<予定帳ではなく、”TECHO”である。>
			Not really a planner,
			it’s a TECHO.
			リンジーとダンに聞いた、
			アメリカ視点で見た「ほぼ日手帳」
((3)Daily quotes and Tomoe River paper.「日々の言葉」と「トモエリバー」。
ほぼ日
ほぼ日手帳の特徴の一つとして
「日々の言葉」があると思うのですが、
アメリカではどう受け取られていますか?
リンジー
わたしの印象だと、
ほとんどの人は大好きだと思う。
というのも、多くの人が
「英語版のカズンが出てほしい」
と言っているから。
そして、みんなが言う理由は
quotes(日々の言葉)が読みたいから」
なんだよね。
ほぼ日
なるほど。日本語版だと読めないから。
リンジー
あと、実際にとてもいいquotesだし。
わたしはこのquotesが、
この手帳に個性を与えてると思う。
この言葉があることで、
手帳が自分の仲間みたいになるんだよね。
自分に語りかけてるみたいに思えるから。
ダン
あと、ページに書かれているquotes
関連したその日の出来事を書いたり、
読んで思ったことを書いたりするよね。
リンジー
そう、たとえばその日の出来事が
その日のquotesに関係していたら
「そう、その通り!」みたいに
すごく感動するんです。
そういうことって嬉しいんです。
ダン
で、ちょっと助けてもらったら
その日がいい日になる。
ほぼ日
たしかに。
リンジー
あと、短くてシンプルなのもいいよね。
長いと本になっちゃうから。
ダン
それとぼくは、みんながquotesを好きなのは
それが「自分たちと違う視点のもの」
というところにもあると思う。
日本のクリエイティブから受ける言葉って、
ふだん接しているものとはまったく違うから。
リンジー
そう、みんなにとって、
ここのquotesはすごく新しいんです。
語り手もほとんど日本人で、視点がぜんぜん違う。
みんな、そこが好きなんだよね。
ダン
そう、そこがいい。
考え方がぜんぜん違うんだもの。
もしここに書かれているのが
すでに有名な誰かの言葉とかだったら
「これ古いよ」とかなるから。
だけど、ほぼ日手帳のquotes
すごくフレッシュ。だからおもしろい。
ほぼ日
手帳に使われている「トモエリバー」は
アメリカだとどんなふうに受け取られてますか?
日本でも人気の紙ですけど。
ダン
この紙はアメリカにはないよね。
すごく珍しい。
リンジー
だから「この手帳のどこが好き?」と聞くと
けっこう多くの人が
I love the paper.」って言うよ。
弱そうに見えるのに、書くと丈夫でしょ?
みんな「こんなに強度があるんだ」って
びっくりする。
ダン
「こんなに薄いのに、裏抜けしないんだ!」
It doesn’t bleed through to the other side.
とかって。
リンジー
でも見た目は薄いから、人によっては
最初「この紙が好きじゃない」と言うんです。
あまりにペラペラで頼りないって。
だけど使ってみると、強度もあるし、
文字も書きやすいし、
すごくいい紙ということがわかる。
「わぁ、信じられない。ほんとに、ほんとに良いね」
って、みんな感動するんです。
こんな紙、すごく見つけにくいから。
とくに万年筆を使う人たちは
the Tomoe River paper」大好き。
ほぼ日
あ、「the Tomoe River paper」って呼ぶんだ。
リンジー
そうですね、わたしたちは
そういう言い方をしています。
ただ、ほとんどの人は知らないから、
説明するときには
「この手帳はトモエリバーという紙を使ってます。
とても薄くて、ペンによく合う特殊な紙です」
It uses Tomoe River paper, which is a very special paper designed to keep the book thin. It handle pens very well.
とか言ってる。
ほぼ日
なるほど。
リンジー
そうだ。みんながこの手帳を好きなのは、
365日分のページがあるのに、
薄くて軽くて持ち運びやすいことですね。
アメリカのplannerとはぜんぜん違う。
ダン
アメリカだとときどき、びっくりするほど重い
ビッグサイズのplannerがあるんです(笑)。
3穴バインダーのものとか。
リンジー
そう(笑)。
ダン
アメリカだとみんなそういう、
ほんとに分厚いものを使ってたりする。
だからみんな、plannerと聞くと
そういうバインダータイプの
大きくて重いものを思い浮かべる。
リンジー
ほぼ日手帳は本みたいな造りだけど
そういうことも、すごく新しい。
使ったあと本棚に立てられるところも新鮮。
だからわたしは説明するときに
TECHOってすごくて、使い終わったあとで
本棚にも置けるんだよ」
と言ったりもします。
ほぼ日
わぁ、そっか。国によって違いますね。
ちなみに英語で
バタフライストッパーのこととか、
「180度ひらく」って、
どう言えばいいんでしょう?
リンジー
バタフライストッパーは
pen holderでいいと思う。
「その2つのペンホルダーに1本のペンを挿すと
カバーを閉じられるよ」とか。
You put one pen in the 2 pen holders to keep the cover shut.
ほぼ日
あ、わかりやすい。そうですね。
ダン
あと、pen loopsと言ってもいい。
「カバーを閉じられるペンループが付いています」
It has pen loops that keeps the cover shut.
みたいに。
リンジー
「180度ひらく」は、
こんなふうに言えば大丈夫。
「この手帳は開いたときに
完全にフラットな状態になります」とか。
The book lays totally flat when you open it.
「ページを押さえる必要がありません」とか。
You don’t have to push down the pages.
ほぼ日
「ほぼ日刊イトイ新聞」については
リンジーはどう説明してますか?
リンジー
つまり「ほぼ日」の会社について?
わたしだったら、その説明は
It’s like an online magazine
(オンラインマガジンのようなものです)
からはじめるかな。
そして手帳とからめて、こんなふうに言うと思う。
Hobonichi is an online magazine with
free content and articles. They use these
articles when collecting the quotes on the bottom.

(「ほぼ日」はさまざまな記事を
自由に読めるオンラインマガジンです。
彼らはその掲載記事のなかから
手帳の「日々の言葉」を集めています)

そしてわたしが言うといいなと思うのは、
「『ほぼ日』は手帳専門メーカーではありません」
Hobonichi is not a professional planner maker.
ということかな。
手帳メーカーだから作ってるわけじゃなくて、
自分たちが使いたいから手帳を作ってる。
だから「ほぼ日」のみんなだったら、
こんなふうに言うといいかもしれない。
「『ほぼ日』は手帳メーカーではないけれど、
 自分たちがほしいと考える
 使いやすくてすてきなデザインの手帳を
 製造販売している会社です」とか。
Hobonichi is not usually a planner maker,
but we wanted to make something that’s easy to use,
so we designed our own.
ほぼ日
ここ数年、ほぼ日では手帳のことを
LIFEBOOK」という言葉で
説明しているんだけど、
それはどう? 英語にできる?
ダン
うん、その言葉もいいよね。
そして英語でもそのまま
LIFE BOOK」と言えば伝わるよ。
リンジー
LIFE BOOKのようなもの」と言うのは
ほぼ日手帳のひとつの説明方法ですね。
ただ「LIFE BOOK」だけだと
もうちょっと説明がほしいから、
「思い出を保管したり、
忘れたくないことを書いたり、
写真やレシート、チケット、
友達からのメモなどを貼れる
LIFE BOOK
It’s a life book where you can write down
your memories or stick photographs,
receipts or notes from friends.

みたいに言うといいかもしれない。
「いろいろな使い方ができるLIFE BOOK
というか。

(つづきます)

2016-11-10-TUE