HOBONICHI

つきのみせ。WINTER 気持ちよさに包まれて。

寒い日は、気持ちのいいものに包まれて、
ゆっくりおだやかに過ごしたい。
つきのみせらしく、
それぞれの心地よさに寄りそえるように
素材から気持ちよさを探求して、
そのぬくもりにすっぽり包まれるものを
お届けしたいと思います。
「DRESS HER SELF」さんとは
シルクに抱きしめられるような極上アイテムを。
昨冬、大人気だった「JOHA(ヨハ)」は、
スタイリストの轟木節子さんが
使いやすくて、心ときめくアイテムを
ふたたび選んでくれました。
「OLU NATURAL BASIC」とつくった
カシミヤを贅沢につかったアイテムも
再販売します。
ラインナップについてのくわしいお話を、
おとどけします。
適度な体温に調整してくれて、
着心地が圧倒的に気持ちがいい。
シルクのブランド「ドレスハーセルフ」さんは、
女性向けに、毎日に取り入れやすくて
あきのこないデザインの日常着を、
シルクをメインにした素材でつくられています。
寒くなる秋冬に向けて、
身体を心地よくあたためてくれるアイテムを
特別につきのみせ別注で
ドレスハーセルフさんにお願いしました。
製作を手掛けた新潟「山忠」の入倉さん、
吉井さんにお話を伺いました。

ほぼ日では、weeksdays
よくご一緒させていただいてますよね。

いつも、いろんなアイテムづくりを
ご一緒していて、とっても楽しいです。

心と身体に心地よいものをつくってきた
つきのみせチームとしては、
秋冬は「本番」と言いますか。
身体をあたためる気持ちのいいものを
お届けしたいなと考えていて、
やっぱりシルクのアイテムは欠かせない、と。

ほぼ日の乗組員で、
今回ご一緒させていただいた
内側シルクの起毛素材を
長らく愛用している者がいるんです。
「とっても最高!」と教えてくれて、
この素材でアイテムを開発できたらとご相談しました。

うれしいです、
ありがとうございます。

初めにお伺いしたいのですが、
おふたりはどのようなお仕事を
担当されているんですか?

私たちは商品開発、
いわゆるものづくりを担当しています。
ブランド全体の企画が決まってきたら、
各アイテムについてデザイナーと相談しながら、
私たちが実際のものづくりを
工場などと連携しながら進めています。

だから、素材のお話に詳しいんですね。
入倉さんとやり取りさせていただきながら、
「素材のプロだ‥‥!」と思う場面が何度も。

いえいえ、そんなことないです。

「山忠」さんでは、ずっと前から
シルクアイテムを中心としているんですか?

会社全体では天然繊維というくくりで
各担当者がさまざまな素材を開発してきました。
そのなかの衣料品で「健康」を考えたいという方針は
早くから決まっていました。
みんなで「身体がよろこぶ素材ってなんだろう?」と
考えた結果、たどり着いたのがシルク。
なので、30年前からシルクを中心にした
カタログなんかをつくっていましたね。

山忠本体は通信販売が中心ですので、
『シルク生活』という冊子を通じて
商品をお届けしていたんです。
良質なシルク素材を手に入れるために、
中国へ定期的に出張していました。

今は「身につけるものは心地よくありたい」と
シルクが浸透してきた感覚があるのですが、
30年前はそういう認識がなかったのではないかと。

インナー類はありましたが、
アパレルなどは多くなかったですね。
でも、繊維を扱っている会社として、
「ただ洋服をつくって売っているだけでは
お客さんに何も残らない」と社長はよく話していました。
毎日の生活がうれしくなったり、楽になったり、
繊維にもできることがあるんじゃないかって。
それで、靴下をはじめ、アパレル、
インナー、寝具など、多岐にわたるアイテムを
各担当者が開発してきたんです。

どのようなものづくりから
スタートされたんですか?

もともと私たちのお客さまは、
60代以上の方々でした。
婦人のみなさまにはその良さが伝わったようで、
何度もリピートくださって。
「着心地がいい」、「生活が楽しい」と、
うれしい声をたくさんいただきました。

その中で長年『シルク生活』を続けていたのですが、
もっと多くの人にこの魅力を届けたいと思った時に
あらためて誰に届けたいのか考えたんです。
そして、シルクを絶対必要としている人は
都会に暮らして、一生懸命お仕事をしている
世代なんじゃないかと。
クーラーが効きすぎていたり寒かったり、
外がじめじめ暑かったり、
温度調節が難しいじゃないですか。

オフィスは外と中の気温差もありますしね。

そういう人たちこそシルクが必要だと思って、
働く女性を対象にした
「ドレスハーセルフ」が始まりました。
彼女たちの困っていることを聞きながら、
アイテムをつくっていきました。

年代的にも、年相応のいい素材を
手に取りたくなる年代かもしれないですね。
自分を大切にするためにシルクを選ぶ、という
感覚がわかってくる気がします。

流行を追うよりも、
身体のために服を選び始める年齢かもしれませんね。

30年前に比べると、
シルクを扱うブランドさんもずいぶん増えましたか?

増えましたね。

その中でも、ドレスハーセルフさんのシルクは
着ていてとっても心地よくて、
その違いはどこにあるんだろうと
いつも疑問に思っていました。

ありがとうございます。
そうですね‥‥
私たちは『シルク生活』の頃から何十年も、
お客さまの声をたくさん聞いて、
改良を重ねて、新しいものを提案して、
また改良して、を繰り返してきました。
そうやって試行錯誤したことで、
いいシルクを見つけることができましたし、
シルクを使ったいいアイテムをつくる自信が
養われたような気がします。

ものづくりで一番大切にされていることは?

