111年間の大きな変化。
- ――
- 川村さん、はじめまして。
Twitterの投稿を拝見したら、
「ほぼ日手帳」を11年にわたって
使ってくださっているそうで。
- 川村
- よろしくお願いいたします。
そうなんです、もうずっと使っていて。
- ――
- 2007年からですもんね。
「ほぼ日手帳」を知ったきっかけは?
- 川村
- 最初は、ホリプロの女芸人を集めた
「お笑いジェンヌ」っていうグループがあって、
胡蝶蘭のあべこさんという先輩が
ネタ見せのときに手帳を持っていらして。
「その手帳かわいいですね」って言ったら、
「これ、すごくいいよ」って教えてくれたんですよ。
書くところがいっぱいあるし、
毎日ひとことが書いてあって楽しいし。
私、そのあとすぐ渋谷に買いに行ったんです。
- ――
- わあ、ありがとうございます!
11年前というと、
今とは仕事の状況も変わっていますよね。
- 川村
- 昔の手帳を見ていたら、
バイトのシフトがいっぱい書いてあって。
21時-26時、22時-26時、17時-22時とか。
今は、ありがたいことに
お仕事の予定を書けています。
当時は、ごっちゃごちゃ鉛筆で書いてました。
本当に、バイトばっかりしてたなあ。
- ――
- バイトのほうが忙しかったんですね。
- 川村
- バイトの掛け持ちをしていて、
新井薬師の焼き鳥屋さんと、
新井薬師のスナックで。
- ――
- ふたつのバイトを掛け持ちして、
もちろん、本業のお笑いもあって。
- 川村
- それはそれで楽しかったですけどね。
とにかく一生懸命バイトして生活費を稼いで、
ネタ見せに行っていました。
明日のオーディションに行くための
お台場への交通費がない! ってなったら、
日払いで5000円もらえるスナックでバイトして。
「ちょっと今日、シフト入れてもらえませんか?」
とお願いして、5000円を持ってお台場へ。
- ――
- ああ、そんな時代があったんですね。
- 川村
- いや、もう全然ありました。20代の頃ですね。
スナック「クオリティ」っていう名前で。
クオリティが高いか低いかは言ってません(笑)。
- ――
- クオリティ、いい名前ですねえ。
芸人さんとしてのお仕事が忙しくなったのは、
「めちゃイケ」のレギュラーに
選ばれたことがきっかけなんでしょうか。
- 川村
- お仕事をいただくようになったのは、
本当に「めちゃイケ」からですね、
2010年の10月末から、
少しずつ変わっていった感じです。
私自身の変化は特にないんですけど。
- ――
- 手帳に書いている内容も見返すと、
けっこう懐かしいんじゃないですか。
- 川村
- はい、懐かしいですね。
取材のお話をいただいてから、
去年のきょうは何してたのかなって見ました。
「あっ、静岡にロケ行ってたんだなー」とか、
めちゃくちゃ読んじゃいますね。
私、こんなことを思ってたんだなと思って。
あだ名で人のことを書いたりしてるので、
昔の手帳は、誰のことを書いてあったのか
わからなかったりします。
「どんぐりさん」って誰だろう、みたいな。
- ――
- 呼び方は変わったりもしますもんね。
でも、10年前の川村さんが、
手帳の中にいるんでしょうね。
- 川村
- 当時の私、すっごいボロボロです。
2007年なんて、スケジュールを書いた上から
ぐちゃぐちゃって消しちゃってますし。
ちょっと病んでたのかな、
いろいろ書いてあるもん‥‥。
ああー、辛かったんだろうなぁ。
- ――
- その頃に何かあったんでしょうかね。
スケジュールのほかに
必ず書いていることってありますか。
- 川村
- 映画や舞台を観に行ったら、
感想を書いていたりするかなあ。
あと、おいしかったお店とか、
この日にこんなことをしたっていうことも。
えーと、今日が9月14日だから、
2011年の9月14日を見てみると‥‥、
18時から「ホリプロでフィッティング」。
きっと、ドラマか何かですね。
- ――
- 今からちょうど6年前には、
この場所でフィッティングをしていた。
- 川村
- そうなんだあ! おもしろい!
