- ほぼ日
- 勝野さん、こんにちは。
今日はよろしくお願いします。
- 勝野
- こちらこそ、よろしくお願いします。
- ほぼ日
- 勝野さんは「おらがジャム・あんず」を
はじめて食べたときの印象って、
いかがでしたか?
- 勝野
- 「おらがジャム・あんず」は
しっかりとした個性があるジャムですよね。
ほかのどのジャムとも、似ていない。
ソースのようななめらかさがあって、
食べると味がすごく濃い。
ハード系のパンにも合わせられるくらいの
しっかりした甘さがありますよね。
あと、グラニュー糖というのも
すごくいいなと思いました。
ぼくは、甘いものは甘く、しょっぱいものはしょっぱく、
すっぱいものはすっぱく‥‥というのが好きなので、
「おらがジャム・あんず」は好きなジャムです。
- ほぼ日
- うれしいです、ありがとうございます。
- 勝野
- こちらこそ、声をかけていただき、
ありがとうございました。
下手なものは作れないぞ、と思って
気合いを入れて作りました。
- ほぼ日
- 今日は、どんなサンドイッチを
教えていただけるのでしょうか?
- 勝野
- 「おらがジャム・あんず」を使って、
3種類のサンドイッチを作ってみました。
それぞれ、
タンドリーチキンを使ったバゲットサンド、
サーモンフライにタルタルソースの
サンドイッチ、
白桃とあんずのフルーツサンドです。
- ほぼ日
- わぁ、もう、組み合わせだけで
おいしそうです。
- 勝野
- じつは最初、ご連絡をいただいたときは
「クリームチーズがいいかな」とか、
「豚肉がいいかな」とか、いろいろ考えたんです。
クリームチーズとあんずを合わせるのは
フレンチの定番だし、
豚肉や鴨は、フルーツとよく合わせますから。
でも、実際に作ってみたら、
なんとなく自分がそのとき
食べたかったものとは違ったんですね。
「毎日暑いし、脂っこい豚肉のサンドイッチは
いま食べたくないな」
「おいしいほうがいいしな」
そんなふうに思って。
それで、試作するうちにどんどん変化して、
最終的にこの3つになりました。
どれも、いまの時期においしい
サンドイッチだと思います。
- ほぼ日
- たのしみです。
- 勝野
- では、まずはタンドリーチキンの
バゲットサンドです。
といっても、下準備はすでにしてあるので、
はさむだけなんですけどね。
〔くわしいレシピは下に〕
- ほぼ日
- フランスパン、おいしそうです。
- 勝野
- まず、バゲットを割って、
両面にバターを塗ったあと、
自家製マヨネーズを絞ります。
そして、セルバチコという、
ソースと合わさってもしなしなにならない
辛味が強めのルッコラを、たっぷり。
- ほぼ日
- すでに、いい見た目。
- 勝野
- (笑)。そこに、一晩漬け込んでから焼いた
タンドリーチキンを、切って入れます。
そして、パプリカ。
これは直火で焼いて、皮をむいています。
皮をむくとソースの味がなじみやすく、
食感も良くなるんです。
でも、めんどうだったら、
フライパンでソテーしてください。
そのときは、すこし皮が口にのこるので、
薄切りにしたほうがいいと思います。
- ほぼ日
- あ、なるほどです。
- 勝野
- そしてさいごに、あんずのソースをかけます。
これは「おらがジャム・あんず」に
シナモンと塩を少し入れたものです。
- ほぼ日
- あんずジャムに、塩なんですね。
- 勝野
- ええ、塩分がないと、ソースにならないんです。
さいごに黒コショウをかけて、完成です。
いまカットするので、食べてみてください。
- ほぼ日
- ありがとうございます。
(ひとくち食べて)‥‥うわぁ、おいしい。
タンドリーチキンとあんずのソースが
すばらしく合います。
シナモンの香りもします。
- 勝野
- シナモンとあんずって、合うんですよね。
あと、最後にふった黒コショウと
あんずの組み合わせも、すごくいいんですよ。
うちの店では通年で
フランスパンに、ドライのあんずの煮たものと
クリームチーズをはさんだ
サンドイッチを出しているんですけど、
さいごに黒コショウを振っていて、
それがまた、合うんです。
- ほぼ日
- ああ、それもおいしそうですね‥‥。
このサンドイッチを作るときのポイントは
なにかありますか?
