「ふだん刺しゅうをする布は、
こんなふうに黒っぽいものを使うことが少ないんです。
それだけに、ふだんは使わないような色の糸を選んだり、
竹炭を使った染色ということで、
“竹っぽさ”をデザインすることを考えました」
という横尾さん。
そうなのです、この、
光を吸収するかのようなやさしい墨色は、
「ボタニカル・ダイ」といって、
植物から抽出した色素を使って染めています。
孟宗竹の炭の粉末を水の中で何度も粉砕、微粉にして、
“お守りの木”とも言われるログウッドの色素と合わせ、
この色を表現しました。
ひとつの色のなかに、ひとの目で見える幅をこえた
200種もの色素が入っているため、
奥行きのある色合いに仕上がっています。
そして、ほかの染料にくらべて、すこしだけ、
さわったときのやわらかさも、増しているんですよ。
さて、そこにほどこされた、
横尾さんの刺しゅうのデザイン。
一見、抽象的に見えますけれど、
よく見ると、竹が節で区切れているところや、
笹の葉などをモチーフにしているのがわかります。
竹、というと、和風あるいは
シノワズリのイメージのある素材ですが、
横尾さんの手で、なんともかわいらしく、
素朴で独特な印象がうまれました。
「糸の色えらびも、ふだんよく使う地味なものでは
タオル地の色に沈んでしまうんです。
あえて明るめのはっきりした色を選びました。
墨色とのコントラストが、
民族衣装に使われるような色あいにも思えますよね」
たしかに、刺しゅうという手仕事と、
ビビッドな色の糸が組み合わさって、
アジアや中南米にもありそうな印象もあります。
「バンブー」をふくむ
やさしいタオルの冬のコレクションは
2015年12月17日(木)販売スタートです。
もうすこし、おまちくださいね。
撮影協力:AK Labo
2015年12月22日(火)〜24日(木)
11:00 - 19:00
※22日のみ17:00まで
東京・南青山のTOBICHI2で
横尾さんの書籍『プレゼント』
復刊記念の展示を行ないます。
この本は、横尾さんが以前出版したものに、
8作品をプラスして増補改訂したもの。
TOBICHI2ではその作品を展示するほか、
ワークショップ「はがきに刺しゅう」もおこないます。
クリスマスやお正月、お祝いごとのメッセージカードを
横尾さんの指導のもと、つくることができますよ。
ひとり30分ほどのレッスン、予約不要、参加費は1500円
(横尾さんの刺繍をプリントしたポストカード4枚つき)です。
(満席のときはすこしお待ちいただくこともあります。)
くわしい情報は、TOBICHIのページでごらんください。
“お直し”の横尾香央留さんの手刺しゅうを原型に、
ヘムの部分に、とくべつな機械を使って
こまかな刺しゅうをほどこしたデザインです。
タオルの地の色を染めるのに使ったのは竹炭とログウッド。
一見、チャコールグレイの単色に見えますが、
じっさいにはとても奥行きのある、
深い色合いに仕上がっています。
[4サイズ展開]ハンドよこなが720円、ハンド875円、フェイス2160円、バス5940円