5つの国のことばのタオル、
みっつめはフランス語です。
世界で英語についで
多くの人が使うことばであるフランス語は、
公用語にしている国が29、
主要言語として使っている人は
1億2300万人にのぼるといわれます。
(話せる人、ということでは2億人以上とも!
日本でも学んでいる人の多いことばですよね。)
今回、タオルのフランス語を選んでくださったのは、
文筆家で写真家でもあるJean-Paul Frétillet さん。
料理とライフスタイルを専門にしているだけあって、
選んだことばも、「なるほど~!」でした。
Jean-Paul Frétilletさんのプロフィール
ジャンポール・フレティエ。
フード&ライフスタイルを専門とする
文筆家・写真家。
以前住んでいたパリをはなれ、
フランス西部の、ナントから近い地に居を構えています。
著作に『Saveurs Provence』
『1500 CONSEILS & RECETTES』
『Alsace, un paysage gastronomique』など。
「最近は、時間のほとんどを
執筆、料理、写真撮影に費やしています。
あとは日本語とイタリア語を勉強中です」
ではまず、今回ジャンポールさんが選んでくださった
3つのフランス語の文章について教えてください!
L’odeur du pain chaud.
(ロドゥール・デュ・パン・ショ)[あつあつのパンのかおり。]
あつあつのパンのかおりは、
ぼくのお気に入りのかおりのひとつです。
たぶん、焙煎したてのコーヒー豆と同じくらい、
いい香りなんじゃないかな。
おなかがすく、しかも元気になる香りですよね。
On guette l’arrivée du facteur.
(オン・ゲ・ラリヴェ・デュ・ファクター)[ぼくらは郵便屋さんが来るのを待っている。]
すごくフランス的な話ですけれど、
郵便配達員って、いつもラブレターを運んでいるんですよ。
執筆依頼の手紙を受け取ること、
それは大きな喜びを感じる瞬間です。
それは「ラブレター」とほとんどおなじ幸せ。
なぜって、ぼくは書くことが大好きで、
それは私の仕事であり、私の人生でもあるからです。
だから、郵便配達員はぼくの日々の希望の象徴。
ぼくはいつも、彼が私に
良い知らせをもたらしてくれることを願っています。
Un ciel de traîne, un écureuil sur une branche de noisetier, le murmure d’une rivière.
(アン・シエル・ドゥ・トレーヌ、
アネキュレイユ・シュール・ユヌ・ブランシェ・ドゥ・ノワゼティエ、
ル・ミュルミュル・ドゥヌ・リヴィエル)[雨あがりの空、ヘーゼルナッツの木の枝にリス、川のせせらぎ。]
3つの文章で構成された詩的な表現です。
第1文。
雨上がりの空に小さな雲が飛んでいるのが、
無邪気であり、静寂であり、
同時に力強さを感じさせてくれるところがいい。
それを見ていると、すごくリラックスできるんです。
第2文。
リスは完璧で永遠の自然のイメージです。
また、俊敏で知的な動物であり、
励ましてくれるイメージもあります。
リスと同様、ぼくもヘーゼルナッツが大好きです。
子供の頃の田舎での散歩を思い出させてくれます。
‥‥どこかプルースト的(“Proustien”)な感じかな。
そして、3つ目の文章。
川のせせらぎは、まるで教会の鐘の音のようです。
幸せな人生には欠かせない音だと思います。