- ――
- スケジュールは全部、
月間カレンダーのページに書かれていますけど、
スマートフォンでは管理しないんでしょうか。
- 川村
- Googleカレンダーで、
マネージャーさんと共有してはいますけど、
私は手書きが好きなので、
全部の予定を、手帳に写しています。
どうしても、機械はいつか全部
消えちゃうんじゃないかっていう思いがあって。
何かあったときに手帳に書いておけば、
携帯が急に壊れても紙は残るから、
私は、紙に書くようにしてます。
- ――
- 記録が残っていくのはいいですね。
2011年にはだいぶ、
スケジュールをぐちゃぐちゃっと
消すようなこともなくなりましたね。
- 川村
- 本当だ、なくなってる。
なんか丁寧に書いてますね。
- ――
- スケジュールを囲んだピンク色には、
何かルールがあるんですか。
- 川村
- ピンクはお仕事です。
2009年から囲うようになったのかな。
わかりやすくしようと思って。
- ――
- 使っていく中で変わっていくのは、
すごいリアルですよね。
2009年と2011年を比べてみると、
仕事量がどかーんと増えてますね。
- 川村
- あっ、本当。ピンクの枠が増えてる!
ありがたいです。
2年でも違いますね。おもしろい。
たとえば、2009年の9月14日は
何してたのかなあ‥‥、
あっ、ダンス踊ってる。なんでだろう。
- ――
- スケジュールをしっかり書いていると、
見比べる遊びができておもしろいですよね。
いまお使いの2017年の手帳を見ると、
ピンクの枠が、さらに増えていますね。
ピンクで目立たせる意味があるのかな、
というぐらい休みがない。
- 川村
- いやいや、そんなことないですよ。
- ――
- ほぼ毎日が仕事で埋まっているから、
空いている日が目立っていいかも。
- 川村
- たしかに。「休み」って書いてある。
- ――
- 空白にするのではなくて、
あえて「休み」って書いてますもんね。
- 川村
- あと、必ず書いていることは、
常に頭に入れておきたいような、
目標みたいなものを書いてます。
今年の手帳を見てみると、
「きちっと生活する」って書いてありますね。
「独り身になりスッキリ!! 再スタート。
ちゃんと勉強する!!」って書いてあります。
- ――
- 再スタートの一年だったんですね。
- 川村
- 「2016年の年末に始めたこと、
新聞購読、全録のテレビ、DVDにした。
映画 月に4本。本 月に1冊。
ネタ帳を付ける。
新しい事をする事は脳にとって
とっても良い事!!
自分で決めつけず何でもやってみる。
思い立ったら吉日」と。
- ――
- これを1年の初めに書かれたんですね。
私生活もネタにされることがあると思いますが、
手帳に書いた内容が活かされることもありますか。
- 川村
- こんなことがあった、というのをバッと書いてます。
それをトークライブで話したりはありますね。
この日は何のネタをやったかなあって見返して、
ああそうだ思い出した、
みたいな感じで役に立つことがあります。
- ――
- 川村さんは、海外ロケも多いですよね。
海外にも、手帳は持って行かれますか。
- 川村
- いつも持っていますよ。
海外の記録も、全部書いてあるんです。
初めて行かせていただいたときから、
どこに行ったとか、どんな企画で
誰と行ったみたいなのも書いてあります。
私、メモ魔なんです。
- ――
- わっ、すごい国の数。
この紙は、メモページを切ったんですか。
- 川村
- そう、巻末のメモを破って、
2012年の手帳から移動させています。
- ――
- 2012年から、
ずっと移し替えているんですね。
- 川村
- はい。移動させて、忘れないように。
あのとき、ああいうのがあったなとか。
書くと忘れないので。
- ――
- 「世界の果てまでイッテQ!」は、
2012年から参加されているんですね。
- 川村
- そうなんです。
行かせていただいて、本当に感謝です。
本当にありがたい。
- ――
- 川村さんのリアクション、大好きです。
絶叫マシンに乗った川村さんの、
顔面のスロー映像が流れるのを楽しんでます。
- 川村
- ありがとうございます。
頑張ります、本当に。