タモリ先生の午後2006。
去年と今年と、昭和と平成。

前々から、タモリさんという人は
先生として最高なんじゃないかと思っていた。
生徒をあせらせない。
最低限の知恵と道具だけを与えるけれど、
そのまま気づかれなくても、気にもせずに笑ってる。
そのくせ、こども以上に好奇心が強くて、
なまけもので、みょうに小まめで、ちょとスケベ。
そういう先生に、タモリさんはなれそうだ。

そういう先生のいる職員室で、
出がらしのお茶でも飲みながら、むだ話をしてみる。
そんな感じの対談ができました。

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第12回 個人は、組織より強い
タモリさんも、ぼくも、
おたがい、
先の方針なんて立てない人間だ、
ということは知った上で、
敢えて話すんですけれども……

タモリさんは、これから
「どうも自分は
 この方向に動いているよな」
というものには、
どんなものがありますか。
いろいろな網の目のザルを用意して、
いろいろなことを
すくってみたいですね。
あ、いいですね!

しかもそれは、
誰でもできることだもんなぁ。

……ホームレスは、
ギンナンを拾って売ってますよね。

「誰でも拾える」
「貨幣に交換できる」

でも、誰もが拾わないんですから。

誰もが
見落としがちなものごとでも
「その価値の網の目」
のザルを用意した人なら、
価値を見いだすことができるんだよな、
というのを、
今のタモリさんの話に感じました。
「このへんが、
 おもしろいんじゃない?」
という、
ザルのすくいかたをしたいですね。
ぼくは、2006年は、
「甘いスタート」を
しようと考えています。

グズグズして、
「青写真ができるまでは
 スタートできないなぁ……」
というより、今の時代は、
どちらかと言えば、ですけれども、
「サイコロを転がしてでも前に進む」
という勇気を持つほうが、
いいんじゃないかなと思うんです。
うん。
なにもしないより、
おもしろいですもん。
うん。

青写真って
「あんまりおもしろくない」ですよね。
めんどくさいものですから。
大きな企業とか
大きな組織とかになればなるほど、
みんな、やるべきことを
あれこれ検討するもんだから、
青写真の細部のところで話が止まってしまう……

ベンチャー企業のおもしろさは、
「創業者が、個人で走っている姿」
にあるんだと思うんです。

個人の行動には、
なかなか、青写真かけないですからね。
それに、打たれたり、よろこんだりできる。

「個人は組織より強い」
という2006年を、
ぼくは、やってみたいんです。
あ、それ、おもしろいですね!
ぼくたちのしてることも、
根本的には、そうですもんね。

青写真をチェックする職業だけが
儲かる時代なんて、
なんだかイヤじゃないですか。

それよりは、息を止めて
走っていたほうがいいですから。
(ふたりの会話は、今日でおわりです。
 ご愛読を、ありがとうございました)

2006-01-28-SAT