12世紀ごろ、スコットランドでうまれたタータンは、 もともと氏族(クラン)や一族(ファミリー)を象徴する、 「家紋」のようなものでした。 戦場では、敵と味方を見分ける、 日本の旗印のような役割も果たしたと言われています。 ですから、スコットランドのひとびとにとって、 タータンは単なる装飾模様ではありません。 スコットランドの伝統と誇りをあらわす 民族のアイデンティティとして、 いまも大切にされています。 近年では、さまざまな団体によって、 あらたにタータンがデザインされるようになり、 そのため、スコットランドには「タータン登記所」という、 世界中のタータンを管理するための 政府管轄の機関が設けられています。 伝統的なタータンの保護や、 あらたなタータンの認定・登録など、 いわばタータンの著作権管理を行なっています。
1947年、キャロン湖(Loch Carron)の畔で 家内工業的にタータンの織元をはじめたのが、 ロキャロン社の歴史のスタート。 現在では世界最大のタータンメーカーとして、 世界中に名を馳せています。 発色のいい、上質なウールで織られたタータン生地は、 きめが細かく目にあざやかな、ゴージャスな質感が特長。 スコットランドのひとびとはもちろん、 各国の有名ファッションブランド、 さらには英国王室からも愛されています。 伝統的な柄からあたらしい柄まで、ロキャロン社には、 数百種類のタータンがストックされています。 そのいずれもが、「タータン登記所」に登録された、 由緒正しいタータン。 今回、「ほぼ日手帳2013」のカバーに採用されたのは、 そのなかから、さらに時間をかけてえらびぬいた、 3つのタータンです。
いかがでしたか? タータンにこめられている、 スコットランドのひとたちの歴史や思いを、 少しでもお伝えできていたら、うれしいです。
「ホーリールード ダイヤモンド」の カズンとジッパーズは、 「ほぼ日手帳 WEB SHOP」のみで販売いたします。 「ブキャナン」と「カニンハム」については 「ほぼ日手帳 WEB SHOP」にくわえ、 全国ロフトでも販売いたしますので、 生地感や色合いなど、実物をご覧になりたいかたは、 ロフトに足を運んでいただけるとありがたいです。