じつはこのミックスジャムのシリーズには当初、
”考えるジャム”という名前がついていました。
小菅くみさんのつくってくれた
いろんなジャムを初めて食べたとき、
「何が入ってるんだろう?」などと
いろいろ考えるのがおもしろかったんです。
そこから決めていった名前でした。
ただ、しばらく”考えるジャム”と呼んでみて、
だんだん、違うかもしれないと思いはじめました。
「考える」というのが
批評しながら映画を見ているみたいで、
どうも気になってきたんです。
たしかにぼくは食べたときに
「どの材料が何パーセントかな?」とか、
ジャムについて考えるのをたのしんでいました。
そんなふうに考えるのも、たのしいジャムなんです。
だけど、このジャムについて、
食べる人たちみんなに「考えて」ほしいかというと、
そうじゃない。
自由にたのしんでもらえたら、それでいい。
この名前だと、変に「考えなきゃ」と思ったり、
せっかくのおいしいジャムが
たのしみづらくなるかも‥‥と思ったんです。
![](/store/oragajam/2015/images/ph_y2_7.jpg)
それで、しばらく考えてみてたどりついたのが、
“感じるジャム“という名前でした。
振り返るとぼくは「考える」のと同時に、
このジャムならではの味わいを
「感じる」ことがたのしかったんです。
豊かな「感じる」があったから「考える」もできた。
食べてくれる人たちに
このジャムの味わいを感じてほしいというのは
すなおな思いとしてあります。
そんな過程を経て、”感じるジャム”に決めたんです。
一般的にジャムが「あんまりおいしくない」とか
「わたしはつけなくてもいい」とか思われる原因って、
マンネリな味がするから、ですよね。
多くのジャムって、わりと食べながらちょっと
「つまんない」ところがあるんです。
”おらがジャム”はくだものの複雑な味わいが
しっかり残っていておいしいけど、
たとえば、ふつうに売っているジャムを
パンの上にいっぱいのせてもらっても、
うれしくないでしょう?
あれはやっぱり「単調でつまらない」。
そういうことなんだと思うんです。
![](/store/oragajam/2015/images/ph_y2_3.jpg)
だけど”感じるジャム”は
すくうたびに中身がちがうし、
ひとさじのなかにも味の変化があるから、
食べたとき、口のなかがたのしいんです。
もっと味わってみたくなる。
「どうしてこうさっぱりしてるんだろう?」とか
「今のはラズベリーが香ったのかしら」みたいに、
考えも、いろんな方向にひろがっていく。
パンにのせたり、ヨーグルトに入れたりすると、
またそれぞれにおいしくて、
「あれ、これ何のジャムだったっけ!」
と思ったりもする。
このジャムを食べる人たちには、
その感じを、味わってみてほしいんです。
それぞれのくだものが
「わたしもいます、わたしもいます」って
言っているのを、感じてみてほしいんです。
また、ミックスジャムである”感じるジャム”は、
会話がはずむジャムでもあります。
「わたしはこんな印象だった」
「これ、なんの味だろう?」とか、
家族や友人、みんなで一緒に食べると
会話からさらに「感じる」がおもしろくなる。
舌で感じて、会話で感じて。
そんなたのしみかたのできるジャムなんです。
第1弾は「みっくすベリージャム」。
小菅くみさんとサンクゼール社の力を借りて、
とびきりおいしい、感じるのもたのしい、
5種類のベリーを使ったミックスジャムができました。
ぜひ、このシリーズならではのおいしさを
感じてみてもらえたら、うれしいです。
![](/store/oragajam/2015/images/ph_y2_2.jpg)
2015-02-04-WED