をあたためるのは、
やはり、眠りにとってよいことであると。
佐分利
おっしゃるとおりです。
ぬるめのお湯で体をあたためると
副交感神経を誘起して
気分をリラックスさせることができます。
──
やはり、ぬるめが‥‥。
私たちの顧問をしてくださっている
快眠セラピストの三橋先生も、
ぬるめのお湯がいいとおっしゃっていました。
佐分利
そうですね、
入浴はとても簡単な健康法だと思います。
──
ああ、いいメッセージです。
「入浴は簡単な健康法」。
佐分利
薬と違って劇的に効くことはないですが、
「毎日お風呂に入る」という習慣は
ほんとうに体にいいので、
シャワー派のみなさまも
ぜひ湯船につかってほしいですね。
──
「湯躍」を使えばさらにいいわけですね。
佐分利
入浴で体をあたためることを、
「湯躍」がアシストできるといいなと
思っています。
──
うかがった温泉成分のことを思うと、
かなりのアシストになる気がします。
佐分利
ありがとうございます。
ミネラル成分による外部的な刺激も加わって、
より気分をリラックスできるのではないかと。
──
今回、ほぼ日では
4種類の「湯躍」を販売いたします。
佐分利
4種類とも成分などのベースは同じで、
色と香りが違っています。
その日の気分で
好きなものをお選びいただければ。
──
入浴剤の香りを選ぶのって、
いい気分転換になるんですよね。
佐分利
そうですね、毎日のことですから、
飽きずに使っていただけると思います。
加藤
「無垢」は色も香りもついてないので、
自分でアロマを入れたりして楽しめるんです。
──
ああー、そうか、それはいいですね。
佐分利
菖蒲湯とか、ゆず湯とか、
そういった行事のときも使えると思います。
加藤
贈り物にもすごくいいんですよ。
消えるものだから誰も困りませんし、
ちょっとした1日のご褒美に使ってもらえるので。
──
ああ‥‥これをプレゼントされたら、
それはうれしいと思います。
「温泉をもらった!」みたいな。
加藤
そうですね(笑)。
──
プレゼントを渡す人は、
「ご自宅で温泉をどうぞ」
というひとことを添えてほしいです。
加藤
はい(笑)。
佐分利
ご褒美として使う形もあると思います。
「今日がんばったぞ」という時に入って、
1日の疲れを取っていただけたらうれしいですね。
──
たまーに、温泉に出かけるだけで
すごい贅沢じゃないですか。
それがおうちで味わえたら、うれしいですよ。
加藤
そうなんですよ。
──
‥‥もう、今夜使いたいです(笑)。
佐分利さん、加藤さん、
たくさんお話を聞かせていただき、
ありがとうございました!
加藤
ありがとうございました。
佐分利
こちらこそありがとうございました。
ぜひ、多くの方々に
お試しいただければと思っています。
眠りのなやみ、
おしえてください。
日ごろ、眠りについて気になっていること、
疑問に思っていること、困っていることはありませんか?
ささいなことでもかまいませんので、ぜひ教えてください。
「ねむくま」編輯部と、顧問の三橋美穂さんが、
いっしょに調べて回答します。
寝グルメじまん、
募集中!
「これをはじめてから調子よく眠れます」
「これを使うと目ざめが快適です」
そんなノウハウやグッズがあったら、ぜひ教えてください。
当マガジンで紹介したり、うまく取り扱いできたら
販売もしたいと思っています。
メーカーなどの企業のかたからの情報も大歓迎!