LIFEのBOOK ほぼ日手帳

時代の空気を呼吸する「B JIRUSHI YOSHIDA」のものづくり。

セレクトショップ「BEAMS(ビームス)」と𠮷田カバン「PORTER(ポーター)」の長年のリレーションシップによって生まれたレーベル「B JIRUSHI YOSHIDA」。
ほぼ日手帳のweeksカバーでコラボレーションするようになってから、2020年版で9年めを迎えました。
遊び心のあるアイテムを提案し続けている「B JIRUSHI YOSHIDA」のものづくりについて、ディレクターの梨本大介さんにお話を伺いました。

後編個人の趣味が生きる仕事。

「ほぼ日手帳2020」では、毎年定番の「パスポートカバー」も3つのカラーで登場します。
2012年から9年も続いていますが、当初はどんな意図で作られたのでしょうか。
梨本
「𠮷田カバン」さんと「ほぼ日」さんがはじめてコラボレーションされた年のカバーを、「B JIRUSHI YOSHIDA」の店舗でも取り扱わせていただいたのがきっかけです。
2011年版でweeksが登場して、当初はweeks用のカバーがなかったので、うちで作らせてもらえませんかと提案したんです。
weeksはカバーなしでも十分に使えますが、ユーザーの方からお話を聞いてみると、手帳自体を大切にしたいという声が多くて。
あとは、ペン+何かが入るカバーができたらもっといいなあと思ったんです。
すっかり定番のアイテムになりました。
「パスポート」という名前にもあるとおり、旅を感じさせる雰囲気がweeksのサイズ感と合っていますよね。
梨本
手帳と旅はリンクしている気がします。
旅の思い出として残したいことがあれば、携帯で写真に収めるよりも文章の方がよりリアルに残せると個人的に思っているんです。
「パスポートカバー」の大きさは、僕たちがよく使っているトラベルウォレットに近いなと思っていて、そういう発想で生まれたカバーです。
「パスポートカバー」としては9年間続くシリーズになっていますが、毎年、仕上げの加工やカラーを変えて、まったく新しいものになっていますよね。
2020年版の革について教えていただけますか。
梨本
「パスポートカバー」は、すこし男性寄りの目線で考えていますね。
ぼくは革の経年変化が好きで、長く使ってほしいなと思っているんです。
今年は「栃木レザー」といういい革を使っていて、その革がどんな経年変化を見せるかをたのしみに使っていただきたいです。
3色ある中で「キャメル」と「ブラック」は変化がある程度想像しやすいのですが、「ヌメ」はガラッと変わっていきますよ。
ヌメ革って本来、使いづらい素材なんです。
水滴でシミができてしまうし、蛍光灯でも焼けてしまいがちです。
その分、きれいに使っていただけたらきれいな飴色、琥珀色に変わっていきます。
「ほぼ日」さんのユーザーであれば、琥珀色に育てられるんじゃないかなと勝手な期待を持っています。
このカバーを使って何年かした頃に、「こういう味が出ました」と見せていただけるとおもしろそうですね。
ほぼ日手帳を使ってくださっているみなさんとお会いするのがたのしみです。
「ほぼ日手帳ミーティングキャラバン」で何年か前に販売していたヌメ革のカバーがきれいな琥珀色に変わっているのを見せていただくことがあって、経年変化って羨ましくなるんですよね。
梨本
驚くぐらい変わっていきますよ。
あと、今年のシリーズは厚みも特徴です。
これもまた個人的な趣味が反映されていて、ぼくは厚みのある革が好きなんです。
ただ、あまりにも厚いと使い勝手が悪くなるので、「𠮷田カバン」さんに頼んで、ちょうどいいバランスの厚みに漉いてもらって仕上げました。
最初は厚さが目立ちますが、使っていくうちにやわらかくなる革ですよね。
梨本
サンプルをテストで使ってみたのですが、1週間ぐらいでやわらかくなって、かなり使いやすくなりました。
最初はうまく閉じなくて心配でしたが、使っていただけたら大丈夫です。
長く使っていくうちに、自分に馴染んでいくうれしさがありますね。
「B JIRUSHI YOSHIDA」さんのカバンと手帳カバーでは考え方もちがうのでしょうか。
