3鹿児島さんの小さなノート。
- ーー
- そちらは鹿児島さんのノートですか?
もしよければ何か
鹿児島さんのそういった文具の使い方を
教えていただけたらうれしいんですが‥‥。
- 鹿児島
- これは、ふだん持ち歩いている小さなノートですが‥‥。
いま見たら、千円札が何枚かと、
名刺、付箋、チョコレートのラベルなどが
はさまれてますね。
あと、これは台湾の地図。
- ーー
- わ、すごい‥‥。
- 鹿児島
- これね、台湾のホテルオークラで、
レストランスタッフの男の子がくれたものなんです。
日本語を勉強しているチンくんという子で
「良かったら使ってください」って、くれたんです。
この地図を出して一生懸命
「ホテルオークラがここで、リージェントがここで……」
って説明してくれて。
- ーー
- なんだかかわいい。
「ワンタンスープの店」とか。
- 鹿児島
- 休憩時間とかに一生懸命書いて、
日本人のお客さんに渡してるんだそうです。
しかも、1枚1枚ぜんぶ手書き。
別にそれで彼の給料が上がるわけでもないのに、
日本からのお客さんの役に立ちたくて、
書き続けてるんだそうです。
以来、ずーっと持ってます。お守り。
- ーー
- こんなのもらったら、ほんとうに嬉しいなぁ。
- 鹿児島
- あと、台湾のお茶屋さんの
おばあちゃんの名刺も入ってますね。
中国茶について教えてくれたおばあちゃん。
すごくかわいいかたで
「台湾茶は形式じゃないのよ。合理的なものだから」
って、いろいろ教えてくれたんです。
このお店のお茶、すごくおいしいんです。
あと‥‥これ、はいどうぞ
(ほぼ日の田中の手帳に、急にペタッとシールを貼る)。
- ーー
- ひゃあ、かわいい。
シールを貼ってもらうのって、
うれしいですね(笑)。
- 鹿児島
- これはキャンディショップ「パパブブレ」の、
福岡店限定パッケージを作ったときのシールですね。
あと、ぼくはよく、こういったノートに
付箋やマスキングテープを貼ってますね。
剥がせて、また貼れるところが好きなんです。
マスキングテープはたくさんストックがありますよ。
- ーー
- 中にはどんなことを書かれていますか?
- 鹿児島
- どうだろう、見せられるものあるかな‥‥。
どうでもいいことばっかり書いてます(笑)。
- ーー
- あ、絵が。
- 鹿児島
- これはデメニギスですね。
「デメニギスの絵を描こうかな」と検索したら
この文字が出てきて、
「漢字だったんだ!」と感動して書いたメモです。
デメニギスって魚、分かる?
頭頂部が半透明なんです。
半透明で、ちょんちょんって
目玉に見えるのが、実は鼻。
目玉は、ここの頭の中の器官。
中が目で、全体にあるのは鼻なんですよ。
- ーー
- ここが目?
- 鹿児島
- そう。深海魚だから、
上しか見なくていいんじゃないかな。
だけど、かわいいでしょう?
「何ですか、これ」って言われたら、
「知らないの? デメニギスだよ」
って言おうと準備してるネタですね(笑)。
- ーー
- 写真を撮ってもいいページはありますか?
- 鹿児島
- これはLAに行ったときに
回ろうと思っていた美術館ですね。
- ーー
- 絵に色が塗られていますが、
旅先にも色鉛筆を持って行ってますか?
- 鹿児島
- わりと持って行ってます。
急に仕事の話になったときに、
あると便利なんですよ。
「こんな色にします?」とか話せるから。
選抜して何本か持っていくこともあります。
- ーー
- わぁ、この絵もすてきです。
これはなんのメモですか?
- 鹿児島
- 地味ですけどね。
山の季語で、春は「山笑う」で、
夏が「山滴る(したたる)」、
秋が「山装う(よそおう)」、
冬が「山眠る」。
高校のときに習ったはずだと思いながら
「滴る」がすっかり抜けていたので、
忘れないように書いておきました。
‥‥そんなところかな。
- ーー
- ノートのお話まで聞けて嬉しかったです。
- 鹿児島
- 「鳥花柳」と「ネコスリー」、
たくさんの人に喜んでもらえるといいですね。
- ーー
- はい。今日はありがとうございました!
(おわります)