2月に実施した
「世界の伝統柄ワールドツアー」。
「ほぼ日手帳2010」からスタートした
「世界の伝統柄」シリーズ全14種から
もっとも票を集めた手帳カバーを復刻する、
というこの企画に
なんと6,248通もの投票をいただきました。
ほんとうにありがとうございました。
「世界の伝統柄」のデザインを担当している
佐藤卓デザイン事務所のデザイナー
日下部昌子さんをおむかえして、
「世界の伝統柄」復刻チームの
おおにしシオリツルキとともに
それぞれのカバーの思い出を振り返りながら
上位3位を発表します。

ツルキ
今日は「世界の伝統柄」シリーズの
復刻デザインを発表するにあたり、
これまでのすべての「伝統柄」を
デザインしてくださった
日下部昌子さんに来ていただきました。
日下部
よろしくお願いします。
こうやってカバーが一堂に会しているのを
見るのは初めてなので、
ちょっと感慨深いですね(笑)。
おおにし
今回はなんと6,000人を超える方が
投票してくださったんですよ!
日下部
そんなに!
シオリ
海外のかたからもたくさん
反響をいただきました。
日下部
すごい。うれしいですね。
ツルキ
「『世界の伝統柄』シリーズは
世界を身近に感じられて好き」、
「発売当時に買い逃してから
ずっとほしいと思っていました」
など、
14種類それぞれに熱いコメントをいただきました。
投票してくださったみなさま、
ほんとうにありがとうございます!
というわけで、上位3位を発表したいと思います。
全員
ワー!(拍手)
ツルキ
まず第3位は、
ツルキ
です!
「どの季節にも合いそう」
「ネイビーと赤の色使いがいい」
「とにかく馬の刺繍がかわいい!」

という意見をいただきました。
日下部
「世界の伝統柄」シリーズは
それまですべて
シンプルなプリントカバーだったんです。
それが「ダーラナの春」ではじめてプリントと
刺繍を組み合わせるという
凝ったことができたのは大きかったですね。
おおにし
たしかに、内側も合皮ですし、
それまでの「伝統柄」シリーズから
大きく進化したカバーという感じがします。
ツルキ
うんうん。
では、第2位を発表します。
第2位は
「シンプルで
飽きのこないデザインだと思う」
「しおりのビーズに一目ぼれしました」
「ギリシャの空気感が
よく出ていてすてき」

という意見をいただきました、
ツルキ
です!
日下部
おおー。
ツルキ
これ、「伝統柄」と言いつつ、
景色をカバーにしているのがすごいですよね。
日下部
景色を「伝統柄」と言ってしまった(笑)。
おおにし
この柄について印象に残っていることはありますか?
日下部
この前の年にいろいろとスケッチしたなかに
ミコノスの景色があったんです。
そのときはうまくまとめられなかったけれど、
面白そうだから
もう少しチャレンジしてみようと思って、
ギリシャの風景の写真集などを観て、
こういう形に変換してみました。
ツルキ
一見、白地にカラフルな四角が
並んでいるだけなのに、
「窓」と認識すると急に景色に見える。
そこが面白いですよね。
シオリ
生地自体は布なのに、
漆喰っぽい白の質感とか、
色の部分のペンキのような感じも珍しいですしね。
日下部
生地の選定や色の乗せ方も
ほぼ日の皆さんと一緒に
試行錯誤してつくったカバーです。
ツルキ
凝ったカバーが続きましたね。
では、いよいよ第1位を発表します。
2位と僅差で第1位に輝いたのは‥‥
ツルキ
です!
全員
ワー!(拍手)
ツルキ
「刺繍もリネン生地もタッセルも
好みです!」
「指先でさわってみたい手帳カバー」
「素朴さのなかに刺繍が映えていて
すてき」

と意見をいただきました。
「発売当時に買わなかったことを
後悔しています」

という声もたくさんありました。
日下部
いちばん凝ったつくりのカバーですね。
ツルキ
確かに、全面に刺繍がほどこされていますし、
バタフライストッパーにも柄が入っている。
日下部
当時の資料を持ってきたんですけど‥‥。
おおにし
きれい!
日下部
ウクライナの刺繍柄というと
一般的にはカラフルなイメージが強いんですが、
探してみると単色のシックな刺繍もあったので、
これを活かそうと思ってつくりました。

