タモリ先生の午後2006。
去年と今年と、昭和と平成。
第2回 知りたくなかったですねぇ
世の中には、
もちろんいろいろな
学問があっていいんだけど、
寿命を考える年齢にさしかかると、
やっぱり、死を前提にしない学問は、
無意味だなぁと思うんです。
ほんとに、そのとおりだと思います。
死を前提としない学問もありますからね。
「そこまで関わりあってるヒマはないよ」と。
つまり、
「自分に与えられたゲーム時間は
 だいたい、このぐらいだよ」
と知って生きているのか、
無限に生きるかのように生きているのか、
では、そもそも、思想が変わりますもんね。
変わりますよねぇ……。

「今日で死ぬように生きなさい。
 永遠に生きるように生きなさい」

という言葉がよく言われまして、
理想としては、そうだよなぁとは思います。

……ま、そんなこと、
ぼくにはできませんけど(笑)。
ぼくの場合、今のところ、
「死」に対する暫定的な結論は、
「ダブルスタンバイ」なんですよ。

短く死ぬかもしれない、と考えつつ、
長く生きるつもりであると……。
うん。そうですね。

やっぱり、
「今日で死ぬように生きなさい。
 永遠に生きるように生きなさい」
ということになるわけだけど、
これは、なかなか、実際はきびしいんで、
自分用に、ちょっと世俗化しないと、ね?
タモリさんは
何年生まれでしたっけ?
昭和20年生まれです。
ぼくの3つ上なんですね。
そうすると、60歳ジャスト?
今年、なりましたね。8月に。
以前に
60歳を迎えた人と話をしていたら、
「やなもんだよ」と言うんです。

「でも、
 そんなに変わらないじゃないですか」

「いや、
 たまにモテたときに、
 『これは、あわれみなんじゃないか?』
 と思うときがあるんだよ……」って。
(笑)あぁ……。
つまり、そのかたも、50代までは
「モテてるな」と思えていたんですよね。
(笑)59歳で、そうは思えなかったけどねぇ。
でも、60歳になったら、
「同情かな」と思うようになったと……。

タモリさんは、
60歳の境目の時は
どんなことを思いましたか。
あんまり、変わんなかったですねぇ。
ただ、最近の5年、6年で、
年齢を感じさせるようなことは起きています。

同級生が、自分の母校の校長になるんですよ?
ああ(笑)。
(笑)イタい!
(笑)校長には、なってほしくない。
校長っていう言葉の意味は、
つまり、「じじい」でしょう?

なんか
えらそうな人生訓とかを話して、

「あぁ、
 もうこの人も最終ポストにきたんだ」
「あと4年で、退職なんだろうな」

まわりはそう思うじゃないですか。

校長というのは、
もう先生としての視野にもないですよね。

生徒としては、
校長と交わろうとは思わないし、
担任だとも思わないし……。
それに、同級生がなったという。
それは、知りたくなかったですねぇ。
明日に、続きます

2006-01-18-WED