その17 卒業 |
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ぼうた |
できた! |

トリ |
できましたね。 |

きはら |
ちょうど10パック。 |

タカモリ |
「ハートからはじめよう」で完成した
ハートのあみぐるみがぜんぶで54個。 |

山下 |
ではみなさん、
当選者の発表をお願いします! |

タカモリ |
はい。私がひいたかたは、
渋谷区の高橋さんと、
同じく渋谷区の近藤さんです。 |

きはら |
おいらがひいたのは、
横浜市の松本さんと、
川崎市の花田さん。 |

ぼうた |
あ、僕も花田さんをひいたよ。
こちらは、立川市の花田さんですね。
それと、目黒区の高良さん。 |

トリ |
えー、僕は、
世田谷区の似鳥さんに、
横浜市の原さん。 |

山下 |
最後のおふたりは、
横浜市の児玉さんと
練馬区の瀬尾さん。
以上の10名様に当たりました。 |

全員 |
おめでとうございます! |

タカモリ |
たくさんのお客様の
心がこもったハートです。
かわいがってあげてくださいね。 |

山下 |
ええと、
これで卒展のあれこれは
すべて終了しましたでしょうか。 |

きはら |
‥‥終わり、かな。 |

トリ |
ええ、終わっちゃいました。 |

山下 |
‥‥いかがでしたかみなさん、卒展は。 |

全員 |
たのしかったです! |

山下 |
ですよね(笑)。 |

ぼうた |
僕は念願だったシャケをつくれたし、
卒展として思い残すこと何もなしですよ。
みんなも、出しきったよね! |

トリ |
はい、面白かったのひとことに尽きます。
ほんとにいろんな人と話をして、
自分がやりたかったこともできて。 |

きはら |
そうだねー、
今回はそれぞれの個性が爆発だったよね。
グループ展として、すごく成功した
催しだったんじゃないでしょうか。 |

タカモリ |
ひとりでやったら、こうはならないです。
私もみんなとやることで、
気持ちをラクにして自由に編めました。
そしてやっぱり、
みなさんとお話できてうれしかったです。 |

山下 |
たくさんご来場いただきました。
ちなみにギャラリーtrayさんの
最高動員記録だそうです。 |

全員 |
おおー。 |

山下 |
行列ができたのも初だそうです。 |

全員 |
おおー。 |

山下 |
あと、展示会というものはふつう
作家の作品を見にくるものなのに、
自分の作品を持っていらっしゃるお客様が
こんなに多い展示会は
ちょっと考えられないそうです。 |

ぼうた |
たくさん見せていただきましたよね。 |

きはら |
ほんと、お客さんの作品を集めれば
それで展示会開けちゃうくらい(笑)。 |

山下 |
すこしだけご紹介いたしましょう。
まずこのかた、
初日いちばんのりのお客様です。 |
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タカモリ |
このかたは、
クリスマス会もいちばんのりでしたね。 |

山下 |
うれしいですよね。
パンダと、それからクリスマス会のときの
キットを完成させてきてくださいました。 |

トリ |
こちらの女性ふたりは、
昔編んだのを持ってきてくれました。 |
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きはら |
このコンテンツを読んで
昔やってたあみぐるみを
またやりたくなったって人、
わりと多いんだよね。 |

ぼうた |
このかたは、かなりハイレベルでしたよー。 |
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トリ |
このクマも、かわいかったなあ。 |
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山下 |
うさぎのキットを買ってくださって、
すぐにその編み図をアレンジして
ワンちゃんを編んでいらしたかたも!
こちらの女性です。 |
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ぼうた |
ずっと前からタカモリ先生のファンで、
先生デザインのちびくまちゃんを
編んできてくれたお客様はこちら! |
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ぼうた |
かわいいんです、これがまた。
ほおずりしちゃいましたよ。 |
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きはら |
アブない!
ぼうちゃん、この写真はアブないよ(笑)。 |

ぼうた |
いやいやいや、そんなことないでしょう。 |

山下 |
(笑)とにかく、
すてきなお客様が次々に
やってきてくださいました。
こちらは「ブタフィーヌさん」の
たかしまてつをさんです。 |
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タカモリ |
たかしまさんは準部員ですからね。 |

