糸井 | 今回、1個ずつ紹介して販売する、 「ウントエーゼ(undose)」と 同じ形式ですよね。 |
ほぼ日 | はい、基本的には。 ただ抽選ではありません。 |
糸井 | そうするとどんどん 売約済みって貼られてくわけ? |
ほぼ日 | はい。 |
糸井 | うわあ。 |
ほぼ日 | ものによっては同じかたちが 複数個あるものもあります。 手作りですから完全に同じではありませんが このグループは同時につくられていて 個体差がないと判断したものは グループで複数個、展示します。 |
糸井 | その場合、「あと何点あります」 というふうに、減っていくんだね。 |
ほぼ日 | そうです、そうです、はい。 |
道歩さん | みんな、どういうふうに見はんのやろ。 ドキドキ。 |
糸井 | すぐに売れないものも、 そのまま置いていればいいんだよ。 お店は、そうなんだから。 全部売りきれる必要はないよ。 売れちゃう気もするんだけどね。 カレー皿のときのって、 ご本人が、いちばん心配したでしょ? |
道歩さん | (笑)すっごかったですよ、もう。 |
糸井 | そう、胃が裏返しに出るぐらい? |
道歩さん | あ、もう吐くかも、みたいな。 もうほんま、どないしようみたいな感じ。 最初が250枚ぐらいでしたっけ、 数もあるし、まわりのみんな、高いって言うし、 売れるのかしらんとか思ってましたよ。 |
糸井 | 土鍋なら、実績もあるけれど、 カレー皿はないもんね。 僕には、すっごくいろいろ ビジネスのことを教えてくれる 先輩にあたる人がいるんですが、 「これはなんですかーっ!」て言って もーのすごく笑った。面白がった。 「あるじゃないですか、カレー皿、 いっくらでもどこんちでも」って言うんです。 いやあ、あるんだけど、 カレー皿っていうものとしてはないよね、 スープ皿を利用してるよねって言ったら、 そうですよ、でもそれがカレー皿ですよ、 それはそれでって言うわけね。それで、 なぜつくるのかって訊くから、 「食べるときに、 こうなってこうなったらいいだろうなと思ったし、 大事にしたいと思ったし」 って言ったんだけれど、 その人はほんとに分かんないっつって面白がった。 ちゃんと売れたあとも、 「それが売れたんですか? ほんとに分かんない」って言ったんだよ。 |
道歩さん | あはは(笑)。 |
円さん | ふふふ(笑)。 |
道歩さん | わたしが驚いたのは、 「カレー皿」って名前が付いたら そういうふうにしか使わないのかと思ったら、 違ったことです。 どなたも気になさらず、 いろんなものを盛るお皿に 使ってくださっている。 |
糸井 | そうだね。そしてあのときよりは逆に このお店は、見え方は分かりやすいんだけど、 こっちの方が1個ずつの 子どもの行き先が心配だね。 こいつ、だめだったのかなとかね(笑)。 |
道歩さん | うわ(笑)!! |
ほぼ日 | 皆さんに電話をするとですね、 最初に、おっしゃるんです。 売れ残ったらどうしよう、 僕のだけ残ったらどうしよう。 みなさん同じことをおっしゃいます。 |
円さん | うん、思います、思います。 |
糸井 | そうだろうね。 |
ほぼ日 | 今回、1点ものから、複数個、 多いものは120個あるものまで いろいろな器がそろったんですが、 最初、作り手の皆さんには 1種類100個くらいずつ同じものを、 というお話をさせていただいたんですね。 まずその数に驚かれて。 |
糸井 | いや、ほんと思うと思うよ、 いつだってそうですよ。 ろくろと型とあるんですか? |
円さん | 基本、全員、ろくろです。 |
ほぼ日 | 石原さんが、手でくり抜いて、 彫刻のようにつくっていらっしゃいますが、 いわゆる型っていうのはなくて、 全部、手で作っています。 |
糸井 | あとは全部 くるくる回してるんですか? |
道歩さん | そうです、そうです。 |
ほぼ日 | 全部1個ずつです。 |
糸井 | えらいことだ(笑)。 |
道歩さん | そうですよ、本当に。 でもろくろの方が 手びねりよりも楽なんですけれど。。 |
円さん | うん、早い。 |
道歩さん | だから石原さんが いちばん手間かかってると思いますよ。 |
ほぼ日 | 今回、参加してくださった作家の皆さんに 共通してるのは、 食べることが好きだということですよね。 |
道歩さん | しかも、料理を自分で 作られる方が多かったですね。 |
ほぼ日 | 自分で作る。で、自分で盛る。 |
糸井 | なるほど、なるほど。 そこまで含めて陶芸なのかもね。 |
道歩さん | みなさん、そうでした。 |
ほぼ日 | 中里隆さんのところでも 手料理でもてなしてくださいました。 中里さんは、お蕎麦の 三合菴さんで使われている、 お醤油差しをつくったかたですね。 |
糸井 | あの醤油差し、いいね、やっぱり。 |
道歩さん | あれ、いいですね。 よう醤油が切れますね。 お家にうかがったときも 使われてました。 そしてその中里隆さんのお弟子さんが、 余宮隆さんなんですよね。 |
(つづきます) |
2011-02-11-FRI |