<予定帳ではなく、”TECHO”である。>
			Not really a planner,
			it’s a TECHO.
			リンジーとダンに聞いた、
			アメリカ視点で見た「ほぼ日手帳」
(4)A universal idea. ひとつのユニバーサルなアイデア。
ほぼ日
アメリカでもいまは、
予定管理にスマートフォンを
使っている人が多いんでしょうか?
リンジー
うん、いまはどこでもみんな
スマートフォンを使ってると思う。
とくに予定やTO DOリストは
スマートフォンに入れている人が多いよね。
やっぱり10年前とかに比べると、
plannerを見かけることが減った気がする。
ダン
だけど、個人的な感覚だと、
このところplannerを使う人の数が
増えてきてる気もする。
数年前より確実に見る気がするし。
スマートフォンのカレンダーも使うけど、
同じ予定を手帳に書き写しておくと
やっぱり便利だから。
なんだかんだみんな、
「紙は便利」ということに
気づきはじめてるんじゃないかな。
リンジー
たしかにみんな
スマートフォンを使ってるけど、
そこに、ほぼ日手帳みたいに
落書き、チケット、日記などをなんでも
入れられるわけじゃない。
思い出をとっておくのには、紙がいるんだよ。
同じことをスマートフォンでやるのは
あまりに大変すぎる。
ダン
思うに、スマートフォンで
そういうことをしようとするのに、
みんな疲れてきている気がするんだよね。

たとえば「リマインダー」にたどり着くために、
パスワードを入れて、
どこにリマインダーを入れたか探して、
だけど見つからなくて‥‥めんどうだよね。
リンジー
大変だし、実際それは便利じゃない。
ダン
だから、いろいろ試してみたあとで
「ぜんぶスマートフォンに
まとめようと思っていたけど、
紙がやりやすいものは紙に戻ろう‥‥」
と選ぶ人が出てきてるんだと思う。
リンジー
手帳って、ただそのまま
書けばいいだけだから楽なんだよね。
説明を読む必要もないし、
新しくなにかを覚えなくてもいい。
ダン
ぼくは、自分のほぼ日手帳に
何か描くとかはまったくしてなくて、
TO DOリストくらいしか書いてないけど、
でも、そういう使い方でも役立ってるよ。
リンジー
あと、おもしろいのは、
plannerを使う人とほぼ日手帳を使う人は
ぜんぜん別、というところ。
「わたしはplannerは使わない」と
宣言しているような人が、
ほぼ日手帳は使っていたりする。
ダン
そう、自分がplannerを使うなんて
思ったこともないような人たちが
たくさんほぼ日手帳をやってるよね。
リンジー
うん、ほぼ日手帳は
plannerを使わない人でも使う。
わたしも、ほぼ日手帳を使い始める前に
plannerをまったく使ってなかったから
なんとなく感覚はわかる。

ほぼ日手帳って、真剣な趣味のように
毎日やらなきゃいけないものじゃなくて、
すごく自然に自分の人生に
寄り添ってくれるところがポイントじゃないかな。
ダン
使うのに、自分の人生を変える必要がない。
リンジー
そうなんだよね。
ただ、そのままの自分のLIFE
記録しているだけだから。
ほぼ日
ちなみに、リンジーが
ほぼ日手帳の仕事をするようになって
気づいたことって、なにかありますか?
リンジー
驚いたのは、日本以外の人たちは
それぞれ別のかたちで
手帳を使うんじゃないかと思ってたけど、
実際にはみんな、日本の人と同じ感じで
ほぼ日手帳を使っていたことかな。
それは、本当にびっくりした。
だって、それぞれ違うライフスタイルで、
違うパーソナリティーの人たちだから。
ほぼ日
そうですね。
リンジー
だけどみんな、直感的に
「この手帳は自分の仲間のようなものだ」
と感じて、みんながみんな、
それぞれ使いたいように使ってる。