ぼうた |
たかしまさん、
いつかブタフィーヌさんを
編んでくださいねー。 |

山下 |
そして「フォト絵」でおなじみの
福田利之さんも。 |
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山下 |
さらに「味写」の仕掛け人、
天久聖一さんもこんな状態に! |
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山下 |
おふたりとも、
すばらしいお写真ありがとうございました。 |

タカモリ |
「おしゃれ工房」でお世話になった
NHKのアナウンサー山本志保さんも
来てくださいました。 |
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トリ |
山下さんの巨大うさぎは、
みんなが一緒に記念撮影してましたよね。 |

山下 |
ありがたいことでした。
とくに、ちびっこが横に並ぶともう‥‥。
ひそかに感動してましたよ。
ほら。 |
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全員 |
おおー。 |

トリ |
絵になります。 |

ぼうた |
女性やお子さんだけじゃなく、
今回も男性がうれしそうでしたよね。
こちらは、おとうさんと白虎。 |
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きはら |
おとうさんとうさぎ。 |
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山下 |
外国の男性with白虎。 |
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山下 |
このかたはイギリスのお生まれで。 |

タカモリ |
はい。 |

山下 |
なんでも、タカモリ先生の本が
アメリカで出版されることになって、
そのスタッフだというではありませんか。 |

タカモリ |
はい。 |

全員 |
おおー。 |

山下 |
さて、
ここまで会場の様子をお伝えしてきて
みなさんお気づきだとは思うのですが。 |

きはら |
ん? なに? |

山下 |
なんだか僕のうさぎの写真が多いですよね。 |

ぼうた |
ああ、でもそれは。 |

山下 |
はい、当日はどうしても
自分のコーナーにはりついてましたので、
みなさんの撮影ができなかったのです‥‥。
ですが、そうなることはわかっていました。
わかっていたので‥‥。 |

ぼうた |
ちゃんと準備をしておいた。 |

山下 |
はい。 |

きはら |
えらい。 |

山下 |
カメラマンの加藤アラタさんに、
じっくり撮影していただきました。 |

タカモリ |
来られなかった読者のかたにも
作品をみていただけるように。 |

山下 |
そうです、
「卒展 プチ・ギャラリー」を
ご用意させていただきました。
こちら↓から、ご入場ください! |

▲クリックするとスライドショーがはじまります。
次の写真にすすむには画面の右側上をクリック、
もどるには左側上をクリックしていってくださいね。
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タカモリ |
最終日に撮った記念写真、
みんな満足そうですね‥‥。 |
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きはら |
‥‥これで、ほんとに卒展のことは
終わりだね。 |

トリ |
‥‥はい。 |

ぼうた |
‥‥終わっちゃいました。 |

山下 |
‥‥さて。
それではこれから、
卒業式をはじめましょう。 |

きはら |
卒業式‥‥‥。 |

山下 |
みなさんから、ひとことずつ、
部活動ぜんたいを振り返っての感想と、
いちばんたのしかった想い出を
発表していただきます。
では、ぼうたさんから順に。 |

ぼうた |
‥‥はい。
まず、先生と部員のみんなに出会えたことを
心からうれしく思っています。
自分は何を編むか、自分の個性は何なのか、
ずっと悩み続けて苦しんで、そして、
答えを見つけられた活動だと思っています。
これからも、僕は編むと思います。
主に、自分の子どものために。
たのしむことを基本に編みたいですね。
で、ええと、いちばんたのしかったのは、
材料の買い出しで苦しんだことです(笑)。
ああでもないこうでもないと考えて
毛糸やボタンを探すのがたのしかったです。 |

トリ |
あみぐるみにはずっと薄く興味があったので
部活への参加が決まった時には、
「時がきた!」と興奮しました。
実際活動をはじめてみて、
ものをつくるとはこういうことか、と
先輩方を見ていてとても勉強になりました。
本業のイラストにも、ここで得たものは
フィードバックされていると思います。
自分の絵に愛着がわくようになったんです。
これからも、編みます。腕を磨くために。
それがまた絵に帰ってくると思うので。
‥‥なのできょうも、
編みかけのものを持ってきました。 |
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全員 |
おおー。 |