着心地と肌ざわりです。
せっかくシルクでつくっているのに、
縫い代がチクチクしたりゴワゴワしたりしたら
残念だなと思って。
私たちはインナーだけじゃなくて
アパレルアイテムも多いので、
素材選びを大事にしています。

シルクってテカテカと、
光沢が強いイメージがありました。
なので、今回ご一緒させていただいた
「ウォームシルク」という素材は
日常着にもぴったりのスウェット生地ですよね。
軽くて、あったかくて、やわらかくて。
袖に腕を通したときの心地よさが極上なんです。

うれしいです。

もともとドレスハーセルフさんで
扱われている素材ですよね?

はい、人気のアイテムです。
私たちも「冬のシルクってなんだろう?」と
いろいろ考えていたんです。
できたらスウェットなど、
リラックス素材とシルクがかけ合わさったら
気持ちいいだろうなと思って。
そんな思いで中国出張に行ったんですけど、
中国に素材開発が大好きな社長さんが
いらっしゃるんですよ。
30年以上お付き合いがあるんですが、
行くたびに必ず新素材を見せてくれるんです。

ふふふ、楽しそうですね。

すっごく楽しいです。
「こんなのつくったよ!」って
とっても元気に見せてくださるので。
その中で、このウォームシルクという素材があり、
私たちも「なんて気持ちいんだろう」と
感動した記憶があります。

おもしろいのは、
表と中間と内側が別々の素材なんです。
表は綿とモダールの混紡、
中間はポリエステルとポリウレタンの混紡、
肌にあたる内側はシルク100%。
素材が異なることで特有のやわらかさと厚みが作られ、
さらに起毛素材なのであたたかいんです。
内側はシルクなので肌あたりがいいですし。

こちらも改良を重ねていて、
初期は表が綿100%でした。
そこから今回の素材に変わったことで、
やわらかさが増して、適度な厚みもうまれて。
実感としては気持ちよさが2倍増しに。

2倍はすごいですね!

肌感ですけどね(笑)。
スウェットは綿100%のアイテムが多いんですが、
それだと生地に張りが出てしまいます。
モダールを混紡したことで、
動きに寄り添うようなやわらかさになりました。

着てみると、包み込まれるような
やわらかさとあたたかさでとっても気持ちよくて。
ちょっと眠たくなってきました。

わかります、
ほんとうは素肌に着てもらいたいくらいで。
裏側のシルクはあえて染めていないんです。
ふつうは表の色と同じに染めるのですが、
肌にあたる部分なので、
できるだけ染料をつかわず、
肌にやさしい仕上がりにしたかったんです。
天然のやわらかさを実感いただけると思います。

お客さまからも、
「もちもち」「ふわふわ」と
気持ちいいコメントをたくさんいただきます。

つきのみせでは「モスカーキ」という
深い森のような色を選ばせていただきました。
「やさしさ」というのが裏テーマだったので、
包み込むようなロング丈のワンピースと
下半身をあたためるパンツをつくりました。

かなり贅沢に生地を使いましたよね。

やっぱり、この気持ち良さに
全身包まれたかったんです。
それで膝が隠れるくらいまで丈を長くしました。
首をつめすぎるとボーイッシュになってしまうので、
ちょうどいいあき具合で女性らしく。

家庭のリラックスウェアを目指したわけではないので、
外でも着られるように形は何度も調整して
バルーンみたいなシルエットになりました。
袖口のリブも長めにしたので、
手元も華奢に見えるし
洗い物など袖まくりも便利です。

襟のあき感と丈、シルエットなど
フィッティングしながら調整されていましたね。
うちの社内でも「ほしい」って声が上がってました。

それはうれしい!

すごく可愛いですよね。
シルクレギンスと合わせても、
最高に気持ちいいと思います。

それは気持ちよさそう‥‥。
スウェットのパンツも何度も調整しました。
スポーツスタイルに見えないよう、
タックを入れて立体感を出し、
テーパード型に。
あと、裾にスリットを入れたことで
どんな身長の人でも足が長く見える、
綺麗なシルエットになった気がします。

できあがりを見て、綺麗だなと思いました!
サイズも2サイズあるので身体に合うものを。

あと腹巻パンツですね。
ドレスハーセルフさんでも人気のアイテムで、
つきのみせでは丈を長めにしてもらいました。

『シルク生活』の頃から用意しているアイテムなので、
相当ロングセラーです。
冷え対策ということで腹巻は人気ですが、
薄くてあたたかくて肌にやさしいので
いろんな世代の方に好評いただいてます。

やわらかくて素材が薄いのに、
こんなに体感温度が違うんだなって思いました。

伸縮性が特異なんです。
実はこのアイテムを作れる機械が
日本にはほとんどなくって、
低速で、ゆっくり丁寧に編み上げて
この形をつくっているんですね。
縫い目を極力少なくすることで
肌あたりもよくしていて。

お腹周りと足のところは編み方が違っていて、
上は空気を溜めるようにパイル風の編み立てに。
あったかい空気を逃さないようにしています。
付け根の部分は天竺編みにして、
動きやすくなっています。

そけい部を締め付けず、
あったかさを実感しやすいと思います。
たっぷりアイテムができて、うれしいです!

私たちもどんな反応があるのか楽しみです。

長く、大切に着ていただけたら
うれしいですね。

(つづきます。)

つきのみせ。× DRESS HER SELF
11.15(TUE)ON SALE
キーネックワンピース
¥22,000(税込み)
テーパードパンツ
¥18,700(税込み)
ハラマキボトム
¥6,900(税込み)