そしてみんな、
「日本の人たちの使い方を見たい」
と言って、わたしも紹介したりするんだけど、
とくに海外と日本の人で違いはないんです。
そこはほんとにびっくりした。

だから思うのは、
ほぼ日手帳ってこんなに説明が難しいものなのに、
たぶん、どこの国の人かに関係なく
「みんなが理解できるなにか」なんだよね。

感覚がユニバーサルというか、
「ひとつのユニバーサルなアイデア」
なんだと思う。
ほぼ日
へぇー!
ダン
直感的な製品だよね。
リンジー
そうだね、ほぼ日手帳はすごく直感的だと思う。
ほぼ日
うわぁ、いい話。聞けてうれしい(笑)。
リンジー
(笑)。
ほぼ日
さいごに、リンジーやダンが手帳について
海外のユーザーの人たちから
よく聞かれる質問ってありますか?
ダン
「どのサイズを選べばいいの?」はあるね。
リンジー
うん、ほんとうによく聞かれる。
だけど、すごく難しいんです。
一般的なアメリカのplanner
カズンと同じくらいのサイズだから、
みんな最初はオリジナルを見て
「この手帳、小さすぎる」って言うのね。
だけど、実際に使い始めると
「‥‥このサイズ、完璧」って言うんです。
ほぼ日
日本だとオリジナルでも
「重すぎる」と言われることがあるけど。
リンジー
それはきっとアメリカだと言われない。
だって、こんなに小さな手帳、
見たことがないもの(笑)。
ダン
アメリカだともっと重いし、
ぜんぶすごくでっかい(笑)。
だから「え、軽い!」ってびっくりする。
ほぼ日
毎年のほぼ日手帳の
いろいろなデザインのなかで、
「アメリカではこれが人気」とかって
ありますか?
やっぱり「MOTHER」?
リンジー
もちろん「MOTHER」は人気。
というのも、糸井さんのファンは
ほぼ日手帳に出会う可能性が高いから。

だけど、そういうファンの人を除けば、
かわいいデザインのものが人気だと思う。
‥‥というのも、アメリカで
ほぼ日手帳を使っているのは、
ほとんどが女性だから。
ほぼ日
なるほど。
リンジー
あと、日本っぽいものは人気かな。
「ミナ ペルホネン」のものとか。
ほぼ日
「ミナ ペルホネン」は日本らしいんだ。
リンジー
うん、そう思います。
どう説明したらいいのかわからないけど。
ダン
アメリカの手帳って、
シンプルな革のものになりがちなんです。
だから「ARTS&SCIENCE」とかは
すごくアメリカっぽい。
リンジー
うん、革のplannerは基本的に人気だし、
革カバーはすでにたくさんあるよね。
だけど、日本っぽさは感じない。
ダン
みんな、ほぼ日手帳については
「自分たちにとって新しい」という部分まで含めて
おもしろがってると思う。
だから、日本のquotesであるとか、
日本のデザインだとか。
ある種、そういった「日本らしいもの」に
とびこみたい気持ちもあるんじゃないかな。
リンジー
それはあると思う。
みんな日本のスタイルが好きで、
そういうのがより好まれる。

そういう意味で、
Hobonichi Techo Planner」の巻末にある
日本の文化を紹介するページも
すごく喜ばれてる感じがある。
あれはすごくいいアイデアだと思う。
ほぼ日
そっか。なるほど。
リンジー
だけど、みんな同時に
日本語版のおまけページも欲しがってて、
Gifts」のページとかも
「いいなあ!」って言ってるんです。

だから、わたしのひそかな目標は、
英語版のダウンロードページを
作ることなんですけど。
ほぼ日
あ、それ、いいなあ。
リンジー
いいですよね。
作れたりするものですか?
ほぼ日
たぶん、できると思います。
‥‥ちょっとみんなに相談してみますね。

(リンジー、ダン、ありがとうございました!)

2016-11-11-FRI