トリ |
自分を、編んでみています。
‥‥部活でいちばんたのしかった想い出は、
夏に公園で撮影会したことです。
あれは、純粋にたのしかった‥‥。 |

きはら |
たくさんの人が見てくれる場がある
ってことには、ほんと感謝ですね。
締め切りがあるっていうのも大切でした。
ほかの部員はどんなのつくってくるんだろ、
おいらはこれでいくぞ!って持ってく興奮。
見せ合う瞬間のドキドキ。
それが、この部活の醍醐味だったかな。
そうきたか! ならこっちはこうだ!
っていうのが、ほんとにたのしかった。
‥‥おいらもきょう、つくってきたの。 |
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全員 |
おおー。 |

きはら |
雪男。
そいつも、きょうみんなに会うから
完成したんだよね‥‥。
これからどうしよう(笑)、
自分で締め切りを設定しないとヤバイよね。
でも、とにかく今後も編みますよ。
というか、ここからがスタート。
あみぐるみはまだまだ面白いからね。
‥‥ええと、いちばんたのしかったことね。
それは、怒られたことです(笑)。
撮影会で公園のおじちゃんに怒られたり、
ほかにもまあいろいろと。
この歳になって怒られること、
そうそうないもんなあ(笑)。 |

山下 |
イラストレータさんにデザイナーさんという
ビジュアル系の部員に混じって、
不安でいっぱいの入部式でした。
そんな中、ことばを使って
自分のありふれたあみぐるみに
物語をふきこむようなことが
それなりにできたのではないかと、
今はたいへん満足しています。
おおげさな言いかたになりますが、
編み物ができるようになって
人生がひとつ豊かになった気もしています。
男なのに編み物‥‥
そういうテレも今はまったくありません。
これからも時間の許すかぎり、
堂々と編んでいこうと思います。
いちばんたのしかった想い出は、
部活のあとにみんなで
パフェを食べにいったことです(笑)。 |

タカモリ |
あ、私もそれがいちばんだと思ってました。 |

山下 |
部活のあとに、パフェ。
ありえないですよね、40代の男が(笑)。 |

きはら |
でもあれはすごく部活っぽかったよね。 |

山下 |
ええ。
‥‥というわけで先生、
このあたりで先生から我々部員に
贈る言葉をいただけますでしょうか。 |

タカモリ |
‥‥はい。
とにかくみなさんにお礼が言いたいです。
男性にも編んでほしいっていうのは
ずっと思ってたことなんです。
私の教室に来る男性は何人かいたのですが
女性ばかりの教室なので
みんなやめちゃって‥‥。
この部活で、男性も編み物にハマるという
立派な証拠ができました。
立派すぎる証明です。
みなさんほんとうに優秀な生徒さんでした。 |

全員 |
‥‥‥‥‥‥‥‥。 |

タカモリ |
きはら部長、トリちゃん、
ぼうちゃん、山下さん、
これからもそれぞれのスタイルで
編み物をたのしんでください。
‥‥最後に、伝えたいことがあります。
毛糸は「我」が入ることを嫌うと、
私は思っています。
毛糸のおかげ、毛糸を使わせてもらっている
という気持ちで編んでくれると
私はとてもうれしいです。
‥‥みなさん、ありがとうございました。 |

ぼうた |
こ、こちらこそ、 |

全員 |
ありがとうございました! |

山下 |
‥‥あの、先生。 |

タカモリ |
はい? |

山下 |
この連載の最初に、
「目標はパリで展覧会」と掲げましたよね。 |

タカモリ |
はい。 |

山下 |
じつは、それについてのお問い合わせが
友人、知人、読者さんからのメールで
けっこう寄せられているのですが‥‥。 |

トリ |
パリは、どうしましょう‥‥。 |

タカモリ |
‥‥行きますよ。 |

きはら |
行く‥‥。 |

タカモリ |
もちろん。 |

ぼうた |
あきらめてはいない‥‥。 |

タカモリ |
私、あきらめたことなんか
いちどもありません(笑顔)。 |

山下 |
わ、わかりました!
じゃあ、パリ行きが決まったら
また僕らはここに集まりましょう! |

タカモリ |
はい。
でも、パリが決まる以外でも、
良いことやたのしいことがあったら、
またいつか、集まりましょうね! |

全員 |
はい! |

山下 |
一同、起立!! |

全員 |
(すっくと立つ) |

山下 |
部長から先生に花束の贈呈です。 |
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タカモリ |
わあ、ありがとうございます‥‥。 |

