5つの国のことばのタオル、
つづいて紹介するのはイタリア語です。
「インド・ヨーロッパ語族」に属し、
使っている人は世界に6000万人ほど。
「Ciao!(チャオ)」や
「Grazie!(グラッツィエ)」などのあいさつ、
「スパゲッティ」「ピッツァ」「ジェラート」など
食べ物や料理の名前で日本でもおなじみです。
日本にちょっと似ているのが、方言の多彩さ。
たとえば北で育った人が南に遊びに行って
地元の食堂に入ると、
「店員さんたち、何を言っているのかわからない‥‥」
なんてこともあるのだそうですよ。
今回、イタリア語のタオルのことばを選んでくださったのは
「ほぼ日」の「イタリアンマンマの直伝レシピ」でおなじみ
木戸愛さん・松山修平さん夫妻です。
木戸愛(松山真理)さんのプロフィール
1982年、宝飾デザインを学ぶため
イタリア・バレンツァへ渡る。
学校の空席をペルージャで待ちながらも、
遂に入校できず!
同地で語学学校に通っているときに
松山修平さんと出会い、結婚、
イタリアに居をかまえることに。
3人の子どもを育てながら、
ペルージャに1年半、リエティに6年、
その後ミラノに移り、現在にいたります。
「どういう訳? なきっかけで出会い、結婚。
どういう訳かの生活が続き、今年で40年です」
松山修平さんのプロフィール
画家。1955年生まれ。
1976年、イタリア・ペルージャに留学。
美術学校の3年目で開いた個展で絵が売れたことから、
イタリアで生きてゆくことを決意。
通訳、空手や野球のコーチをしながら、画家に。
1991年、著名な美術愛好家である
カルロ・カリアーニ氏に認められたことから、
広く名前が知られるように。
現在はミラノを拠点に、
制作・発表をつづけています。
まずは、今回選んでくださった
3つのイタリア語について教えてください。
Buona giornata
(ブォーナ・ジョルナータ)[よい一日を]
1日を明るい気持ちで過ごせる魔法の言葉です。
別れ時の挨拶で、
この言葉を言われる度に思うのですが、
その人それぞれが気持ち良く過ごせる様に
その人が感じる気持ち良さをその人自身が創りだす。
とてもクリエティブな気持ちになる言葉です。
悲しい事があっても、
その中で探せる光を一筋でも良いから見つけようねと
背中を温めてくれ、
明るい方向に向けてくれます。
Andra’ tutto bene
(アンドラ・トゥット・ベーネ)[何もかもうまくいくよ]
不安に陥っている時に勇気を貰える言葉です。
指定された時間に窓から、
ベランダから皆んなが外に出てキャンドルを灯し、
この言葉を言って、医療従事者に声援を送ったり、
一人じゃないよとお互いを励ましたりした経験は、
隣近所、そしてこの国の国民が一体化した感じがしました。
Gentile Soffice Gradevole
(ジェンティーレ/ソッフィチェ/グラデーボレ)[やさしい/ふんわり/ここちよい]
柔軟で優しく、心地良いことばたちです。
今、特にこの時期、
皆んなの気持ちが荒んで来ています。
そんな時に、「やさしい」「ふんわり」「ここちよい」
というこの言葉が持つイメージに浸るだけでも、
ささくれが起きそうな気持ちに
しっとりとしたクリームをつけて貰った感じがします。
孫たちの顔を見ると自然にこの言葉が浮かびますね。