手帳を使いはじめるときや
あたらしく何かをはじめるとき、
手帳といっしょに持ち歩いて読むのに
おすすめの本を6冊選んでみました。
1冊ずつ、ご紹介していきますね。
with avec①
どのページを開いても 自分に刺さる言葉がぎっしり
「自分の中に毒を持て
あなたは“常識人間 ”を捨てられるか」
岡本太郎(青春文庫)
芸術家・岡本太郎さんの言葉をまとめた一冊。
自分を肯定してくれる自己啓発本とは真逆で、
グサグサ、自分に刺さる言葉が出てくるんです。
たとえば、目次を見ただけでも
「爆発発想法」とか「成功は失敗のもと」とか‥‥
気になって、読んでみたくなる言葉ばかりですよね。
読んでみて気に入った言葉があったら、
目次のタイトルだけを手帳に書き写しておくのもいいかも。
1章ずつも短いので、好きなところから
ちょっとずつ読んでもいいと思います。

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with avec②
計画通りに進まない人生で 「偶然」をどう味方につけるか?
「ぼくなりの遊び方、行き方 横尾忠則自伝」
横尾忠則(ちくま文庫)
美術家・横尾忠則さんが1960年に上京し、
どう人脈を作り、どう生きていったかが書かれています。
三島由紀夫との出会いも、最初はただのあこがれだったのが
そのうちずかずか三島邸に出入りするようになったり‥‥
けっこうスピリチュアル的な要素もあって、
偶然の出会いから次の場面に進めていく力や、
彼自身が持っているものによって導かれていく感じが、
読んでいておもしろいんです。
手帳を持つと「こんな一年にしよう」と考えたり、
計画を立てると思うんですが、それとは別の方向で、
「偶然に起こる出来事をどうつなげていくか」ということを
意識させてくれる本ですね。

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with avec③
男の旅を追いながら 自分の居場所を再確認できる
「旅のラゴス」
筒井康隆(新潮文庫)
筒井康隆さんの長編小説。
人々が超能力を獲得しだした架空の世界という設定で、
テレポートしたり、壁を抜ける人種がいたりする
不思議な世界を、一人の男が旅をする話です。
旅先でいろんな人と出会い、そこで自分を確認し、
人生を送っていくというストーリーを読みながら、
自分もいま、人生という旅の中にいるんだなと感じたり、
自分の居場所を再確認できるんです。
ぼくは、手帳っていわば人生の一部を切り取るような
存在だと思っているので、いっしょに持つ本として
相性がいいんじゃないかなと思います。

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with avec④
目標を追っている人にも、 まだ目標が見えない人にも
「まんが道」
藤子不二雄A(中公文庫)
藤子不二雄A先生とF先生が成功していく過程を描いた
全14巻のマンガです。
挫折も失敗もしながら、目標に向かって努力していく姿に、
本当に刺激を受けます。
いま、なにかの目標がある人は、すごく共感すると思うし、
まだ目標もなくて、ふわっと生きているかもっていう人も、
感化されるものがあるはずです。
目標って大きすぎると漠然としてしまうけど、
「半年ごと」みたいに刻んでみると、
やるべきことが明確になったりしますよね。
この本といっしょに手帳を使って、
「この半年はこれをがんばろう」って
目指してみるのもいいかもしれないですね。

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with avec⑤
ジブリ作品や有名アニメの 壮絶な舞台裏
「作画汗まみれ」
大塚康生(文春ジブリ文庫)
スタジオジブリの宮﨑駿・高畑勲という
2大巨頭を影で支えていた超ベテランの作画監督、
大塚康生さんのエッセイ。
「ルパン三世」、「未来少年コナン」など
日本の誰もが知るアニメや映画の裏側について、
各作品ごとに詳しく書かれています。
「まんが道」もそうですが、マンガとかアニメのかたの
努力量って、桁が違うなと実感します。
あれだけの作品を作るには、
こんなに細かな努力の積み重ねが必要なんだな、と。
これからなにかに向かおうというときに読むと、 気合が入る一冊です。

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with avec⑥
自意識過剰な主人公が 若者たちの深い共感を呼ぶ
「グミ・チョコレート・パイン グミ編」
大槻ケンヂ(角川文庫)
「おれは他の人とは違う。きっと将来有名になるんだ」
って思っている高校生が主人公です。
憧れの女の子はどんどん女優として成功していくのに、
自分は何もできず、くだらない人間のままで‥‥という話。
ぼくは学生時代に読んでものすごく共感したんですが、
もしこの本と出会わなかったら、
もっとなにもしてなかったんじゃないかなと思うんです。
ぼくは、上を目指すためには、思い込みの激しさだったり、
自分を過大評価することも大切だと思っているんです。
勘違いでもいいから、自分はもっとできるとか、
自分がいる場所はここじゃないって思うことで、
人間は成長していけるんじゃないかなと。
この本も、なにかを目指してがんばりたいときに
励ましてくれる作品なんです。

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以上、手帳といっしょに持ちながら、
いまの自分を見つめ直せるような作品を選んでみました。
ぼく自身がそうなんですが、
手帳のスケジュールに何も入っていなかったりすると
「今日はこれしかしてないなあ」、
「この日は何もしなかったなあ」って
思ってしまうことがありますよね。
そういうときに、
「ああ、自分の目標はこうだったな」って
振り返ったり、立ち戻ったりする材料になれば
いいなと思います。

長谷川朗(はせがわあきら)
福岡県北九州市出身。
大学を卒業後、地元小学校での非常勤講師を経て
小説やアートの創作活動をしながら
ヴィレッジヴァンガードで働きはじめる。
正社員となって新潟店、高円寺店の店長を歴任し
2012年から下北沢店の次長として書籍部門を担当。
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