第1回 選ぶのが速いんです。
- ーー
- ことしもほぼ日手帳の革カバーのために、
候補のなかからひとつ、
お気に入りの革を選んでいただきました。
このTS2018バトラーのカバー、
かっこいいですね。
- 佐藤
- はい、たのしく選ばせていただきました。
- ーー
- 選んだ「決め手」は何だったのでしょうか。
- 佐藤
- 候補の中でも、革の持っている力強さを
もっとも感じたのがバトラーでした。
この荒いテクスチャーが気に入ったんです。
- ーー
- もうひとつ、毎年変えずに出しているTS革カバー
TSブラック ベーシックとも、
また違った魅力がありますね。
- 佐藤
- ベーシックは繊細で優しいイメージで、
存在感を消しているという方向なのですが、
バトラーには、それとは真逆の
荒々しさ、力強さがあるんです。
- ーー
- 荒々しさ、感じますね。
- 佐藤
- うん。この荒々しさが
どこから来ているかというと、立体感です。
おそらく0.3ミリぐらいの奥行きだと思うんですけど、
この立体感があるのとないのとでは全然違うんです。
- ーー
- 革屋さんに聞いたのですが、
このシュリンク(しわ)をつけるために、
もともと広い面積だった革を
くしゃっと縮めているので、
そのぶん、革をぜいたくに使っている
高級なものなのだそうです。
そういう、リッチな感じも出ていますよね。
- 佐藤
- そうですね。
色も黒だから、フォーマルな装いも保っている。
‥‥と、いまあらためて言葉にすれば、
こういうことなんですが、
選んだときには、一瞬でそのことを
感じていたんだと思います。
- ーー
- 昨年の革選びのときも、
「ビビッ」と来ている姿が印象的でした。
- 佐藤
- ええ。ご存知のように、
ぼく、選ぶのが速いんですよ(笑)。
たとえば、服を選んだりするのも。
- ーー
- 服屋さんで買い物するときも?
- 佐藤
- たとえば、服がずらっと並んでいるでしょう?
それを端から端までスーッと一度見ると、
パッて、もう欲しいものがわかっちゃう。
あれもこれも見比べて、悩みに悩んで買う、
なんてことは、ほぼないですね。
- ーー
- それは、もともと頭の中でイメージしていたものに
ピタッと合う服が「わかる」あるいは「見える」という
感覚なんでしょうか。
- 佐藤
- そうかもしれないですね。
やっぱり、人ってこう、何かに触れたときに、
総合的に感じているんじゃないでしょうか。
- ーー
- 総合的に、感じている。
- 佐藤
- 理屈の前に、まず、感じているわけです。
そこは、最も大切にしなければ
いけないことなんじゃないかって思っています。
色、質感、機能‥‥そういうものを含めた
自分の好みに関しては、直感を大事にしています。
- ーー
- 「いろいろ見たけれど、結局
最初にいいと思った服を買った」なんてこと、
よくありますものね。
- 佐藤
- そう。
デザインの仕事はまた別で、
こうはいかないんですけどね。
デザインは、不特定多数の方々に届くものなので、
悩み抜くし、さまざまなデータを見たり、
ご意見を聞いたりしていますし。
- ーー
- 悩まないで買い物するのは、昔からですか。
- 佐藤
- 昔からそうかもしれない。
でも、誰もがそうなんじゃないかな。
どうですか。
- ーー
- 私は、学生の頃はよく
買い物のときに時間をかけて悩んでいました。
あの店も見て、この店も見て‥‥と。
- 佐藤
- 学生の頃って、時間があるわりには
お金がないから悩むんだよね。
- ーー
- 社会人になってからのほうが、
「今ここで買わなければ
また時間を作って買いに来るのが面倒だから、
決断しなければ」という感じで、
少し、迷わなくなった気がします。
- 佐藤
- そうそう。出合いだからね。
- ーー
- でも、卓さんほどの直感力には自信がないです。
直感って、磨けるものなのでしょうか?
- 佐藤
- すべてのものには素材があって、
テクスチャーがあって、
色があって、質感があって。
それは、実際パッケージデザインとか、
プロダクトデザイン、もちろん
グラフィックデザインもそうだけど、
そういう仕事にはすごく重要な資料になるので、
ぼくの場合は、若いときからちょっと、
そういうことを意識しながら
ものを見てきていたのかもしれません。
- ーー
- ああ、なるほど。
- 佐藤
- 瞬間的に「いいな」と思ったものに対して、
「何が自分を惹きつけたんだろう?」って
分析してみたりね(笑)。
そういうことがけっこう好きだったというか、
自然とやっていた、というのはありますね。
- ーー
- そうやって考えていくことで、
自分の好みが、自分でもよりわかるように
なるのかもしれませんね。
今回、佐藤卓さんが選んだ革「バトラー」で作った
トートバッグ「バトラー/トート」を受注販売いたします。
受注期間は2017年9/1(金)午前11時~9/11(月)午前11時です。
くわしくはこちらのページをご確認ください。
- TS2018 バトラー(オリジナル)
- 21,600円(カバー&本体セット)
- TS2018 バトラー(オリジナル)
- 21,600円(カバー&本体セット)
- TS2018 バトラー(カズン)
- 30,780円(カバー&本体セット)
- TS2018 バトラー(カズン)
- 30,780円(カバー&本体セット)
- TSブラック ベーシック(オリジナル)
- 10,260円(カバー&本体セット)
- TSブラック ベーシック(オリジナル)
- 10,260円(カバー&本体セット)
- TSブラック ベーシック(カズン)
- 16,200円(カバー&本体セット)
- TSブラック ベーシック(カズン)
- 16,200円(カバー&本体セット)
- バトラー/トート
- 64,800円
- バトラー/トート
- 64,800円