梨本
基本的には同じですが、カバンの方が目的が漠然としていて、こういうものを入れたいとか、ビジネス用もあれば、遊び用、旅行用と、シーンによっても変わってきます。
手帳はつねに持ち歩くものなので、カバンよりもお財布に近いかもしれません。
お財布にも言えることですが、レザーは手に触れることが大事なんです。
「パスポートカバー」は育てていけるカバーです。
手帳は毎日触れるものなので、その人独自の味が出ていきますよ。
お手入れはどうしたらよいでしょうか。
梨本
毎日使うようであれば、そこまで気にせず、手の脂だけで自然とケアはできています。
ただ、牛革は天然のものなので冬場は人の皮膚と同じように乾燥しがちです。
もし気になるようであれば、革靴でもなんでもケアできる「デリケートクリーム」がおすすめですね。
ひとつ気をつけるとしたら、お水です。
カフェで手帳を広げたとして、コップを置いたところにできた輪染みで手帳カバーにもシミが残ってしまうので。
まあ、それはそれで味になるので、上からオイルを塗っちゃうのもありですが。
使っていくうちに自分のものになっていく感覚は、レザーのカバーならではですよね。
梨本
「パスポートカバー」は長く使っていただけるものだと思います。
手帳カバーは洋服と同じように、シーズンの中でも気分で替えられますよね。
今お使いのカバーもまだまだ使えるでしょうし、気分にあわせて使い分けていただいたらおもしろいのではないでしょうか。
「B JIRUSHI YOSHIDA」さんといっしょに作るカバーは、「ほぼ日」の社内での注目も高いんです。
デスクで新商品のサンプルを見ていると、「これ、いいね」と声をかけられることが多くて。
梨本
「ほぼ日」さんとの仕事は、たのしく考えられているんですよ。
もともと「𠮷田カバン」さんと組んで作っている手帳カバーもあるじゃないですか。
そことどう差別化をしていくか、「B JIRUSHI YOSHIDA」らしいことができたらいいなと思っているんです。
お互いにおもしろいことをやって、ほぼ日手帳全体がおもしろくなったらいいなあと。
お店に並んだ商品を見ていても、「B JIRUSHI YOSHIDA」さんならではのエッジの効いたアイディアがたくさんあるなと感じています。
そこに質実剛健な「吉田カバン」さんの技術が活かされているわけですし。
梨本
そう思ってもらえるのは嬉しいです。
「B JIRUSHI YOSHIDA」のものづくりは、自分の個性を出せることを大事にしているので。
たとえば、ぼくはキャンプや山登りが好きなので、こんなものを作ったりしています。
これ、薪(まき)を入れるカバンなんです。
「“3/C”FIREWOOD TOTE」
わっ、バッグの側面が開くんだ!
これは、薪を入れるためだけに作ったんですか。
梨本
ほんっと、自由ですよね(笑)。
お客さんにもおもしろがってもらえていますし、トートバッグとして使えるので、意外と使い勝手もいいんですよ。
ぼくらは「ただ売れればいいや」という観点では作っていなくて、自分たちがほしいものを企画しているんです。
そのおかげで一風変わった商品でも、誰にも止められない自由さはありがたいです。
ぼく以外の人間がディレクターになったら、その人がやりたい企画を商品にできたらそれが一番いいんじゃないかと。
ほぼ日手帳カバーの企画も、おかげさまでたくさんの方に喜んでいただけています。
梨本
店頭にも置かせていただいているので、「ほぼ日」さんのお客さんからの反応もよくわかっています。
きっと、ぼくたちだけで作っていたらそこまでたくさんの人に選んでいただけていないんじゃないでしょうか。
「𠮷田カバン」さんや「ほぼ日」さんと長くお付き合いさせていただいたおかげで、うまくいっているのかなと思います。
お客さんにも響いているから長く続けてこれたんだと思います。
「Go Out」と「パスポートカバー」、どんな反応があるか、たのしみです。
梨本
はい、たのしみです。
これからもよろしくお願いします。

(おわります)※「Go Out サコッシュ」の詳細は
8月28日(水)に公開となります。