全員 |
ありがとうございました(拍手)。 |

きはら |
先生先生、お花を持って写真! |

タカモリ |
あ、はい‥‥。 |
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山下 |
すばらしい‥‥。
よし、みなさん、
ほぼ日の事務所に向かいましょう! |

全員 |
向かいましょう!
(バタバタバタと向かう) |

ぼうた |
‥‥あ、いたいたいた! |

きはら |
シェフさんシェフさん! |

シェフ |
はい? |

山下 |
シェフ武井さんに花束の贈呈です。 |
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シェフ |
ありゃりゃ、ありがとうございます。 |

タカモリ |
私たちのページを担当してくださって、 |

全員 |
ありがとうございました! |

シェフ |
いやいやいや、お疲れさまでした。 |

山下 |
‥‥シェフさん、
シャッター押してもらっていいですか? |

シェフ |
ほいほい、もちろん(カメラを受け取り)、
‥‥ん? もっと寄りましょうか。
もっともっと近くに集まって‥‥。
はい、じゃあ撮りまーす。
カシャ。 |
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みなさま、
約10カ月のあいだ、
ご愛読いただきありがとうございました。
やりたいことを思う存分
心を込めてやらせていただいた
「タカモリ・トモコと男子あみぐるみ部」は、
これにて解散させていただきます。
もしかしたら、
またお会いできる機会があるかもしれません。
でも、今は何も決めず、
僕らは青山の交差点で散会いたしました。
タカモリ先生は、
もちろんあみぐるみ街道を突き進みます。
部員たちも、
相変わらずカバンに毛糸を忍ばせて
日常業務に戻るのでありましょう。
5本の糸が、
何かのタイミングでまたふわりと重なったら、
僕らはここに戻ってまいります。
その日まで、
みなさまも良き編み物生活を。
チャオ! |
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● お
し ら せ ●
Webマガジン幻冬舎にて、
タカモリ先生と愛猫・福ちゃんの
やさしさにあふれた愛情日記の連載がスタート。
側で話してくれているようなあたたかい文章。
先生はエッセイも、面白くて切ないんです。

「卒展プチ・ギャラリー」の
写真を撮ってくれたフォトグラファー、
加藤アラタさんのブログ「Kesiki」。
きれいです。ぜひ、みてください。

● お わ び ●
「卒展」でハートの編み図を
お持ち帰りになったお客様へ。
7段目の編み式に誤りがございました。
誤→7-16 (▲+□×4)×4
↓
正→7-16 (▲+□×3)×4
※▲=減らし目 □=こま編み
ハートができずに「?」となってしまったかた、
ほんとうに申し訳ありませんでした!!
● 先
生 & 部 員 プ ロ フ ィ ー ル ● |
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タカモリ・トモコ |
職業/あみぐるみ作家・かぎ編み研究家
言わずもがな、僕らの先生。
「アメとムチ」ではなく「アメとアメ」で、
やさしく指導してくださいます。
「amigurumi.net」 |
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きはらようすけ |
職業/イラストレータ(1958年生)
【あみぐるみスタイル/目玉重視派】
わが部の、部長です! 頼れます!
「ポンキッキーズ」のコニーちゃんを
描いたその腕で、あみぐるみと格闘中。
HP「kerokeroBRAND」
編みメーションはコチラ。 |
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ぼうたたかし |
職業/ウェブ・デザイナー(1965年生)
【あみぐるみスタイル/なりゆき重視派】
自転車と釣りを愛する
アウトドア派のあみぐるみスト。
きはらさん&タカモリ先生とは旧知の仲。
HP「ボウタデザイン事務所」 |
 |
トリバタケハルノブ |
職業/イラストレータ(1975年生)
【あみぐるみスタイル/へんなフォルム重視派】
静かに燃える最年少部員。
ひっそり溢れる闘志に感銘した山下が推薦。
そのポテンシャルはきっと計り知れません。
ブログ「コブラクロー」 |
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山下哲 |
職業/文筆業(1962年生)
【あみぐるみスタイル/手ざわり重視派】
このページを執筆するレポート係です。
でも、可能なかぎり編む所存!
こちらもよろしくお願いします。 |
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タイトルロゴ&似顔絵/きはらようすけ |