イタリアの工房で、
ひとつひとつ手作業でつくられる
アンリークイールの革カバー。
そのため、わずかしかご用意できず、
抽選販売になってしまうのですが、
毎年たくさんのかたが
このカバーをお求めくださいます。
2016年版は
「INTÈGRE(アンテグル)」と
「SPONTANÉ(スポンタネ)」。
ことしも素敵なカバーをつくってくださった
アンリ・ベグランさんに
あらためて
このカバーに込めた思いや
ふだんたいせつにしていることを
話していただきました。
いつものように、奥様のフミコさんに
同席いただいてのインタビューです。
- ――
- 今年もすてきな手帳カバーを、ありがとうございます。
- アンリ
- こちらこそ(笑顔)。
- ――
- アンリークイールの手帳カバーが
ほぼ日手帳のラインナップに加わって
7年になりますが、
アンリさんご自身はこの道のりを
振り返ってどう思われますか?
- アンリ
- 初めて糸井さんと会ったとき、
私の仕事をとてもよく理解してくれていたことが
印象に残っています。
一つひとつ手でつくる、
その重要性を知ってくれていた。
だから、わたしも毎年ゼロから
手帳カバーづくりをスタートできる。
それは自分にとっても、いいことです。
- ――
- 今回、手帳カバーの名前を
オリジナルは
「INTÈGRE」
(清廉な、誠実な、まっとうな、という意味)、
カズンは
「SPONTANÉ」
(率直な、気の向くままに、自然に、という意味)
とつけていただきましたね。
- アンリ
- シンプルなもののなかに、豊かさがあります。
- フミコアンリさんの
奥様
- それがアンリがものをつくるときの
キーワードなんです。
- アンリ
- ものをつくるということの、
その根源を大切にしたいんです。
革の素材や、しおりに使ったトンボ玉は、
シンプルで豊かなものです。
私がつくるものはいつも
INTÈGREであり、SPONTANÉであるということです。
- ――
- ふたつとも、
アンリさんがものをつくるときの
たいせつなキーワードというわけですね。
- アンリ
- そう。
数よりも、クオリティ。
- ――
- クオリティ。
- アンリ
- たとえば、アンリークイールで
いちばん多く使われている革は
栗のタンニンで染めています。
大きい樽に革を入れて何十回も回して染めるんです。
気が遠くなるような作業ですが、
それによって中まで色が浸透します。
- アンリ
- 私だけでなく工房の職人たちもみんな、
一人ひとりが自分のベストを尽くしてつくります。
そうやっていろんなひとの手を通ったものには
力が込められていると思います。
たとえば、アンリークイールの
色もサイズも同じ手帳カバーを10個並べたとしても、
みんな一人ひとり
「あ、これが一番いいな」、「私はこっちが一番好きだな」
と思うのではないでしょうか。
同じものでも、違いがある。
- ――
- 確かに。
アンリさんがおっしゃることは、
このカバーを手にするとわかります。
あらゆる部分に、職人さんの手で
ていねいな仕事がなされた跡がありますね。
- アンリ
- この前、アンリークイールの商品を
買ってくださったかたを対象に、
商品が入っているリネンの袋に私が絵を描く、という
イベントを行ったんです。
その様子をじっと見ていたお年寄りの方が
「アンリさんって、毎回自分のベストでやってますよね」
と声をかけてくださいました。
- フミコ
- ぜんぶで6、70人のかたに
ひとつひとつ描いてさしあげたんですけども、
アンリはぜんぶ違うイラストを描いたんです。
ひとつずつメッセージも添えたりして。
それを見ていたかたが
「昨日も見に来たけれど、
本当に毎回全精力を傾けているね」って。
アンリはそうしようと意識しているわけではないけれど、
自然とそうなってしまう。
- アンリ
- こんなに遠い国に来て、こんなに違う文化の人に会っても、
自分がやっている仕事をわかってくれている。
それはとてもうれしいことです。
私がつくるものは、
みんながみんな簡単に買えるような値段ではないけれども、
気に入ってくださるかたは、
これがどこにでもあるものではないとわかってくれます。
- ――
- ほぼ日手帳は、
その人の人生や生活を丸ごと書けるようにと、
「LIFEのBOOK」というテーマを掲げています。
アンリークイールのカバーは
長い年月をかけて革が変化して育ってゆく。
まさに「LIFEのBOOK」にぴったりのカバーですね。
- アンリ
- うん、とってもマッチしますね。
私はいつも、
自分がつくったバッグを買ったマダムが
その中に何を入れてくれるかを想像するんです。
もちろん便利なものも入れているだろうけど、
きっとじっくり時間をかけて選んだたいせつな日用品や、
誰か大切な人にもらったものも入れてるんじゃないかって。
同じようにほぼ日手帳のことも想像してみましょう(笑)。
……真剣に考えたことや興味のあること、
好きな人の連絡先や、美味しいレストランの名前。
そんなものが書かれているのではないでしょうか?
- ――
- そうであればすてきです。
今年のカバーは刺繍が復活しましたし、
変わらないものを大切にしながら、
少しずつ変化しているのも
うれしいポイントです。
- フミコ
- 最近、アンリは新たに
いつも使っているナチュラルな革の上に、
糊で色を乗せることを楽しんでいるんです。
赤や青、緑など、
これまでになかったあざやかな色を。
これがもしうまくいけば、
新しい商品になるかもしれません。
- アンリ
- これは新しいチャレンジだから、内緒でね(笑)。
-
犬や草木、花、自転車、
馬に乗った人など、
キュートな刺繍は
もちろん手仕事。
-
しおりに使われている
練りガラスのトンボ玉は、
500年以上前につくられた
アンティーク。
-
開け閉めするたびに
革が滑る感触が心地いい
ベルトの内側には、
ペン差しが。
-
すべて「アンリークイール」の
ロゴが入った
リネンの袋に入れて
お届けします。
アンリークイールの手帳カバー
「INTÈGRE」と「SPONTANÉ」は
抽選販売の商品です。
詳細は各ページをごらんください。
抽選受付期間:2016年2月1日(月)11:00〜15日(月)11:00
アンリークイールのカードケース、ドキュメントケースは
抽選販売ではなく、数量限定での販売となります。
2015-08-28-FRI