虎へび珈琲✕ほぼ日コラボブレンド試飲会。
虎へび珈琲 ✕ ほぼ日

コラボブレンド試飲会
タナカサトルさん ✕ 
焙煎士・今井惇人さん ✕
糸井重里
「虎へび珈琲」と「ほぼ日」の、
コラボレーションブレンドが実現しました。



このページでは、
コラボブレンド完成までの最終ステップ、
糸井重里を混じえての試飲会の様子をお届けします。



「虎へび珈琲ほぼ日支店」のメインとなる、
「ほぼ日らしい」コーヒーの香りとは? 



試行錯誤を重ねてくださった
「虎へび珈琲」オーナー・タナカサトルさんと
焙煎士・今井惇人さんが、
2024年7月某日、ほぼ日神田ビルのキッチンにご到着。
候補となる豆をバッグから取り出します。
豆が入った袋は3つ。
つまり、最終候補のブレンドは3種類。
ここから1種類を選ぶ、試飲会がはじまりました





───
糸井さん、「虎へび珈琲」オーナーの
タナカサトルさんです。
糸井
よろしくお願いします。
はじめまして、ですよね? 
写真
サトル
はじめましてです。
よろしくお願いします。
ぼくはよく青山で
糸井さんのお姿を拝見してますが。
糸井
え、ほんとですか? 
見られてた(笑)。
───
そして焙煎士の今井惇人さんです。
写真
糸井
この方はね、
パルコのお店で何度もお会いしてます。
今井
いつもありがとうございます。
よくお越しいただいて。
糸井
なぁんとなく、おふたり、似た雰囲気で(笑)。
一緒にやってると似てくるんですかね。
今井
あ、甥っ子なので。
糸井
え? 
サトル
ぼくが今井の叔父なんです(笑)。
写真
糸井
ほんとですか? 
サトル
ほんとです、親族なんです。
糸井
あー、そりゃあ似てるわけだ。
親族経営。
サトル
そうですね(笑)。
糸井
で、きょうは試飲をする。
今井
そうなんです、3種類もってきました。
糸井
3種類。
───
いつか「虎へび珈琲」さんと「ほぼ日」で
コラボブレンドができるといいねと
ずいぶん前からご相談をしていました。
それで、おふたりが試行錯誤を重ねてくださって、
ついに3種類の候補まで絞り込まれたと、
いまはそういう状況です。
糸井
その候補から、ひとつを選ぶ。
───
はい。
糸井
ここにいるほぼ日のみんなはもう飲んだの? 
───
いえいえ、まったくはじめてです。
ですからものすごくたのしみです。
写真
───
ではサトルさん、候補の3種類を
ご紹介いただけますでしょうか。
サトル
そうですね、
3種類のうち最初の2つは、
糸井さんのイメージかなと思うものです。
もう1つは、ほぼ日ぜんたいの、
明るさやクリエイティブをイメージして。
どれもフルーティーな感じです。
糸井
フルーティー。
きっと、ぜんぶおいしいんでしょう? 
サトル
ええ、どれも(笑)。
なのできょう却下されたふたつはボツではなく、
うちのお店で出します。
───
つまりすべてが自信作‥‥。
ぜひ、試飲させてください! 
今井
わかりました。
ではまず、こちらのブレンドから。
写真
糸井
ほぉ‥‥。
───
え、この色‥‥。
もう、見た目から迫力を感じます。
今井
豆の香りをどうぞ。
写真
糸井
‥‥‥ん? これは‥‥。
ちょっとみんなも香ってみてよ。
写真
───
うわぁ‥‥。
糸井
‥‥なんか、覚えがある香りだな。
今井
その豆をおとしていますので、
飲んでみてください。
きょうはホットで試飲していただきます。
写真
───
ありがとうございます、いただきます‥‥。
糸井
飲みます。
写真
糸井
‥‥すぐに感想を言えない。
───
すごい‥‥。
なんてさわやかな。
そして飲みやすい。
糸井
‥‥これ、なんの匂いだっけなぁ。
写真
───
たしかに記憶のどこかに触れるような‥‥。
糸井
べつに謎解きをしてるわけじゃないんだけど、
この香りを知ってる気がして‥‥。



