ほぼ日 |
北原さんのコレクションの中で、
ディズニーの物はどのくらいあるんですか?
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北原 |
すごくおおざっぱにいうと、
3万点くらいかなぁ‥‥。
そのうち、ぬいぐるみは3000点くらいです。
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ほぼ日 |
うわー、すごい数!
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北原 |
東京ディズニーランドのグッズは
別にコレクションしているので、
ディズニーで考えるとさらに増えますね(笑)。
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ほぼ日 |
すごいなんてものでは、ないですね。
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北原 |
この写真に映っているのは、
だいたい50〜60年くらいのコレクションです。
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ほぼ日 |
びっしりと並んでいますが、
これが全部では、ないんですよね?
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北原 |
そうですね、一部です。
こっちは、ぼくのコレクションだけで
家をつくったときの写真ですね。
これは、子供部屋。
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ほぼ日 |
この部屋にあるすべてのグッズが、
北原さんのコレクションなんですか?
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北原 |
そうそう、すごいでしょう?(笑)
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ほぼ日 |
スケールが、もう、すごすぎます‥‥。
北原さんがコレクションをはじめたきっかけは、
なにかあったのですか?
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北原 |
留学先での経験が、
ぼくをコレクターの道に導いてくれました。
ぼくの実家はスキー用品の専門店を営んでいて
その店を継ごうと思っていたので、
大学生のときにスキーの勉強をするために
オーストリアのインスブルックという
冬季オリンピックを2回開催した土地に留学したんです。
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ほぼ日 |
はい。
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北原 |
そのホームスティ先は、
古い物を大事にしていて、
愛着をもった物に囲まれて暮らしていました。
たとえば、お鍋ひとつでも、
ひいおばあちゃんの代からつかっていることを
すごく誇らしげに自慢するんです。
「いいだろう。これは魔法の鍋なんだ」って。
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ほぼ日 |
へぇー。
やっぱり、そういうお鍋でつくる料理って、
ふつうのお鍋でつくるものと味はちがうものですか?
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北原 |
全然ちがいます。
愛情のこめられ方がちがいますから。
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ほぼ日 |
ああー。
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北原 |
で、留学先から日本に帰ってきたある日、
粗大ゴミに捨ててあった柱時計を見つけて、
拾ってもって帰ったんです。
それが、ぼくのコレクションの第一号。
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ほぼ日 |
どうして、柱時計を持って帰ろうと?
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北原 |
その柱時計にときめきを覚えたからです。
最初はちっとも動かなかったんですけど、
油を注したら動き出して、
なんだか自分で命を吹き込んだ気持ちになって。
それから、時計や真空管のラジオ、看板など、
自分がときめいた物をあつめていくようになりました。
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ほぼ日 |
北原さんにとって、
ときめく物と、ときめかない物のちがいって
なんなのでしょう?
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北原 |
そうですね‥‥。
その物を部屋に飾って、いっしょに暮らしたい。
そばに置いておきたい。
そういうものが、ぼくの琴線に触れるものですね。
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ほぼ日 |
いっしょに暮らしたい、と思うもの。
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北原 |
そうです。
あつめている物の種類は
時計だったり、看板だったり、おもちゃだったり、
現代アートもたくさんコレクションしているので、
バラバラな物をあつめているように見えるかもしれませんが、
すべてぼくの琴線に触れた物で、愛着をもっています。
どのコレクションが一番なんですかって
よく訊かれるんですけど、
それは、3人兄弟のうちどの子が一番かわいいですか、
という質問と同じなんです。
あるときは長男がかわいいし、あるときは末っ子がかわいい。
ぼくは、値段や入手度に関係なく、
コレクションそれぞれに愛着や思い入れをもっていますね。
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ほぼ日 |
では、手放さなければならないときには、
泣く泣く、という‥‥。
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北原 |
いえいえ、コレクションを手放したことは、
一度もないんですよ。
しあわせなことですよね、
愛着のあるものたちに囲まれて生活しているんですから。
ぼくはね、「熱しやすく冷めにくい」。
コレクターとして最高の性格なんですよ(笑)。 |