2006年にはじまったレディースラインのブランド、
beautiful people(ビューティフルピープル)。
「大人のための子ども服」をコンセプトにスタート、
七分袖や短い丈のウエアで人気となりました。
(だからサイズが「140」とか「150」という、
子ども服みたいな表記になっているんです。)
最近はぐっと「大人っぽさ」が増し、
「どこにでもありどこにもないもの」をキーワードに
服づくりをつづけています。
そのなかで、定番となっているのがこのシャツ。
といっても、毎シーズン、
使う素材に合わせて、微妙に調整をしているそう。
少年っぽいボタンダウンなのに、
どこか女性らしさがあるのは、衿の小ささのためですが、
これも、定番のなかで徐々に変化したことのひとつです。
今回の素材は綿ジャージ。
綿のボタンダウンシャツの定番生地といえば
オックスフォードですが、
それをジャージ素材でつくっています。
使っている糸は
くつしたやニットをつくることができる糸で、
ふつうはシャツには使わないものです。
超長綿を強撚(きょうねん)にしてあり、
生地にするとシャリッとした印象です。
感覚的にはポロシャツに使う鹿の子。
糸の表面を焼いているので、毛羽立ちがなく、
さらにシルケット加工をしていますから、
とても着心地のいいものになっています。
素肌にふれてもさらりとしていて清涼感がありますよ。
形の特長としては、「立体的」であること。
もちろん洋服は基本的に立体なのですけれど、
ビューティフルピープルの「立体」は、
動きに対してのもの。
たとえば脇は「ピポッドスリーブ」といって、
猟師さんが猟銃を構えるときに
ジャケットの下でも動きやすく、
可動域が大きくなるようにと考えられたものを
このシャツにも取り入れています。
(手を大きく挙げたときにも、つれないんです。)
ディテールとしては、
第一ボタンから第二ボタンの間隔にも工夫が。
もともとボタンダウンというのは
ここが詰まり気味なんですが、
ボタンを開けて着るときには、
間隔が開きすぎるとセクシーさが出過ぎます。
また、狭すぎるときれいに見えません。
ですから「ひとつ開けても、ちょうどいい」くらいに
調整がされています。
丈は短めですが、最近はハイウエストのパンツが多いので、
そういう場合はインして着ていただいても大丈夫です。
逆に腰履きのパンツのときには、
外に出して着ても邪魔にならない、
ポケットにスッと手を入れられるような丈感です。
前後の丈のバランスは、前身ごろが少し長め。
ふつうは同じか、後ろが長めなのですが、
胸があっても同じふうに見えるようにとの工夫です。
ストレッチの効いた生地なので、サイズは「小さめ」、
ややタイトにつくっています。
1枚で着ても、もちろんいいですが、
ライダースジャケットのインナーにしても
恰好いいものをと思ってのサイズ展開です。
生地の特性で、着ているうちに体に馴染み、
多少伸びますが、洗って乾燥させれば元に戻りますよ。