第3回 テロとエロ
まちがっているまま、
「本人だけが異様に盛りあがる」
という本の書きかたは、
人間としては
ものすごくまっとうなんでしょうね。

だいたいの人は、ほんとは
そういうことをくりかえしていますから。

要するに、解決できない問題に
とりかかっちゃうんですよね?

そうそう。
「現実的には、ありえない」
というところにいっちゃう。

本というモノの悪い面は、そこですよね。
本の中だけで、
いくらでも盛りあがっちゃうというか‥‥。

記憶だと飛んでいってしまうけど
書いたことは参照できてしまうから
つみかさねられちゃう。
つみかさなるんですよね。

最初につまづきはあるんだけど、
それにもかかわらず、
もう、勇んで、勇んで‥‥!
勇み足、勇み足の連続で。

(笑)

タモリさん、
「英語語源日本語説」って知ってます?
清水義範さんが
『蕎麦ときしめん』という本のなかで
ふざけて、
「ケンネル」(犬小屋)は
「犬・寝る」から来ただとか
「BOY」は
「BOYA(ぼうや)」から来ただとか
架空の学術書を書いているんですけど、
心霊写真で
やたらと顔を見つけるみたいに
こじつけようと思えば、
なんでもできちゃうんですよね。

人とふつうにしゃべっているかぎりは
そういう特殊な見方は出ないんですけど。

うん。

本は‥‥あぶない!

あぶないですよね。
うたがうクセのある人じゃないと
本は、書いちゃいけないというか。

本は、読まないほうがイイですよ。
その「異様に盛りあがる本」でさえ、
ほんとにのめりこんで
盛りあがる人も、いたんですからね。

何日か前に
アメリカで "9.11陰謀説" をとなえていた人が
来日しましたよね。
「9.11はアメリカ政府の陰謀だ」
と、となえていた人で。

アメリカで「陰謀論」というものが
いったん、ひととおり流通したら
「ぜんぜん、ちがうらしい」と
もう、きいてもらえないらしくて
それで日本に来たみたいなんです。

その人が
日本に来た時期に、
たまたま、石原真理子の記者会見が
あったらしくて
アメリカ人の陰謀論のオヤジが
「彼女を支持する」と
なぜか、ジョイントしちゃったみたいで。

変わったことをいう人どうしが
自然に、くっついた、といいますか。

‥‥テロとエロ、かなぁ?
(笑)

アメリカ人に
石原真理子の話題で水をむけた、
というところがアイデアマンですよね。

(笑)

「‥‥ところで
 コレはどう思いますか?」
って、誰か、きいたヤツがいたんだろうねぇ。
ぜんぜん、関係ないのに。

その記者は
もう、どうでもいいんだろうなぁ。
どっちの話題のことも、
もう、どうでもいい、という‥‥。

(笑)
明日に、続きます
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2006-12-27-WED

(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN