届いたばかりの
une pincée を囲んで


ジュエリーには
“好き”と“物語”が
あふれてる。

届いたばかりの une pincée を囲んで


ジュエリーには
“好き”と“物語”があふれてる。

「ユヌパンセ」は、
ほぼ日の鶴見の、さり気なく、
素顔まで美しく見せるジュエリーを
作りたいという思いから生まれました。
鶴見が、ほぼ日のスタイリングでも
おなじみの髙品逸実さんに、
「いまつけているピアス、素敵ですね」と
話しかけたことがきっかけで、
偶然にも、ふたりが20代の頃から通う
大好きなお店があることがわかりました。
そのお店とは、SOURCE objects。
杉山慎治さんがオーナーを務める、
ジュエリーのセレクトショップです。
髙品さんのセンスと、杉山さんの眼、
そして、鶴見の想いが出会い、
ファーストコレクションが完成しました。

02

100年のジュエリー

杉山

触れてみてはじめて、「あ、こうなってたんだ」とか、
あとから気づくことが多いんじゃないかなと思います。
そういうところが、まさに、髙品さんのセンス。

気くばりの細やかさ。
ピアスが2サイズあるのは、
どういう気持ちからなんですか?

フープピアス S(左)、L(右)

髙品

もともと小さいほうだけを作っていたんです。
そうしたら、またまた杉山さんが、
大きいバージョンも用意してくださって。

へえ!

杉山

今は複数ピアスホールがあるかたもいらっしゃるし、
それに、下めのほうにホールがあいてるかたでも、
ここまで小さなサイズだと引っかかるかもしれない。

そうですよね。

杉山

こんなに小さい中折れタイプの丸いピアスって、
じつは、珍しいんじゃないかな。
そういう意味ではすごくユニークな商品ですよね。
これが欲しかったと思ってもらえる、
絶妙なサイズじゃないかと思います。

まさに、私もひとめ見てこれがほしいと思いました。
杉山さんの中にはちゃんと、
このサイズであるべき理由があったんですね。
あと、ネックレス。
ネックレスの長さ問題ってありますよね。
長さ次第で急に野暮ったく見えたりして。

髙品

たしかに。今日実際につけてみて、
最終確認できたらと思ってるんですけど‥‥。
(と、鏡の前にすっと立つ)

杉山

お店をやってて思うんですけど、
サイズがひとつだと、選択肢がないんです。
ピアスひとつとっても、AかBかを選べるほうが、
自分がどちらが好きなのか、そして、
どちらが似合うのかを決められるんですよね。
リングを2種類作ったのも、
お客さんの正解を導き出すための、
より良い手段だなあと思ったりもします。

おもしろいですね。
似合うものを探すための、おもてなしとしてのサイズ。
そういうことも、ああいうことも想定して、
このサイズなんですよっていうのがわかると、
ブランドの優しさを感じます。

杉山

髙品さん、ネックレス、どうですか?

髙品

かわいいです。いいです、いいです。

このゴールドは、ピカピカではないけど、
でもちゃんと欲しいツヤやニュアンスがあります。
どういう品質のものなんでしょうか?

杉山

ネックレスとブレスレットは18金、ほかは10金です。
お客さまが買える値段であることはまず大切ですよね。

なるほど。

鶴見

杉山さんに、御徒町の金の問屋街に
連れてってもらったんです。
目の前で金をグラムで計ってもらって、
「こんなに高いんだ」って驚いたりもしました。
輝きとしては最低でも18金はほしいし、
チェーンの太さもこれぐらいないと、
なんというか、大人の肌には物足りないよね‥‥
っていう結論に落ち着いたりして。

杉山

メッキであれば、もっと強いゴールドに
することもできるんですけど、
そういうものって、早い段階で、
身に着けなくなってきてしまうことが多いんです。
長く使っていただきたいから、
少しでも質の高いもので、かつ、
値段とのバランスをとって提案したいと思うと、
現実的なのが10金だったんですね。

なるほど。そういえば、ジュエリーの選び方って、
ちゃんと知らないなあと思いました。
いい買い方、上手な買い方って、ありますか?

杉山

決して安いものでなはないので、
衝動買いはあまりしないですよね。
そのぶん、人生のちょっとしたターニングポイントで
ジュエリーを手に入れるかたが多いように感じます。
たとえば、お誕生日、クリスマス、結婚、それから、
1年間頑張った自分へのご褒美に、とか。
そうやって手に入れたものって、物としては小さくても、
それぞれの大きなストーリーをもっているんですよね。
変化が少ない形で維持されていくという意味で、
ジュエリーってすごく適していると思いますね。

思い出を維持できる、宝物ですね。

杉山

そうです。お店のスタッフにもよく言うんですけど、
アンティークって、100年以上続いてるものですよね。
でも、今も現役で使えるものって、案外少なくて。
車ももう走れないでしょうし、
洋服も、もしかしたら劣化して着られないだろうし。
でもジュエリーなら100年超えても使えますよね。
もちろん、ちゃんと手入れをすればの話ですが。
転機にジュエリーを手に入れるっていうのは、
すごく理に適っていると思いますね。

目減りしない価値というものもありますよね。

杉山

溶かしたらそれなりの価値になりますしね。
うちのお店のお客さまは、
新しいものを求めに来るかたもいらっしゃるんですけど、
同じぐらい、直しに来られるかたもいっぱいいます。
ピアスを片方なくして、また片方買いに来られたり。

たくさんのお客さんと接するなかで、
ジュエリーの付けかたが素敵だなあ、
と思われるかたはいますか?

杉山

自分の「好き」が表れている人は、いいなあと思います。
たとえば、指輪を同じ指に何本か重ねているかたで、
これは結婚するときに買った指輪、
こっちは何かの記念のときにもらった指輪とか、
それぞれにストーリーをちゃんと持っていたりね。

ああ、なるほど。

杉山

パールのピアスを同じものを2つ付けて、
というクラシカルな使い方もあるんですが、
今は、耳をキャンバスのように見立てて、
ピアスホールがいくつか空いてて、
ピアスだけじゃなくてイヤーカフのスペースもあるとか、
自分の中でアレンジしたりされますよね。
耳の中に物語があるというか。

髙品

そういうキャンバス的な使い方のときにも、
ユヌパンセのピアスはスッとなじむような気がします。

(つづきます)

©HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN