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LIFEのBOOK ほぼ日手帳

LIFEのBOOK ほぼ日手帳

「ほぼ日手帳2018」では、
陶器作家でありアーティストの
鹿児島睦(かごしま・まこと)さんと
ふたつの手帳カバーをつくりました。
オリジナル用の「鳥花柳(とりかりゅう)」と、
カズン用の「ネコスリー」。
どちらも眺めるたびにうれしくなる、
繊細な図柄のかわいい手帳カバーです。
完成したタイミングで手帳チームが
鹿児島さんの事務所をたずねたので、
その時のお話をご紹介します。

3鹿児島さんの小さなノート。

ーー
そちらは鹿児島さんのノートですか? 
もしよければ何か
鹿児島さんのそういった文具の使い方を
教えていただけたらうれしいんですが‥‥。
鹿児島
これは、ふだん持ち歩いている小さなノートですが‥‥。
いま見たら、千円札が何枚かと、
名刺、付箋、チョコレートのラベルなどが
はさまれてますね。
あと、これは台湾の地図。
ーー
わ、すごい‥‥。
鹿児島
これね、台湾のホテルオークラで、
レストランスタッフの男の子がくれたものなんです。
日本語を勉強しているチンくんという子で
「良かったら使ってください」って、くれたんです。
この地図を出して一生懸命
「ホテルオークラがここで、リージェントがここで……」
って説明してくれて。
ーー
なんだかかわいい。
「ワンタンスープの店」とか。
鹿児島
休憩時間とかに一生懸命書いて、
日本人のお客さんに渡してるんだそうです。
しかも、1枚1枚ぜんぶ手書き。
別にそれで彼の給料が上がるわけでもないのに、
日本からのお客さんの役に立ちたくて、
書き続けてるんだそうです。
以来、ずーっと持ってます。お守り。
ーー
こんなのもらったら、ほんとうに嬉しいなぁ。
鹿児島
あと、台湾のお茶屋さんの
おばあちゃんの名刺も入ってますね。
中国茶について教えてくれたおばあちゃん。
すごくかわいいかたで
「台湾茶は形式じゃないのよ。合理的なものだから」
って、いろいろ教えてくれたんです。
このお店のお茶、すごくおいしいんです。
あと‥‥これ、はいどうぞ
(ほぼ日の田中の手帳に、急にペタッとシールを貼る)。
ーー
ひゃあ、かわいい。
シールを貼ってもらうのって、
うれしいですね(笑)。
鹿児島
これはキャンディショップ「パパブブレ」の、
福岡店限定パッケージを作ったときのシールですね。
あと、ぼくはよく、こういったノートに
付箋やマスキングテープを貼ってますね。
剥がせて、また貼れるところが好きなんです。
マスキングテープはたくさんストックがありますよ。
ーー
中にはどんなことを書かれていますか?
鹿児島
どうだろう、見せられるものあるかな‥‥。
どうでもいいことばっかり書いてます(笑)。
ーー
あ、絵が。
鹿児島
これはデメニギスですね。
「デメニギスの絵を描こうかな」と検索したら
この文字が出てきて、
「漢字だったんだ!」と感動して書いたメモです。
デメニギスって魚、分かる?
頭頂部が半透明なんです。
半透明で、ちょんちょんって
目玉に見えるのが、実は鼻。
目玉は、ここの頭の中の器官。
中が目で、全体にあるのは鼻なんですよ。
ーー
ここが目?
鹿児島
そう。深海魚だから、
上しか見なくていいんじゃないかな。
だけど、かわいいでしょう?
「何ですか、これ」って言われたら、
「知らないの? デメニギスだよ」
って言おうと準備してるネタですね(笑)。
ーー
写真を撮ってもいいページはありますか?
鹿児島
これはLAに行ったときに
回ろうと思っていた美術館ですね。
ーー
絵に色が塗られていますが、
旅先にも色鉛筆を持って行ってますか?
鹿児島
わりと持って行ってます。
急に仕事の話になったときに、
あると便利なんですよ。
「こんな色にします?」とか話せるから。
選抜して何本か持っていくこともあります。
ーー
わぁ、この絵もすてきです。
これはなんのメモですか?
鹿児島
地味ですけどね。
山の季語で、春は「山笑う」で、
夏が「山滴る(したたる)」、
秋が「山装う(よそおう)」、
冬が「山眠る」。
高校のときに習ったはずだと思いながら
「滴る」がすっかり抜けていたので、
忘れないように書いておきました。
‥‥そんなところかな。
ーー
ノートのお話まで聞けて嬉しかったです。
鹿児島
「鳥花柳」と「ネコスリー」、
たくさんの人に喜んでもらえるといいですね。
ーー
はい。今日はありがとうございました!

(おわります)