でも、黒の刺繍のまま手帳カバーに使ってしまうと
4月はじまりの「spring」なのに
春らしさが欠けるかな、とネイビーにしてみました。
おおにし
これが試作のデザインですね。柄が細かい!
シオリ
かわいいですね。
日下部
刺繍はすきまのない、
厚盛りの感じが重要だと思っていたので、
何度か試作していただきました。
「ウクライナの花」は「ダーラナの春」の翌年に
つくったカバーなんですが、
「ダーラナの春」でかなり自由に
つくらせてもらった経験をふまえて、
さらにいろんなことができたカバーですね。
シオリ
この結果、日下部さんの予想とは
合っていましたか?
日下部
歴代のカバーのなかでも
発売当時に「すごい人気です」という反響を
うかがったのが
「インディアーナだったんです。
その印象が強かったので、
なんとなく「『インディアーナ』が上位かな」と
思ってました。
シオリ
残念ながら上位3位には入りませんでしたが、
インディアーナにも
たくさん投票いただきました。
日下部
わたし、実は自分でもこっそり投票しようかと
思ってたんです(笑)。
投票するとしたら、
「ウクライナの花」か、
「ミコノスの窓」にしたと思います。
おおにし
おお、実際の順位と一緒!
ツルキ
というわけで、改めて発表いたします。
「ほぼ日手帳2017」で復刻する伝統柄は
「ウクライナの花
に決定しました。
全員
ワー!(拍手)
ツルキ
「ウクライナの花」に投票いただいたみなさま、
楽しみにしていてください。
その他のカバーに投票してくださったかたからも、
熱いご意見をたくさんいただきました。
本当にありがとうございました。
シオリ
どのカバーにもそれぞれ思い入れがあるけど、
いろんな工夫をしたり、
手間暇かけたものが
人気を集めているのはうれしいですね。
おおにし
日下部さんが「伝統柄」シリーズをつくるとき、
いちばん大切にしているのはどんなことですか?
日下部
毎回、いろんな伝統柄を探していくなかで、
古くから残り続けてきたモチーフには
必ずなにか人々の心を支えるような意味が
込められているんです。
カバーにふさわしい素材を探すときには、
単純にかわいい、美しいというだけでなく、
深い意味の込められたモチーフを
探すようにしています。
シオリ
「ウクライナの花」のバタフライストッパーも
「運を切り開く」という意味が
込められた刺繍が元になっているんですよね。
日下部
そうなんです。
「ウクライナの花」の発売当時は
そういう意味の説明も紹介してくださったり、
実際にウクライナの刺繍マスターに
インタビューする記事をつくってくださったり

コンテンツでも盛り上げてくださったのが
印象的です。
ツルキ
こうしてこれまでの
「世界の伝統柄」シリーズを見てみると、
実際の伝統柄がカラフルなものでも、
落ち着いた色の組み合わせになっていたり、
ワントーンでまとめられていたりと、
さまざまな工夫が感じられますね。
日下部
そこがけっこう大切なところなんです。
そのままの柄を落とし込むと、
現地のお土産もののように見えてしまったりして、
カバーが使う人を選んでしまいかねない。
それよりも、毎日手に取るものとして
異国情緒を感じて楽しい気持ちになったり、
少し前向きになったりという部分を
たいせつにしています。
おおにし
たしかに今までのものも、
アジアの柄なのに北欧風にも見えたり、
アフリカの柄なのに和の雰囲気もあったりして、
楽しいですね。
ツルキ
読者の方に投票いただくときに、
「今後つくってほしい伝統柄は?」という
アンケートを実施したら、
いろんな意見をいただきました。
今後の参考にさせていただきたいと思います。
そのなかに、「日本の柄」というリクエストも
多くありました。
日下部
そうですよね、
日本にもたくさんの伝統柄がありますもんね。
シオリ
でも、その中からどの柄を選ぶかを考えると、
世界の柄よりも難しいかも。
日下部
アレンジもどうしたらいいのか‥‥。
でも、ちょっと考えてみます。
おおにし
「日本の柄をセレクトするなら、
2020年でしょうか」
という意見もありました。
ツルキ
オリンピックイヤー!
じゃあ‥‥東京の柄?
おおにし
スクランブル交差点?
シオリ
浅草の絵とか‥‥?
ツルキ
いかにもお土産ものっぽい(笑)。
「ほぼ日手帳2017」では
また新たな「伝統柄」カバーの製作も
日下部さんと進めているので、
こちらも皆さんにお見せできるのが楽しみです。
今日はありがとうございました!
日下部
ありがとうございました!

2016-3-31-THU


        「世界の伝統柄」シリーズ復刻版「ウクライナの花」は
        2016年9月1日に発売予定です。
        なお、「ウクライナの花」に投票いただいた方の中から
        カバー&本体プレゼントにご当選された方には、
        4月中にメールにてご連絡いたします。
        どうぞお楽しみに。