- ほぼ日
- アメリカでもいまは、
予定管理にスマートフォンを
使っている人が多いんでしょうか?
- リンジー
- うん、いまはどこでもみんな
スマートフォンを使ってると思う。
とくに予定やTO DOリストは
スマートフォンに入れている人が多いよね。
やっぱり10年前とかに比べると、
plannerを見かけることが減った気がする。
- ダン
- だけど、個人的な感覚だと、
このところplannerを使う人の数が
増えてきてる気もする。
数年前より確実に見る気がするし。
スマートフォンのカレンダーも使うけど、
同じ予定を手帳に書き写しておくと
やっぱり便利だから。
なんだかんだみんな、
「紙は便利」ということに
気づきはじめてるんじゃないかな。
- リンジー
- たしかにみんな
スマートフォンを使ってるけど、
そこに、ほぼ日手帳みたいに
落書き、チケット、日記などをなんでも
入れられるわけじゃない。
思い出をとっておくのには、紙がいるんだよ。
同じことをスマートフォンでやるのは
あまりに大変すぎる。
- ダン
- 思うに、スマートフォンで
そういうことをしようとするのに、
みんな疲れてきている気がするんだよね。
たとえば「リマインダー」にたどり着くために、
パスワードを入れて、
どこにリマインダーを入れたか探して、
だけど見つからなくて‥‥めんどうだよね。
- リンジー
- 大変だし、実際それは便利じゃない。
- ダン
- だから、いろいろ試してみたあとで
「ぜんぶスマートフォンに
まとめようと思っていたけど、
紙がやりやすいものは紙に戻ろう‥‥」
と選ぶ人が出てきてるんだと思う。
- リンジー
- 手帳って、ただそのまま
書けばいいだけだから楽なんだよね。
説明を読む必要もないし、
新しくなにかを覚えなくてもいい。
- ダン
- ぼくは、自分のほぼ日手帳に
何か描くとかはまったくしてなくて、
TO DOリストくらいしか書いてないけど、
でも、そういう使い方でも役立ってるよ。
- リンジー
- あと、おもしろいのは、
plannerを使う人とほぼ日手帳を使う人は
ぜんぜん別、というところ。
「わたしはplannerは使わない」と
宣言しているような人が、
ほぼ日手帳は使っていたりする。
- ダン
- そう、自分がplannerを使うなんて
思ったこともないような人たちが
たくさんほぼ日手帳をやってるよね。
- リンジー
- うん、ほぼ日手帳は
plannerを使わない人でも使う。
わたしも、ほぼ日手帳を使い始める前に
plannerをまったく使ってなかったから
なんとなく感覚はわかる。
ほぼ日手帳って、真剣な趣味のように
毎日やらなきゃいけないものじゃなくて、
すごく自然に自分の人生に
寄り添ってくれるところがポイントじゃないかな。
- ダン
- 使うのに、自分の人生を変える必要がない。
- リンジー
- そうなんだよね。
ただ、そのままの自分のLIFEを
記録しているだけだから。
- ほぼ日
- ちなみに、リンジーが
ほぼ日手帳の仕事をするようになって
気づいたことって、なにかありますか?
- リンジー
- 驚いたのは、日本以外の人たちは
それぞれ別のかたちで
手帳を使うんじゃないかと思ってたけど、
実際にはみんな、日本の人と同じ感じで
ほぼ日手帳を使っていたことかな。
それは、本当にびっくりした。
だって、それぞれ違うライフスタイルで、
違うパーソナリティーの人たちだから。
- ほぼ日
- そうですね。
- リンジー
- だけどみんな、直感的に
「この手帳は自分の仲間のようなものだ」
と感じて、みんながみんな、
それぞれ使いたいように使ってる。
そしてみんな、
「日本の人たちの使い方を見たい」
と言って、わたしも紹介したりするんだけど、
とくに海外と日本の人で違いはないんです。
そこはほんとにびっくりした。
だから思うのは、
ほぼ日手帳ってこんなに説明が難しいものなのに、
たぶん、どこの国の人かに関係なく
「みんなが理解できるなにか」なんだよね。
感覚がユニバーサルというか、
「ひとつのユニバーサルなアイデア」
なんだと思う。
- ほぼ日
- へぇー!