- 勝野
- いちばんのポイントは、
バターを両面にちゃんとぬることですね。
そうしないと、具の水分で、
パンが湿ってしまうんです。
バターをぬると風味もよくなりますし。
そのあたりのサンドイッチの基本のところって
けっこう大事なんです。
あと、塩は気持ち多めに。
- ほぼ日
- 塩は気持ち多め。
- 勝野
- サンドイッチってわりと、
塩とお酢の使い方がポイントなんです。
塩が足りないと、
「ただパンと具を食べてるだけ」
みたいになるので。
あと、ピクニックに持って行ったりとか
すぐに食べない場合も多いので、
塩はなおさら、強めにしておいたほうが
外で食べるときにもおいしいです。
- ほぼ日
- タンドリーチキンに使うカレー粉は
これがおすすめ、などありますか?
- 勝野
- ぼくは「インドアメリカン貿易」という
ところのものを使っています。
これは、ちょっと高いんですけど、
エキゾチックな風味が出るんです。
こういうところでアクセントをつけていくと
おもしろいタンドリーチキンになります。
でも、家にあるものや
好みのもので大丈夫ですよ。
- ほぼ日
- 野菜はどうでしょう?
- 勝野
- そうですね、セルバチコはおいしいけれど
売ってない場所も多いので、
ふつうのルッコラや、レタスやベビーリーフ、
サニーレタスなどでも大丈夫です。
あと、ソースの量などは、
パンの大きさや密度によって、
お好みで調整してみてください。
食べて「もうちょっと濃いほうがいいな」
と思ったら、もちろん増やしてもいいですし。
〔用意するもの〕
- バゲット半分
- パプリカ1個
- タンドリーチキン1枚
- 自家製マヨネーズ適量
- あんずソース適量
- セルバチコ(またはルッコラ)適量
- バター適量
- 塩適量
- 黒コショウ適量
具材の準備
1 パプリカ
丸のまま、直火で真っ黒になるまで焼き、
水で洗いながら皮をむく。
よく水分を拭きとってから半分に割り、
種をとって6等分にする。
軽く塩を振る。
2 タンドリーチキン
- 鶏モモ肉1枚
-
A
- おらがジャム・あんず40g
- プレーンヨーグルト150g
- トマトケチャップ30g
- カレー粉5g
- しょうがすりおろし15g
- にんにくすりおろし15g
- 塩3g
- ターメリック2g
- 黒コショウ少々
Aをよく混ぜたものに鶏モモ肉を入れ、
一晩冷蔵庫で寝かす。
常温に戻したあと、熱したフライパンで
両面ともしっかりと火が入るまでよく焼く。
(焦げやすいので中火から弱火をつかい焼く)
粗熱が取れたらやや厚めに削ぎ切りにする。
3 自家製マヨネーズ
-
B
- 卵黄1個分
- 白ワインビネガー12g
- ディジョンマスタード10g
- 和辛子少々
- コーン油約80g
- グラニュー糖3g
- 塩各少々
- しょうゆ少々
- ガーリックパウダー少々
ボウルにBを入れ、ホイッパーで混ぜる。
コーン油を少しずつ加えて、
市販のマヨネーズぐらいの硬さまで混ぜていく。
最後に、グラニュー糖、塩、しょうゆ、
ガーリックパウダーで味を調える。
4 あんずソース
- おらがジャム・あんず30g
- シナモンパウダー少々
- 塩少々
すべてをよく混ぜる。
シナモンの香りは好みで調整(少し強めの方が美味しい)。
塩は、ギリギリ塩を感じない程度にとどめる。
組み立て
バゲットは斜めに切れ込みを入れる。
断面の上下にバターを塗り、
自家製マヨネーズをたっぷり塗る。
セルバチコ(ルッコラ)をはさむ。
タンドリーチキンを並べる。
パプリカをのせ、あんずソースをたっぷりかける。
黒コショウを振り、完成。