平武朗さんには、
メールで質問に答えていただくかたちで、
「The Other Side of Marine」のお話をうかがいました。
Q.『The other side of Marine』の
デザインコンセプトをお聞かせください。
A.デザーティックのフィルターを通して
マリンのイメージを作り出してます。
マリンというポップかつ普遍性のあるデザインの
普段は光の当たらないような部分に
スポットを当ててみたり、
いかにもマリンらしいデザインを再構築したりと
デザインの方法は様々です。
Q.扇子の名前が3年連続で
『The other side of Marine』ですが、
同じ名前にしている理由を教えてください。
A.1回目と2回目はマリンという
西洋のイメージを和の手法で表現する
というテーマでした。
3回目となる今年は
手法や表現方法がどうかにこだわらず
爽やかさや涼しげなイメージを
ストレートに表現してみたくて、
いろんな試行錯誤を繰り返してみました。
その結果、最終的に、
また「マリン」に行き着いたという感じです。
Q.「くじら」のチャームがとても可愛いです。
「くじら」をモチーフに選んだのは?
A.涼しげなイメージ→青と白のストライプ→
クジラが潮を噴いてるイメージ。
このような発想の順番だったと思いますが、
クジラのダイナミックなイメージと
爽やかな青と白のストライプのイメージが
ぴったりと繋がりました。
Q.最終的なデザインに至るまでの経緯を教えてください。
A.最初にストライプの爽やかさを
扇子の中でどう表現するのかで、
試行錯誤を繰り返しました。
羽骨の側面だけを塗装するというアイデアは
技術的に不可能ということが分かって、
羽骨の一本一本を青と白で塗り分ける
というデザインに変更しました。
そしてまた羽骨を白に塗装することも不可能ということで
青と白の配色を青と水色の配色に変更しました。
1stサンプルは青と水色の配色で仕上がってきましたが、
なんとなく重い感じがイメージと違ったので、
無理を言って親骨だけを白に塗ってもらう事にしました。
するとなんとも言えないクラフト感が出て
デザインに深みが出ました。
羽骨の模様はクジラの潮噴きのダイナミックな感じが
上手く表現できたと思います。
チャームの中のクジラは
僕が鉛筆で書いたイラストをそのまま抜き取り、
職人さんに、かたどってもらいました。
Q.ここに注目、というデザイン上のポイントは?
A.陶器で出来たクジラのチャームと
ペンキで塗ったような爽やかな青と白の羽骨は
ダイナミックなクジラの潮噴きを表わし、
真っ白い横縞の生地は
晴天の青空に漂う雲を表現しています。
Q.どういうお洋服にあう扇子だと思いますか?
A.洗いざらしの白いブラウスや
ホワイトデニムの後ろのポッケに入ってたら
かわいいですね。