- ダン
- 直感的な製品だよね。
- リンジー
- そうだね、ほぼ日手帳はすごく直感的だと思う。
- ほぼ日
- うわぁ、いい話。聞けてうれしい(笑)。
- リンジー
- (笑)。
- ほぼ日
- さいごに、リンジーやダンが手帳について
海外のユーザーの人たちから
よく聞かれる質問ってありますか?
- ダン
- 「どのサイズを選べばいいの?」はあるね。
- リンジー
- うん、ほんとうによく聞かれる。
だけど、すごく難しいんです。
一般的なアメリカのplannerは
カズンと同じくらいのサイズだから、
みんな最初はオリジナルを見て
「この手帳、小さすぎる」って言うのね。
だけど、実際に使い始めると
「‥‥このサイズ、完璧」って言うんです。
- ほぼ日
- 日本だとオリジナルでも
「重すぎる」と言われることがあるけど。
- リンジー
- それはきっとアメリカだと言われない。
だって、こんなに小さな手帳、
見たことがないもの(笑)。
- ダン
- アメリカだともっと重いし、
ぜんぶすごくでっかい(笑)。
だから「え、軽い!」ってびっくりする。
- ほぼ日
- 毎年のほぼ日手帳の
いろいろなデザインのなかで、
「アメリカではこれが人気」とかって
ありますか?
やっぱり「MOTHER」?
- リンジー
- もちろん「MOTHER」は人気。
というのも、糸井さんのファンは
ほぼ日手帳に出会う可能性が高いから。
だけど、そういうファンの人を除けば、
かわいいデザインのものが人気だと思う。
‥‥というのも、アメリカで
ほぼ日手帳を使っているのは、
ほとんどが女性だから。
- ほぼ日
- なるほど。
- リンジー
- あと、日本っぽいものは人気かな。
「ミナ ペルホネン」のものとか。
- ほぼ日
- 「ミナ ペルホネン」は日本らしいんだ。
- リンジー
- うん、そう思います。
どう説明したらいいのかわからないけど。
- ダン
- アメリカの手帳って、
シンプルな革のものになりがちなんです。
だから「ARTS&SCIENCE」とかは
すごくアメリカっぽい。
- リンジー
- うん、革のplannerは基本的に人気だし、
革カバーはすでにたくさんあるよね。
だけど、日本っぽさは感じない。
- ダン
- みんな、ほぼ日手帳については
「自分たちにとって新しい」という部分まで含めて
おもしろがってると思う。
だから、日本のquotesであるとか、
日本のデザインだとか。
ある種、そういった「日本らしいもの」に
とびこみたい気持ちもあるんじゃないかな。
- リンジー
- それはあると思う。
みんな日本のスタイルが好きで、
そういうのがより好まれる。
そういう意味で、
「Hobonichi Techo Planner」の巻末にある
日本の文化を紹介するページも
すごく喜ばれてる感じがある。
あれはすごくいいアイデアだと思う。
- ほぼ日
- そっか。なるほど。
- リンジー
- だけど、みんな同時に
日本語版のおまけページも欲しがってて、
「Gifts」のページとかも
「いいなあ!」って言ってるんです。
だから、わたしのひそかな目標は、
英語版のダウンロードページを
作ることなんですけど。
- ほぼ日
- あ、それ、いいなあ。
- リンジー
- いいですよね。
作れたりするものですか?
- ほぼ日
- たぶん、できると思います。
‥‥ちょっとみんなに相談してみますね。
(リンジー、ダン、ありがとうございました!)
2016-11-11-FRI