Buona giornata
[よい一日を]
Andra’ tutto bene
[何もかもうまくいくよ]
Gentile Soffice Gradevole
[やさしい/ふんわり/ここちよい]
イタリア語 木戸愛(松山真理)さん・松山修平さん

5月26日(水)午前11時より販売スタートです。

5つの国のことばのタオル、
つづいて紹介するのはイタリア語です。
「インド・ヨーロッパ語族」に属し、
使っている人は世界に6000万人ほど。
「Ciao!(チャオ)」や
「Grazie!(グラッツィエ)」などのあいさつ、
「スパゲッティ」「ピッツァ」「ジェラート」など
食べ物や料理の名前で日本でもおなじみです。
日本にちょっと似ているのが、方言の多彩さ。
たとえば北で育った人が南に遊びに行って
地元の食堂に入ると、
「店員さんたち、何を言っているのかわからない‥‥」
なんてこともあるのだそうですよ。
今回、イタリア語のタオルのことばを選んでくださったのは
「ほぼ日」の「イタリアンマンマの直伝レシピ」でおなじみ
木戸愛さん・松山修平さん夫妻です。


木戸愛(松山真理)さんのプロフィール

1982年、宝飾デザインを学ぶため
イタリア・バレンツァへ渡る。
学校の空席をペルージャで待ちながらも、
遂に入校できず! 
同地で語学学校に通っているときに
松山修平さんと出会い、結婚、
イタリアに居をかまえることに。
3人の子どもを育てながら、
ペルージャに1年半、リエティに6年、
その後ミラノに移り、現在にいたります。
「どういう訳? なきっかけで出会い、結婚。
どういう訳かの生活が続き、今年で40年です」

松山修平さんのプロフィール

画家。1955年生まれ。
1976年、イタリア・ペルージャに留学。
美術学校の3年目で開いた個展で絵が売れたことから、
イタリアで生きてゆくことを決意。
通訳、空手や野球のコーチをしながら、画家に。
1991年、著名な美術愛好家である
カルロ・カリアーニ氏に認められたことから、
広く名前が知られるように。
現在はミラノを拠点に、
制作・発表をつづけています。


まずは、今回選んでくださった
3つのイタリア語について教えてください。

Buona giornata
(ブォーナ・ジョルナータ)[よい一日を]

1日を明るい気持ちで過ごせる魔法の言葉です。
別れ時の挨拶で、
この言葉を言われる度に思うのですが、
その人それぞれが気持ち良く過ごせる様に
その人が感じる気持ち良さをその人自身が創りだす。
とてもクリエティブな気持ちになる言葉です。
悲しい事があっても、
その中で探せる光を一筋でも良いから見つけようねと
背中を温めてくれ、
明るい方向に向けてくれます。

Andra’ tutto bene
(アンドラ・トゥット・ベーネ)[何もかもうまくいくよ]

不安に陥っている時に勇気を貰える言葉です。
指定された時間に窓から、
ベランダから皆んなが外に出てキャンドルを灯し、
この言葉を言って、医療従事者に声援を送ったり、
一人じゃないよとお互いを励ましたりした経験は、
隣近所、そしてこの国の国民が一体化した感じがしました。

Gentile Soffice Gradevole
(ジェンティーレ/ソッフィチェ/グラデーボレ)[やさしい/ふんわり/ここちよい]

柔軟で優しく、心地良いことばたちです。
今、特にこの時期、
皆んなの気持ちが荒んで来ています。
そんな時に、「やさしい」「ふんわり」「ここちよい」
というこの言葉が持つイメージに浸るだけでも、
ささくれが起きそうな気持ちに
しっとりとしたクリームをつけて貰った感じがします。
孫たちの顔を見ると自然にこの言葉が浮かびますね。


ミラノの松山家ではふだん
どんなタオルを使っていますか?
また、イタリアのタオル事情を教えてください。

イタリアのタオルは
吸水性を一番に重要視している感じがします。
そして逆に手網のレースを付けたり、
麻のアイロンがびっしりかけてあったり、
そんなタオルも。
美しさでバスルームに華を添えているんですね。
よそのお家に伺ったとき、そんなタオルに出会うと、
あまりの繊細さ、美しさに、使うことをためらって、
まず自分の手持ちのハンドタオルで拭いて、
それから繊細なタオルを使ったりしています。

家庭での普段使いは大きいタオル派と
バスローブ派に分かれますが、ビデもありますので、
タオルもそれ用があり、3枚でひと組で、
お客様用にはハンドタオルも加わり
4枚ワンセットになります。

子供が産まれた時にも、
タオル好きの私は良く使いましたが、
タオルはタオルだと指摘されたので、
名前を刺繍して、
周りに蝶々模様のレース編みをして付けたりして、
人前でも多用な使用が出来るようにしました。
今のようにほぼ日タオルのように
楽しくて機能性もある物があったら
そのまま使えていましたね。
友人が急遽入院した時に、
付き添いが出来ませんでしたので
清潔でも冷たい感じがするシーツに
温もりを感じてもらおうと、
ほぼ日のやさしいタオルを持って行き、
枕の上にかけて貰いました。
こんな時に特に肌に直接伝える優しさが嬉しいですね。

たしかに、イタリアでホテルに泊まると、
あたりまえのようにビデがありますね。
そしてタオルも専用のものがあるんですね。
さて、コロナ禍がつづいていますけれど、
最近の松山家のトピックはなんでしょう。

この1年は、
いろいろなことを見つめ直す
いい機会になりました。
私たちはいま、
家が心地良い場所になるようにと、
色々と工夫をしています。
具体的に言うと、家の修繕、片付け。
徹底的にやっているんですよ。
子どもたちが巣立って、
二人だけになった夫婦ゆえ、
これから先のことを考えての修繕です。

まずは壁を取り除き、そしてドアーを外し、
ワンルームの様にして、
そこに夫が木の屏風を数組作り、
光も風も、その時で角度を変え楽しむ様にしました。

夫は今までの壁やタイル、
今までの家具にも絵も描きました。
そして、時にけじめをつける「花金」を作り、
毎週金曜日に二人で同じ物を観る時間を
設けることにしました。
なかなか新鮮な事を
日常生活にも入れ込めたと思っています。
「もう一週間経ったね」と時が経つ早さに気がついたり
なんと言っても忘れがちな日にちと
曜日感覚を取り戻せたと
二人でこの画期的なシステムを導入した事を喜んでいます。

そして友人夫婦と毎朝携帯電話のビデオで
顔を見ながら一緒にするラジオ体操とストレッチ。
これも、体に朝スタートを知らせる事が出来、
友人の安否確認も出来る、素敵な企画です。

松山さん、木戸さん、どうもありがとうございました!
イタリアでの暮らしのようす、
まさしく、やさしい、ふんわり、ここちよい
気持ちになりましたよ~!


せかいのことばシリーズITALY5/26(水)午前11時 販売発売


2021-05-21-FRI

タオル撮影:有賀 傑