吉次は「キンキ」とも呼ばれる高級深海魚です。
北海道南部から東北にかけての東海岸沖で捕れます。
今回は吉次のなかでも最高級の、
北海道・網走で水揚げされた「釣りもの」を使用しました。
「釣りキンキ」は延縄漁で釣りあげます。
比較的大きな吉次が、傷がつかないように漁獲できるため
市場でもその大きさと鮮度は一目瞭然なのだそうです。
脂がのった、いまが旬の「釣りキンキ」にうす塩をふり、
さっと干したものが「うれるべの吉次の干物」です。
最高においしいものを
「うまけりゃうれるべ市。」のお客さまにお届けしたく、
この時期を待って、作っていただきました。
網やグリルで、おいしいこげめをつけるように
焼いてください。
あまい脂(不飽和脂肪酸たっぷりの健康的な脂といわれます)、
香ばしい身をおはしでつつき、味わったあとは、
残ったひれや皮、あらをお碗に入れ、
熱湯をかけてみてください。
ねぎ、少しの醤油をたらし、ひと口ふくむと、
焦げたひれや皮の香ばしさ、脂からしみ出たうまみが
いっぱいにひろがります。
(糸井はそこに黒胡椒を多めにふってもおいしい、
と言っていました)
すみずみまでほんとうにおいしい魚です。
港町気仙沼でも、「とにかくお安くない!」ものなのですが、
「あれを知っちゃうとねぇ‥‥」とか
「いつもその味を語って元を取ってます(笑)」とか、
特別な語られ方をしています。
おひとりでもたのしめますが、たくさんの人が集まる日にも
ぜひ「吉次」を冷凍庫から取り出して、焼いてください。
長い夜をしみじみたのしめる、ハレの日の魚です。
日本酒にもとてもよくあうと思います。
2014年のしめくくり、2015年の幕開けに、ぜひ。