くーすけが最初に生まれたのは、何でだったかなあ、
何でくーすけをつくる気になったのか‥‥。
ごめんなさい、ちょっと忘れてしまいました(笑)。
でも、そうそう、私ときどき、
自分のぬいぐるみをつくってたんですね。
靴下の古いのを使ったりして。
それであるとき、もうずいぶん前ですが、
友だちが地方でギャラリーをはじめて、
そこで私、展覧会をやることになったんですよ。
すぐにできるのは、
持ってるものをお見せすることだったんです。
動物のぬいぐるみとか。
そのときに、クマのぬいぐるみはすでにあったんです。
で、その展覧会で、
『みんな元気』っていう本を作りました。
本と言っても『アルネ』の原型みたいなものですけれど。
当時はデジタルカメラじゃないから、
自分で写真を撮って、チョキチョキ切って、
ペタペタ貼って、自分で綴じて、つくったんです。
別に何にもない物語で、
クマたちの集会のお話でした。
最後にみんなが集まって、
「じゃあね」って終るだけ(笑)。
それが、くーすけの原点だったのかもしれない。
くーすけの原画や、絵本などなど。
手作業で綴じられた、えんぴつ画のミニ絵本もあります。
マガジンハウスさんから、
『くーすけくまくん』
という絵本を出していただいたことがありました。
2冊のちいさな絵本に、パソコンの
スクリーンセイバーが付録でついているんです。
かわいいんですよ、スクリーンセイバー。
くーすけが、繰り返し繰り返し、ずーっと、
てくてく歩いていく、そんなスクリーンセイバーでした。
そのころは、そういうのをつくってみたかったんですね。
あ、そうそう、
パソコンのタブレットで、初めて描いたんです。
教わりながらタブレットで描きました。
どうしても遅いんですけどね、
そのころはタブレットでずっと、
くーすけを描いてました。
後で出版とかはしてないんですけど、
すいぶんたくさん、くーすけのお話を描いたんですよ。
今は絵本ではなく、
生活用品の中で、くーすけには活躍してもらっています。
(お話/大橋歩さん)
『くーすけくまくん』(マガジンハウス・2001年)
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