おおきく言うと、チョコレートですよね。
今井
はい。チョコレートには近づけています。
糸井
ただそれだけじゃなくて、
なんかこう、柑橘系の風味が‥‥。
オレンジピールを入れたチョコレートみたいな。
今井
正解です。
一同
おーー。
───
そうか、これ、チョコオレンジの味だ! 
今井
はい(笑)。
サトル
これがいちばんラグジュアリーというか、
華やかな味わいのブレンドですね。
写真
糸井
きらきらしてるよね。
ああ、いいなぁ‥‥。
サトル
これはぼくもおすすめです。
今井
いまのが①番で、
次が②番のブレンドです(袋をあけている)。
写真
───
期待が高まります。
糸井
わくわく。
───
‥‥あ、もう香りが。
糸井
ああ~、はいはい。
───
②番の香りが、もうここまで。
糸井
これは、メロンです。
今井
正解です(笑)。
気づくのが早いですね。
(すでに②番を淹れている)
写真
糸井
だってニュースが飛んできてるもん。
「お伝えします、メロンです!」みたいな。
───
はっきりと届いていますね。
糸井
笑っちゃうくらいメロン。
今井
豆がこちらです。
写真
───
①番と見た目は似てますが香りが‥‥。



吉本ばななさんの「Banana Blend」ときには、
バナナそのものの香りでしたが、
これも同じく、メロンそのものを感じます。
糸井
何かで香りを
付けたんじゃないかと疑っちゃうくらい。
サトル
インフューズドコーヒーですね。
フルーツやスパイスに漬け込んだり、
香料を加えたりする。
糸井
そういうことはしていない。
サトル
してないです。
そういう香り付けはもっとダイレクトで、
トゲトゲしているというか、
ちょっと嫌な香りになっちゃうんです。
「虎へび」の香りは、
豆の焙煎とブレンドだけでつくっているので。
糸井
魔法ですよね。魔法。
(ぽいっと一粒、コーヒー豆を口に放り込む)
───
食べた! 
豆をそのまま食べちゃった! 
糸井
(ポリポリ)あまーい。
今井
どうぞ、②番のホットです。
写真
───
わぁ、ありがとうございます。
いただきます。
一同
いただきまーす。
写真
一同
‥‥‥おいしい~~~。
───
コーヒーには、メロンも合うんだ。
糸井
もう、やりすぎなんじゃない?
っていうくらいメロンだね(笑)。
写真
今井
やりすぎましたか(笑)。
糸井
でもねぇ、でも、これはすごいよ。
今井
ありがとうございます。
糸井
で、まだもう1種類ある。
サトル
はい。
糸井
うーん、ぜいたくな試飲会だなぁ。
最後はどんなのがくるんだろう。
今井
まずは豆の香りを。
写真
糸井
ああ、いいですね。
───
メロンの次はなんの香りか。
当てたいですね。
糸井
クイズ? 
今井
どうぞ。
飲みながらイメージしてみてください。
写真
───
これは‥‥
コーラ? クラフトコーラとか。
今井
なるほど。
でもちょっと遠いかもしれません(笑)。
───
ですよね、もっとフルーティだし‥‥。
糸井
あえて言うなら、パイン飴みたいな。
サトル
ああ、それは近いです。
───
正解は? 
サトル
正解はトロピカルフルーツ。
一同
ああーーーー。
糸井
きょうのブレンド3種類は、
いつもちゃんと、この味になるんですか。
写真
今井
なります。
糸井
すっごいね。
今井
香りを解析したり、
微生物の発酵で香りをつくったり、
計算をしてつくっていますので。
糸井
その数字とか、
作り方のメモは残してるんですか。
今井
パソコンにデータを残してはいます。
ただ、おそらくですけど、
ほかの人がそれを見てつくっても
再現はできないと思います。
焙煎の感覚とか、発酵の具合とか、
そのあたりは書ききれない部分があるので。
写真
糸井
はあ~、変な人だなぁ(笑)。
どうしてその道に入り込んだの? 
今井
どうしてでしょう(笑)、
気づいたら出られなくなっちゃって。
───
うーーん‥‥。
ここでひとつに決まるんですね。
サトル
決めていただきたいです。
糸井
‥‥‥‥。
───
ぜんぶ個性的で、それぞれにおいしい。
難しいです‥‥。
糸井
‥‥‥‥。
写真
一同
‥‥‥‥。
糸井
‥‥あんまりその、なんだろう。
