OWEN BARRY(オーエン バリー)も、
Wallace#Sewell(ウォレス アンド スウェル)も、
日本で紹介するのがはじめて、というわけじゃないんです。
セレクトショップなどでは紹介されていたんですが、
今回のように、ライフスタイルのアイテムとしては、
あまり広くは知られていなかったということだと思います。
はじめて英国でふたつのブランドを訪ねたのは、
昨年(2019年)のことでした。
まずは、OWEN BARRYの工房へ行くべく、
ロンドンから2時間、グレート・ウェスタン・レールで
鉄道の旅をして、サマセット州へ向かいました。
最寄りのキャッスル・キャリー駅からの風景は、
一面の田園地帯。
いわゆる「英国のカントリー」ってこういう風景なんだ!
と感激したのを覚えています。
建物は、上が事務所で下が工場。
IKEAみたいな感じで、うんと広いスペースに、
素材の革が製品になるまでの道ができていました。
シンディ・バーンスタブルさんという女性が、現在のオーナーです。
娘のチャスさんとともに、会社を切り盛りしています。
そう、いまもOWEN BARRYは家族経営なんです。
僕らが訪れたとき、工房では、
米国の有名な高級デパートのオリジナル製品を
OEMで制作しているところでした。
なるほど、モノがいいんだな、ということは、
工房で製品がつくられていくようすを見て、
すぐにわかりました。
そういったOEMのように、
先方からデザインが提供されるもののほかに、
OWEN BARRYではブランド立ち上げ当初から
オリジナル製品をつくっています。
現在、デザイナーが、社内に2人いて、
品質の高い革製品を生み出しています。
▲今回販売するアイテム。詳細は11月26日(木)に公開します。
工房で働くみなさんの印象は、
ひとことで言えば「真面目」、
そしてイキイキとしていました。
ファッションの仕事をしていると、あるんです、
不当な安い賃金で働く人がいるような工場も。
でもここは、本当にみんなが「ファミリー」な印象で、
たのしそうに、着実に、仕事を進めていました。
長く勤めている職人さんも多く、
また、近隣の人々も手伝いに来てくださっています。
こうして現地で工房を見たことで、
クオリティにも安心しましたし、あらためて
「これは、ちゃんと日本で紹介すべきブランドだ!」
と確信しました。
OWEN BARRYで使っている革は、
食肉用の素材の余りを仕入れて使っています。
このことは、ヨーロッパではいまや当たり前ですが、
彼らは、仕入れ先の革工場に定期的に足を運び、
品質やトレーサビリティをチェックしています。
食肉文化のなかで、その余り革を使うことは、
私たちにとって、とても有り難いことなのだから、
できるかぎり無駄を出さないようにと考えているんです。
ライフスタイル系のアイテムを
すこしずつ増やしていきたい、ということは、
STAMPSをやっていて、ずっと考えていたことです。
北欧家具やうつわも好きですし、
フランスのヴィンテージやアンティーク、
そういったものを日本の暮らしに取り入れたいと。
そのなかで、OWEN BARRYについても、
ファッションよりもライフスタイルのほうに
すこしだけ重きを置いてもいいな、と思いました。
今回、紹介することになったアイテムも、
そんな視点から選んだものです。
ラグ、シートパッド、ルームシューズ、グローブ‥‥、
そのなかに「ドアストッパー」があるんですが、
これは僕らが一目ぼれしちゃったアイテム。
日本ではあまりドアストッパーって使わないんですが、
これはインテリアとしてもいいな、と。
羊と犬はもともとあったもので、
猫だけは、今回、特別につくってもらいました。
そのほかのアイテムは、
基本的にOWEN BARRYがデザイン・制作をした
オリジナルを仕入れていますが、
バッグは、僕らSTAMPSがアイデアを出し、
デザインを提供して、別注したものもあります。
日本のかたがたにも使いやすい大きさ、かたちで、
かつ「かわいい!」と感じていただけるようなものが
できあがったと思っています。