───
はい。
糸井
香りの答えをみんなで探すみたいなのは、
ちょっとこう、話が立ちすぎるんです。
クイズが中心になっちゃうような。
たのしいんだけどね。
───
ああ‥‥。
糸井
もっとこう、
「コーヒーを飲んでいる」っていうところが、
大事にされるべきだなぁとは思うんですよ。
───
たしかに。
虎へびさんの「エイジドブレンド」に夢中なのは、
「いちごチョコみたいな香りだから」が
真ん中の理由ではないです。
やっぱり、
「あのおいしいコーヒーが飲みたい」です。
糸井
うん。
そう考えると、①番の香りでぼくが、
「なんか覚えがある」って思って、
記憶を追っかけていって、
その香りのコーヒーを飲んで、
「ああ、おいしいなぁ」と思ったのは、
すっごくたのしかったんですよ。
───
「チョコオレンジ」という答えを見つけなくても。
糸井
うん。
サトル
ぼくのイチオシも①番ですね。
糸井
そうですか。
サトル
飲む人の様々な感覚を刺激する
ブレンドに仕上がったと思っています。
───
‥‥わかりました。
コラボブレンドは①番に決定ということで。
糸井
そうだ、この①番に決めてさ、
これと、「コーヒーらしいコーヒー」の
2種類をセットにして販売すれば、
飲む人は両方を
いったりきたりできるんじゃない? 
写真
サトル
ああー。
───
コーヒーらしいコーヒー? 
糸井
「あそこの珈琲屋はたしかにおいしいよね」
っていうオーソドックスなコーヒーが、
ひとつ、こう、
センターに居る必要がある気がするんですよ。
そうしたら、そこからうまれる、
いろんなものがぜんぶ、
「いい変化球」として味わえると思うんです。
───
まさしくそういう存在、
オーソドックスな深煎りがありますよね。
サトル
ええ。
虎へび・ダークブレンド。
糸井
ダークブレンド。
ぼくはまだ飲んでいないコーヒーです。
サトル
おいしいですよ。
もともと「虎へび珈琲」は、
そこがはじまりだったんです。
今井
常連さんは、
ダークブレンドを選ぶ方が多いですね。
サトル
カビ毒とかタンニンとか、ネガティブな成分を
科学的に削ぎ落としたコーヒーをつくるという
誕生の経緯がありまして、
そこを初期から
評価してくださるお客様も少なくないので。
写真
───
コーヒーが苦手とか、
飲むとお腹をこわすという人でも、
「虎へび珈琲」ならいけちゃうそうです。
糸井
すっきしりてますよね。
サトル
そういうすっきり飲めるコーヒーを、
誰でも簡単に淹れられるのも特徴なんです。
糸井
誰でも? 
サトル
ええ。
タンニンをおとさないために、
フィルターとかお湯の注ぎ方とか、
様々なところで精度の高い調整ができるのが、
「いいバリスタ」と言われています。
ところがうちの豆は、
最初の時点でタンニンを抜いてあるので。
糸井
気を使わないでください、と。
サトル
ええ。
糸井
あなたがどう淹れてもおいしいです、と。
サトル
はい。
「虎へび珈琲」の豆にはすべてその
自然科学的な処理を施していますが、
ダークブレンドはシンプルなだけに
飲みやすさの特徴がわかりやすいかもしれません。
糸井
その豆は、いまここには無いんですか。
今井
いま、あります。
糸井
あ、ある。
(ポンと手を打ち)飲ませて。
写真
写真
▲この日たまたまお持ちだった「ダークブレンド」。
写真
▲まずは香りから。
写真
▲今井さんが手際よく淹れてくださいました。
写真
▲オーソドックスなブレンドの、感想は?
写真
「おいしいわ。やっぱりこれと組み合わせるのが正解だね」
写真
▲ぜいたくな試飲会は、終了です。
こうして、3つの候補の中から1つが選ばれ、
「虎へび珈琲」と「ほぼ日」の
コラボレーションブレンドが決定しました。



また、試飲会での糸井重里の発案により、
コラボブレンドの最初のお届けは、
オーソドックスな深煎り
「Torahebi Dark Blend」との
セット販売というかたちとなりました。



個性的な風味と、オーソドックスな味わい。
2つの「虎へび珈琲」を、
いったりきたりしておたのしみください。
(コラボブレンド試飲会のレポート、終わります)
虎へび珈琲 ほぼ日支店